高校生向け勉強用検索アプリ「okke(オッケ)」を運営するokkeは、2022年7月16日、17日に夏のオンライン勉強相談会を開催した。大学受験生を対象に行われた7月17日の相談会には、教育系YouTuberの山本氏とぱた氏がゲストで登場。イベントのもようを振り返る。
英単語は「筋トレ」五感で覚える
司会進行を務めるokke代表の久保山皓平氏が、イベント冒頭でゲスト2名を紹介。YouTubeチャンネル「受験メモ山本」で受験生向けの化学や物理の授業動画を配信する山本氏は、「化学をメインに授業シリーズをあげています。ひととおり授業でやった人向けにもう一度知識を入れ直す動画なので、化学が苦手な方はぜひ。本業は個別指導で数学、英語、物理、化学などいろんな分野に触れています」と語った。
「ぱた/高校数学」を運営するぱた氏は現役の大学院生で、東北大学の数学科修士2年に在籍している。「皆さんと年齢が近いので、近い視点でお話ができるところが強みだと思います。YouTubeチャンネルでは、本当に受験生が必要としている地道な計算問題、地方国公立大学のレベルの問題ばかりあげています。よく言えばニーズに合った、悪く言えば変態なチャンネルです」と話した。
ゲスト紹介が終わると、早速本題へ。受験生から事前に寄せられた質問にゲスト2人が回答していく時間となった。
質問1:受験生の夏、重点的に取り組むべきことは?
まずは英語・現代文・日本史の科目別に知りたいという受験生へ、2人がそれぞれ回答。
ぱた氏は「英語は、夏に限らず早いうちからやった方が良い。受験3か月前に焦って、英単語を思い出すのでは完全に時間が足りない。単語を覚えるのは筋トレみたいなもので、日々の積み重ねでしかできない」と早期から英語に取り組むことの重要性を強調した。
そのうえで、英単語の勉強法について「できる限り五感の多くを使って覚えると良い」とポイントを伝授。ぱた氏は高校時代、ルーズリーフに覚えられない単語を書き出して、自分専用の単語帳を作ったエピソードを紹介した。
「苦手な単語だけを集めた単語帳を見て、覚えたら◯をつけて、覚えていなかったら×をつける。◯が3つ連続で重なったら、斜線を引いて。とにかく手を動かした。単語帳をパラパラめくるだけ、赤シートで隠して意味を思い出すだけではなく、できる限り触覚も使った」と説明。「いちいち書き写すのはめんどくさいと思いがちだが、結果的に効率が良い」と話した。
山本氏は、英文解釈の重要性に言及。一文ごとに構造を理解し、日本語に訳せるレベルには夏までに到達すべきとした。「『この文法、見たことある』という曖昧なレベルではダメ。自分でアウトプットできるレベルにしないといけない」と語った。
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続いては現代文の勉強について。
山本氏は、自身が理系であることを断ったうえで「現代文がよほど苦手でなければ、他の苦手科目を優先して良い」と回答。試験の配点は多くのケースで英語や数学の方が現代文よりも高いと指摘した。また、勉強をしなくてもある程度解けるわりに、勉強しても満点近くを安定的に取れるわけではないという現代文ならでは性質から「差がつきにくい教科なので、そこまで勉強しなくても良いのでは」とした。
ぱた氏も「振れ幅が少ないので、学習量に対するパフォーマンスが悪い印象」と山本氏の発言に同調。とはいえ、国公立理系では共通テストでボーダーラインをクリアする必要があるため、現代文も足を引っ張らない程度には得点を取ることが求められる。「僕がお勧めしたいのは数を解くこと」とし、夏休みに過去問に取り組むことで、文章読解スピードが上がると主張した。
日本史については、山本氏が「夏休み中は学校もなく、頑張れない人もいると思うので、日本史の問題を出し合うために3日に1回くらい友達と会うと良い。リフレッシュにもなる」と話した。50問ずつ問題を出し合い、負けた人が昼食を奢るなどのように、ゲーム性を持たせるとより学習に身が入ると話した。
数学の応用力を身につけるには「反省」が必要
質問2:数学の分野融合の演習、どのような教材を使うと良い?
ぱた氏は「分野融合問題を集めた参考書はあまりないので、志望校だけでなく、いろんな大学の過去問を解くしかない」と説明。過去問への向き合い方について「正誤を赤ペンでチェックして終わりでは、数学はいつまでもできるようにならない。自分の回答と正しい回答を比べて、自分はどこの行からどこの行の議論ができなかったのか、思いつかなかったのかを反省することが大事」と語った。
自身は、1問ごとにノートへ反省点を書いていたという。「『こういう問題が出たら、この公式を使う』という反省と今後の目標を赤ペンで書き込んでいました。1回1回きちんと反省して、繰り返し考えることでどんどん応用力が身につくと思う。解答を見ずに(解法を)思いつく力が1番大事で、そのためには繰り返すしかない」。
うなずきながら話を聞いていた山本氏も「同感すぎて、言うことない」と笑った。
質問3:数学や化学など、問題集の場所や順番で解き方を覚えてしまっている気がする。このまま続けて大丈夫?
ぱた氏は「気持ちがすごく分かる」と共感。解決策として「友達に問題文をランダムで読み上げてもらったり、場所を覚えてしまった問題の類題を教科書や別の参考書から探して、それを解いたりすると良い」と提案した。
「このパターンだったらこうやって変形すれば良い、という解法の丸暗記ではなく、なぜこのように変形をするのかという理屈まで覚えてほしい」(ぱた氏)。
山本氏は「まず場所を覚えるまでやっているのがすごい」と評価したうえで、数学については同程度のレベルの別の参考書に切り替えるのも一案とした。一方で「化学は数学よりも覚えて良い」と語った。「過去問演習に臨むと『あの時はできたと思っていたのに』と気づく。化学に関しては、そこからあらためてやり直しても間に合う」。
忘れることを前提に、復習を勉強計画に入れる
質問4:習ったことを忘れないための方法は?
ぱた氏は「僕は物覚えが悪いので、暗記科目から逃げるために数学科にいったようなもの」と謙遜しつつ、受験を突破できた極意を披露した。
「忘れるたびに、時間をかけてその単語が含まれている分野の資料集のページを読み込んで、その周辺の知識もセットで復習した。二度と忘れないように、復習のときには必ず深掘りするようにした。受験生は時間がなくなるにつれて焦って次に進みたがるが、焦らずゆっくりと深堀りする方が効率が良いと思う」(ぱた氏)。
山本氏は「忘れることを認めること。そもそも勉強計画に復習の時間も組み込んでおくこと」と現実的な対策を示した。付随する情報量が多い方が忘れにくいため、自身は前後の文脈とともに記憶するようにしていたという。
質問5:物理・化学の予習方法について知りたい!
山本氏は「自分に合いそうな参考書をネットで調べて、まず適当に買ってみて、とりあえずやる。そのうえで、基礎的な問題集を自力でアウトプットするところまでやることが大事」と話し、市販の参考書が活字ばかりでやる気が起きない人には、YouTubeなどの動画教材の活用を勧めた。
一方「予習の良さをまったく理解できず、人生で一度も予習をしたことがない」と口にしたのが、ぱた氏。「復習こそ重要だと思っている。予習を何もしなかった人間なので、ここはノーコメントでいきたい」と苦笑いを浮かべた。
「化学式を覚えるコツ」について山本氏は、まず「化学式を覚える」という表現への違和感を指摘。「化学式は覚えるものではない。作るものなので」。とはいえ、化学は暗記要素が多いとし「例外を覚えるのが良いと思う。あとはできるだけ小分けにして覚えることを意識すると良い」と解説した。
ぱた氏も「覚えるというよりは、法則を覚えてできる限り暗記量を減らすような勉強が大事。ただでさえ、化学は暗記量が多いので。原則をわかっていれば、ある程度は計算で分かる」と話した。
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定期テストの勉強優先?受験勉強に専念?
質問6:定期テストのための勉強とのバランスはどうしたら良い?
この話題に関しては、2人の意見は割れた。
ぱた氏は定期テストの勉強をやるべきだと主張。定期テストのために暗記していた英文が受験本番で思い浮かんで役に立つことがあったと言い「(定期テストのための勉強は)無駄ではない。定期テストで手を抜いて良い点が取れなかったとき、その自分を許せるかどうか」と話した。
「定期テスト前1週間ほどから受験勉強を一時的に中断し、テスト勉強をすることで、学習のメリハリもでき、その後の受験勉強にも身が入る。部活も定期テストの勉強も全部しっかりやったという自信につながるのでは。何か理由をつけて勉強することから逃げてる人も多いんじゃないかと思う。言い訳をつけてサボる人は、受験勉強でもツメが甘い」と厳しい言葉を口にした。
一方、山本氏は定期テストの勉強はやらなくて良い、と主張した。「まず定期テストの傾向を研究する意義はないと思う。『定期テストのための勉強』に取り組むことに意義はない」と語った。
ただし「メンタルの問題」が重要とし「周りから『あの人点数低い』と思われるのが嫌だとか、定期テストの点数が低いことが自分の中で許せないとかであれば、テストの勉強をすべき。マイナスな気持ちになると受験勉強の効率も落ちるので、総合的な判断で決めれば良い」と話した。
質問7:過去問に手をつけるタイミングは?
2人は以下のようにコメントした。
「遅くとも10~11月くらいには(過去問に)触ること。ただ、もし志望校が決まっているのであれば、夏の時期に1年分は触っておくことが必要。特に、英語・数学。そうすると『こんなに入試って難しいんだ』と実感できたり、『これを解けるようにすれば良いのか』とゴール設定ができたりする」(山本氏)。
「夏休みは基礎から標準の問題を1周して、9月の頭くらいから共通テスト直前演習が始まる11月末あたりまでの間に過去問演習をやるのが一般的。ただし、高3の早い時期に赤本を開くのはすごく大事。敵を知らないと、モチベーションも上がらない」(ぱた氏)。
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受験生へのメッセージ
「今日僕が言ったことを『そうなんだ。やるぞ』と思ってもらえるのは嬉しいけど『これが正解』とは思ってほしくない。日々、勉強法を自分に適応させる努力をする必要がある。目先の成績が上がるよりも、自分の勉強法が改善される方が成績の伸びは大きい。今回の内容を参考に、日々自分で考えながら勉強法をアップデートしていってくれると良いと思う」(山本氏)。
「1番大事なのは自分の芯をもつこと。復習と予習の話で言えば、僕は予習しない人だったし、山本さんはわりとする人で真逆だった。間違った勉強法はこの世に1つも存在しない。大事なのは方針を一度決めたら、迷わずに突き進むこと。自分の決めた方針で突き進めば絶対実ると思う。僕はギリギリまでE判定だった東北大に逆転合格したが、高3の7月からセンター試験の点数も200上がった。本気でやれば、どれだけ志望校まで手が届いていない状態でも、いくらでも逆転できる。あきらめずに最後の1分1秒まで頑張ってほしい」(ぱた氏)。
高校生向け勉強用検索アプリ「okke」サービスモニターを募集
okkeでは、サービスの使用感を体験してもらう「モニター生」を募集中だ。日々の勉強にokkeを利用し、アプリの使い勝手などを代表の久保山氏とやり取りする。モニター協力の特典として、LINEやZoomなどで、久保山氏に勉強の相談に乗ってもらうことができる。
概要は以下の通り。
2022年度 okkeモニター生募集概要
応募資格:下記2点を満たす受験生
・本気で志望校合格を目指し学んでいること
・YouTubeの授業動画を使った勉強に興味があること
モニター内容:日々の勉強にokkeを利用し、定期的にアプリの使い勝手などのヒアリングの機会を設ける(月に2回ほど、Zoomなどでヒアリング)
モニター特典:久保山氏からのLINEやZoomを通じた勉強アドバイス
募集人数:3名(先着)
応募方法:以下のボタンより申込む
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