【高校受験2023】東京都立高校入試・進学指導重点校「八王子東高等学校」講評

 2023年度(令和5年度)東京都立高等学校入学者選抜の学力検査が、2月21日に実施された。SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査・進学指導重点校「八王子東高等学校」の自校作成問題(英語・数学・国語)の講評を速報する。

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【高校受験2023】東京都立高校<講評・八王子東>
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 2023年度(令和5年度)東京都立高等学校入学者選抜(都立入試)の学力検査が、令和5年2月21日(火)に実施された。東京都教育委員会が令和5年2月14日に発表した最終応募状況によると、全日制は3万825人の募集人員に対して4万2,236人が志願し、最終応募倍率は1.37倍。

 リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査・進学指導重点校「八王子東高等学校」の講評を速報する。この他の共通問題(全5教科)と進学指導重点校(全7校)についても同様に順次掲載する。

八王子東高等学校<英語>講評

1.リスニング問題:小問数5

 例年通り問題Aと問題Bに分かれています。問題Aは3つの対話文とその内容に関する質問がひとつずつ放送され、答えとして適切なものを選ぶ形式でした。問題Bは外国人の先生が中学生に向けて行ったスピーチについて、放送された質問に対して適切な答えを選ぶ形式と英語で記述する形式でした。

2.対話文の読解(約1310語):小問数10

 イギリス英語とアメリカ英語の表現の違いに関する対話文です。適切な文を対話文中の空所に補う問題が2問出されました。問5は、2022年でも出題された下線部に関して「適切でないもの」を1つ選ぶ形式でした。問6は、対話文中の空所を補う1語を答える問題でしたが、2022年は本文中からの「抜き出し」という指示であったのに対して、2023年では「書き入れなさい」という指示になり、自分で考える必要がありました。問9の自由英作文は、英語を学ぶ意義を自分の経験に触れながら40語以上50語以内の英語で説明するもので、2022年と同様に「本文中に出てくる例は使用しないこと」という指示がありました。テーマは受検生にとって身近なものなので、取り組みやすかったと思われます。

3.エッセイの読解(約1150語):小問数12

 近年、ニュースや情報を得るために活用される場が増えてきているインターネットやソーシャルメディアの利点と欠点に関するエッセイでした。問5では2022年と同様に「下線部と本文の記述で述べられている内容が異なるもの」を選ぶ形式が出されました。問9は、下線部を書きかえた空所に入る2語を、抜き出しではなく自分で考えて答えるものでした。本文の内容を正確に読解できていることに加えて、書きかえた英文に正しく当てはめられる文法知識があるかどうかが問われていました。

八王子東高等学校<数学>講評

1.小問集合

 平方根の計算、二次方程式、確率、作図の4問からなる小問集合でした。丁寧な計算処理や数え上げが必要ですが、いずれも基本的な問題なので確実に正解したいところです。

2.二次関数

 放物線と直線に関する問題でした。〔問1〕は変域に関する問題、〔問2〕は格子点および等積変形に関する問題でした。文字式の処理があったり、やや煩雑な計算を求められたりという点はありますが、いずれも典型的な問題でしたので対応はしやすかったと思われます。

3.平面図形

 三角形と1辺を共有する正方形をつくり、周りにできる図形について考察する問題でした。〔問1〕は問題文の条件を正しく読み取れれば難しくはありませんが、〔問2〕(1)の証明問題は方針を立てるのに悩んだ受検生もいたかもしれません。等しい角度や長さを丁寧に調べることができたかどうかで、差がついたと思われます。(2)は、(1)で示した結果を上手く利用することができれば、解答までの道筋は立てやすい問題でした。

4.空間図形

 正四角すいに関する問題でした。〔問1〕は体積を求める基本問題でしたので、確実に得点をしたいところです。〔問2〕(1)は、問題文の条件から考える図形の形が適切に把握できたかどうかで、難度の感じ方に差が出たと思われます。(2)は最短距離の典型的な問題ですが、最後の小問ということもあり、ここまでの問題選択の巧拙や処理スピードにより、得点差がついたと思われます。

八王子東高等学校<国語>講評

1.漢字の読み取り

 難度の高いものを含む5問が出されました。標準的な難度の問題は確実に正解したいところです。

2.漢字の書き取り

 例年同様、日常生活ではあまり使われることのない語句が多く出されました。語句の意味を正確に把握し、解答につなげる必要があり、点差がついたものと思われます。

3.蓮見恭子『襷を、君に。』

 陸上部に入りたいと考える主人公と、その主人公に対して厳しく接するコーチとのやりとりを描いた小説文です。登場人物の心情が読み取りやすい文章であったため、時間をかけずに処理することが可能であったと思われます。記述では心情を丁寧に読み取り、まとめる力が求められました。

4.養老孟司『考えるヒト』

 生物の行動について「目的」という観点から論じた文章です。生物学は高校入試においてなじみのあるテーマですが、文章の抽象度が高く、内容理解に時間がかかった受検生もいたと思われます。記号選択の中には、まぎらわしい選択肢も含まれていますが、傍線部前後の因果関係や、傍線部中の表現の意図に注意しつつ対処することで、正解を選ぶことが可能です。制限字数240字の課題作文を余裕を持って解くために、記号選択はできるだけ素早く処理すること必要がありました。

5.上野誠『万葉集講義』

 『万葉集』の誕生した経緯について論じた文章です。文中に漢文の書き下し文が引用されていましたが、現代語訳がついているため、特別な漢文の知識は必要ありません。設問は記号選択中心で、抜き出し1問も含めていずれも標準的な難度でした。


 このレポートは、2023年2月23日(木)に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。

協力:SAPIX中学部

《編集部》

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