小学校入学「友達との関わり」過半数が不安…学研幼児白書

 小学校に入学するにあたり他者との関わりや新しい環境への順応に不安を感じている幼児が多いことが学研教育総合研究所の調査結果より明らかになった。また、保護者の約6割が、同世代の子供と比べて気になることが「ある」と回答している。

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小学校入学にあたり不安に思うこと
  • 小学校入学にあたり不安に思うこと
  • 同世代の子供と比べて気になること

 小学校に入学するにあたり他者との関わりや新しい環境への順応に不安を感じている幼児が多いことが学研教育総合研究所の調査結果より明らかになった。また、保護者の約6割が、同世代の子供と比べて気になることが「ある」と回答している。

 学研ホールディングスの学研教育総合研究所は、全国の幼稚園児・保育園児に通っている満4~6歳の各年齢・男女100人ずつとその保護者(計1,200組)を対象にアンケート調査を行い、その結果を幼児白書Web版「幼児の日常生活・学習に関する調査」として公開した。調査時期は2022年9月2日~9月6日。2017年に調査を開始しており、2022年調査は3回目となる。

 小学校に入学するにあたり不安に思うことを幼児に尋ね、複数回答可で集計した。1位は「友達との関わり」(52.0%)で、2位「学校での集団活動」(44.0%)、3位「登下校時の安全」(43.3%)、4位「新しい環境への適応」(41.8%)と続く。これらは2019年調査・2017年調査でも同じく上位に来ており、他者との関わりや新しい環境への順応は、変わらない不安要素であるようだ。

 また、2019年調査と比較すると「学校でのトイレ」(19.8%→22.0%)、「体力面」(10.0%→12.8%)「学校での着替え」(7.6%→9.7%)の項目がポイントを上げている。「体力面」に関して、スポーツ庁がまとめた令和3年度「全国体力・運動能力調査」によると、コロナ禍での運動時間減少により小・中学生の体力が低下したという統計がある。幼児においても、「外出の機会減から来る体力不足」を親が不安に感じていると思われる。

 次に、同世代の子供と比べて気になることはあるかを保護者に尋ね、複数回答可で集計したところ、「特に気になる点はない」と回答したのは40.2%。過半数の保護者は同年代の子供たちと自分の子供を比べたとき、気になることがあるようだ。全体では「協調性・社交性について」が1位で、その後は「学習・学力について」「心・情緒の発達について」と続く。ただ、どの回答もそれほど大きな差はなく、保護者の悩みは十人十色のようだ。

 同じ年齢の男女で比べてみると、「6歳女子」は、「6歳男子」に比べて「特に気になる点はない」が7.5ポイントも高く、差が大きかった。特に「ことば・言語について」「意欲関心・取り組む姿勢について」の2項目について、気になると回答した6歳女子の保護者が少なかった。調査の詳細はWebで閲覧できる。

《中川和佳》

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