カタリバ×東大、中高生の居場所「まれびとプロジェクト」

 カタリバが運営する文京区青少年プラザb-lab(以下、b-lab)は、2022年4月1日より2023年3月31日の間、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の山内祐平研究室と連携して、「まれびとプロジェクト」を展開する。中高生のための第三の居場所で新たな興味・関心を引き出す。

趣味・娯楽 中学生
文京区青少年プラザb-lab
  • 文京区青少年プラザb-lab
  • 東京大学大学院 情報学環・教授 山内祐平氏
  • 東京大学大学院 情報学環・特任研究員 杉山昂平氏
 カタリバが運営する文京区青少年プラザb-lab(以下、b-lab)は、2022年4月1日より2023年3月31日の間、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の山内祐平研究室と連携して、「まれびとプロジェクト」を展開する。中高生のための第三の居場所で新たな興味・関心を引き出す。

 「b-lab」は東京大学大学院 情報学環・学際情報学府の山内祐平研究室と連携し、ユースセンターという場における中高生の興味を引き出すメカニズムを研究する「まれびとプロジェクト」を立ち上げた。「まれびとプロジェクト」では、山内研究室の研究者が東京大学の若手研究者・大学院生と共に「まれびと」として「b-lab」を訪問する。

 「b-lab」は、学校でも家でもない「いつでもなんでも挑戦できる中高生の秘密基地」をコンセプトに活動するユースセンター。放課後や休日等の時間に集い、ロールモデルとなるさまざまな人と出会い、いろいろなことにチャレンジしながら学ぶことができる中高生の居場所。文化・スポーツ・学びに関する多様なイベントを通じて自分の可能性を発見する場として、専門的なスキルをもった地域の人によるレッスンやイベントを実施したり、自主企画型のマイプロジェクト(実践型探究学習)を取り入れたり、人と共同しながら自分のやりたいことにリーダーシップをもって取り組む力を育んできた。2021年8月に来館人数が延べ15万人を超えた。

 「まれびと」は、自らの専門分野に基づいたプロジェクトや研究活動を「b-lab」内のスペースで遂行しつつ、そのようすを開かれたものにすることで、中高生に専門的な活動を観察する機会や、共に作業する機会を提供する。このようなユースセンターにおける「まれびと」との日常的な出会いを通して、中高生が興味・関心を発見したり、新たな好奇心と出会ったりするための場作りを追求していく。

 「まれびと」とは、もとは民俗学の用語で、異界から来訪し、人間界に刺激を与える存在のこと。プロジェクトでは、「大学院生等大学で専門分野を学んでおり、『b-lab』でプロジェクトを展開しながら、新たな世界を見せてくれる人」を呼ぶ。

 中高生が放課後に安心して集まれる「新しい居場所」を提供し、さまざまな方法で中高生の「やりたい」に伴走してきた「b-lab」が東京大学と連携し、ユースセンターとしてのさらなる価値向上に取り組み、そこから見えてきた結果を発信することを通じて、ユースセンターについての知見を体系化し展開していくことを目指す。

◆「まれびとプロジェクト」研究
期間:2022年4月1日(金)~2023年3月31日(金)
研究員:
<研究責任者>東京大学大学院情報学環 山内祐平教授
<研究従事者>東京大学大学院情報学環 杉山昂平特任研究員
研究目的:
・「b-lab」の日常空間の中で中高生の興味を喚起し、新しいことをやってみたいと思えるような仕掛け方をデザインすること
・興味を喚起する立場として専門分野をもった東京大学の若手研究者・大学院生に参画してもらうことで、大学で取り組まれている専門分野への興味を刺激すること
研究方法:
・学習科学における興味論や学校外学習論の知見をもとにデザイン研究を行う。「b-lab」スタッフと協力しながら興味を喚起するための日常空間における「仕掛け方」を設計する
・デザインした仕掛けを実践に移し、参加した中高生に得られた体験を尋ねることで、興味が喚起できたか効果検証を行う。効果検証をもとにさらなるデザインの改善案をまとめる
研究結果の公表方法:
日本教育工学会をはじめとする学会での発表・学会誌への投稿を予定
《大田芳恵》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top