生き方のロールモデルは身近に「敬神奉仕」の教え根付く東洋英和女学院

 今年で創立140周年を迎えた東洋英和女学院中学部・高等部。同校の卒業生であり、現在は教師として活躍されている3名の先生方に、ご自身が在学中に、そして母校で教鞭をとるようになって感じた東洋英和女学院の魅力について話を聞いた。

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 今年で創立140周年を迎えた東洋英和女学院中学部・高等部。ミッションスクールとして、ひとりひとりが神様から委ねられた使命を自覚し、他者のために自己を役立てる精神を育成する学校として在り続けている。

 同校の卒業生であり、現在は教師として活躍されている3名の先生方に、ご自身が在学中に、そして母校で教鞭をとるようになって感じた東洋英和女学院の魅力について話を聞いた。

柿野滋子先生:中学部教頭。小学部から中高と東洋英和で学び、新卒で社会科教諭として着任。専任教員、非常勤講師を経て再び専任に。2人のお嬢さまも東洋英和を卒業。
平石真紀先生:中高を東洋英和で学び、専任教員、非常勤講師を経て現在は常勤講師として数学を教える。
飯田愛海先生:教員2年目。中学受験を経て東洋英和に入学。大学院を修了後は英語科教諭として同校に赴任。現在は中学1年生を担任。


自己を認め他者を尊重する「敬神奉仕」の精神

--まずは自己紹介をお願いします。

柿野先生:私は今年で還暦を迎えますが、人生の4分の3近く、東洋英和に関わっております。小学校から中高までの12年間、生徒としてお世話になり、大学を卒業後に社会科の教員として戻ってまいりました。結婚して子供が生まれてからの5年間は子育てに専念しましたが、後に非常勤講師として復職。16年間講師を経たのち、51歳のときに専任教員として採用されて今に至ります。社会人となった私の娘たちも中学受験を経て東洋英和に入学しましたので、保護者としても大変お世話になりました。

平石先生:私は中高と東洋英和で学びました。当時は柿野先生に教わったこともあります。大学卒業後は新卒で数学科の専任教員として赴任し、出産を機にいったん離れましたが、非常勤講師として復帰したのち、昨年からは常勤講師として勤務しています。実は、担任として柿野先生のお嬢さまの面談を担当したこともあります。

飯田先生:私は英語科教諭で、現在は中学1年の担任とテニス部の顧問をしています。私自身も中学受験をして東洋英和に入りました。小学生のときに学校説明会で英和生のお姉さんとお話ししたときから、東洋英和は憧れの学校でした。教員として再び東洋英和に戻って来られたことが、本当に嬉しくて、楽しい日々を送っています。

写真手前から平石真紀先生、柿野滋子先生、飯田愛海先生

--御校の建学の精神・スクールモットーについて、お聞かせください。

柿野先生:わが校の創立以来の建学の精神は「敬神奉仕」です。

 「敬神」とは、文字どおり神様を敬い仕えること。私たちはひとりひとりが神様に愛され、神様はかけがえのない賜物(タラント)を与えてくださっていると信じています。そう信じることが、“ありのままの自分で良い”という自己肯定感や、他者を尊重する気持ちにつながっています。

 そして、「奉仕」とは自分に与えられたタラントを世の中や人の役に立たせようとすること。これが東洋英和のキリスト教教育です。

 わが校には、明るく元気で優しい生徒が多い。それは、ありのままの自分に自信をもっていて、他人を尊重し仕えるという精神が根付いているからだと私は思っています。

自己肯定感が高く、明るく元気で優しい生徒が多いのは、「敬神奉仕」の教えが根付いているから、と語る柿野先生

中高での経験が教員としての現在につながっている

--飯田先生が母校で教鞭をとろうと思ったのはなぜでしょうか。

飯田先生:私にとって東洋英和は、学ぶことの面白さに気付き世界が大きく広がった場所でした。先生方に支えていただいたことを、今度は自分が教員として生徒たちに返したい、生徒たちが夢や目標に向かって自信をもって歩めるように伴走したいと思い、母校の教員を目指しました。

 私は繰り上がりでの合格だったこともあり、入学当初から自信がありませんでした。そんな私を変えてくれたのが英語の授業でした。東洋英和の英語の授業はグループディスカッションやグループワークも多く、生きた英語を学ぶことができます。旅先で道を尋ねたり街中の英語の広告が読めるようになったりと、まるで自分の中の扉がひとつずつ開いていくような感覚でした。先生方はどんなに忙しくても質問に答えてくれ、日記や英作文の添削もしてくださり、そのおかげで英語がどんどん得意になり、海外留学という夢も叶えることができました。

--先生方は「東洋英和らしさ」をどのようなときに感じるのでしょう。

平石先生:どの生徒も神様に愛されている存在だという認識が、教職員で共有されているところですね。指導に行き詰まることがあったとしても、皆がその生徒に寄り添って対応策を考えます。先生方の愛情の深さは学生時代にも感じていたのですが、教員になってからは、ひとりひとりを大事にしようという姿勢をいっそう強く感じるようになりました。

柿野先生:キリスト教の学校の担い手としてどうあるべきかは、修養会などでも共有されています。ですが、やはり毎朝8時10分から15分間、どんな行事の前にも必ず礼拝の時間があることが大きいと感じています。生徒のみならず教員も礼拝堂に集まり、聖書を開いて牧師や先生、いろいろな方からさまざまな話を聞きます。礼拝を通じて触れる神様の想いというものは、私たちの指導の後ろに地下水のように流れ、教育方針として浸透しています。

平石先生:思春期の生徒たちに、たとえ反抗されても心にはきちんと届いているはずと教員が信じられるのも、「神様が後ろにいらっしゃる」という思いがあるからこそ。また教員として、自分の指導が正しいかどうか立ち止まって振り返る機会が与えられているのも、この学校の良いところだと思います。

飯田先生:私の同期には、この学校に赴任して初めて聖書を開いたという方もいます。ですが2年目の今では「授業に入る前の朝の15分、落ち着いてお話を聞く時間が自分にとって欠かせなくなっている」と言っています。毎朝生徒たちとともに神様の言葉を聞くことは、キリスト教信仰の有無に関わらず、大切な時間となっています。

「授業が始まる前の15分間の礼拝の時間は、教員にとっても大切な時間です」(飯田先生)

--東洋英和で過ごした12年間を振り返って、柿野先生はいかがでしょうか。

柿野先生:東洋英和は私にとっての「安全地帯」でした。どんなときでも「ここに来れば私は大丈夫」と思えたのが東洋英和でした。自分のことをひとりの人間として尊重してくれる、ありのままを受け入れてくれる人たちがここにいるということを感じていました。

 今になって振り返ると、先生方の素晴らしさはもちろんですが、絶対的な存在である神様の教えが浸透しているからこそ、学校を「安心できる場所」と感じられていたのかなと。この学校に通う生徒は恵まれた環境の子たちが多いと思いますが、それでも、時には辛い思いをすることもあります。そうした子たちにとっても、安全地帯であってほしいと常に思っています

--柿野先生が社会科教諭を目指したきっかけを教えてください。

柿野先生:中学3年のときの社会の授業が本当に面白くて楽しくて。「人間のやっていることは過去だろうが、遠い国のことだろうがひとつの真理がある」ということを、歴史を通して教えてくれた先生がいらっしゃいました。私にとって授業というよりも人生の指針を学ぶ時間でした。

 そこからは、その先生が私のロールモデルです。先生のようになりたいと、ひたすら努力をし、就職先も東洋英和一択でした。そんな憧れの先生が、実は今も東洋英和にいらっしゃいます。一緒に働くことができているのは本当に光栄なことです。

教職員が団結すれば「なんとかなる」

--行事においても、先生方のつながりの濃さが発揮されているとお聞きしました。

平石先生:年間行事の中に、中2全員が参加する夏期学校や、中3から高2までの有志が参加する野尻キャンプという宿泊行事があります。野尻湖を遠泳するアクティビティがあるのですが、大自然の環境下で生徒たちを安全に導くためには、教員同士がお互い協力しあうことが欠かせません。具合が悪い子がいたらどうするか、悪天候や不測の事態にどう対処するかなど、若い先生からベテランの先生までがフラットな状態で解決策を話しあい、乗り越えていく中で、自ずと団結力が強まります。

「野尻キャンプは、生徒のみならず教員同士のチームビルディングの場でもある」と平石先生

--先生たちのチームワークは、働きやすさにもつながっているのでしょうか。

柿野先生:突発的な事情で急にお休みすることになっても、代わりを買って出てくださる方ばかり。私たちは生徒に、聖書にもある言葉「自分がしてほしいことを人にしなさい」を伝えていますが、それを実践してくださる先生ばかりです。何かトラブルがあっても、先生方でパッと補い合って何とかしてしまう。ひとりひとりがもっている力を出し惜しみせず助けあう姿勢は、我ながら誇らしい部分です。

自分は他者のために何ができるか

--「スクールモットー」はどのようなときに生徒さんたちに根付いているとお感じになられますか。

飯田先生:今年初めて担任を受けもったのですが、自分がされて嬉しかったことを、他者にも進んでしている姿を何回も見て本当に感心しています。学校説明会やオープンスクールの実施日は学校が休みになるにも関わらず、たくさんの生徒がお手伝いしたいと手をあげてくれます。黒板にメッセージを書いても良いかと聞いてくる子もいました。誰に指示されたわけでもないのに、未来の英和生のために何ができるか考えて行動している姿を見たときに、他者を尊重する心が中学1年生にも芽生えていることが、本当に嬉しかったです。

平石先生:障害者の方やお年寄りの助けになるためにはどうすれば良いのかを学ぶ、「ディアコニア(人に仕える)」という活動があります。点字や車いす体験、目隠しをして廊下を歩くなど、みんなとても真剣に取り組んでくれ、いざというときに助けたい気持ちをもってくれていることが伝わってきました。卒業式の答辞でも「私たちが神様から受けた愛を返したい」という言葉を聞くと、神様の想いがきちんと伝わっていることを感じます。

柿野先生:月に1回、クラス単位の礼拝があり、生徒たちが持ち回りで話をするのですが、ある生徒が話してくれたエピソードが印象的でした。

 ダンス部に所属していた彼女は、文化祭でステージを披露するキャストになりたくて懸命に練習を頑張り、神様にも毎日お祈りしたものの、オーディションに落ち続けて結局叶わなかったと言うのです。一方で、ステージに欠かせない衣装作りのリーダーとして大切な役目を担ったそうです。そんな彼女が伝えてくれたのは、「神様にお祈りすれば願いは叶うと思っていたけれど、それは自分が思いもよらない形で、もっと私に充実感や成功を与えていてくれた」ということ。普通は自分の思いどおりにならなかったら、落ち込んだり気分を切り替えようとしますよね。そうではなく、自分にはもっと別のすばらしいものが与えられていると信じられるのは、神様の愛が伝わっているからこそ。その後、彼女は衣装作りの経験を生かして服飾系の道に進んだと聞いています。

「神様がかなえてくださる『願い』は、わかりやすいものばかりではないのです」(柿野先生)

生徒たちの表情やホスピタリティに注目を

--柿野先生は、保護者の立場として、お子様方の志望校選びの際にはどのような点を見るようにしていたのでしょうか。

柿野先生:数ある学校を見学するうえで何に注目していたかというと、生徒たちが生き生きとした表情で活動しているかどうかです。生徒たちがホスピタリティをもっているかどうか、外から来た人にどういう対応をするか知りたくて、あえてトイレの場所をたずねたことも。ほかにも、部活動の連絡などが書かれた校内の掲示板にも注目すると、先生たちや生徒たちのやりとりや日常の姿が見えてくると思います。

平石先生もお子さまの中学受験を経験。「学校を訪問した際にはぜひ、お子さんにその学校の生徒と会話させる機会をもってほしい」と平石先生

--卒業生として、教師として、さらに保護者として感じる東洋英和の良さとはどんなところでしょうか。

柿野先生:明るくて元気で活発な子もいれば、おとなしい子や「おたく」趣味の子、いろいろな子たちがいます。どんな子であっても毎日のように「あなたはそのままで良い」と伝えていくのが私たちの方針です。だからこそ「こういうタイプが英和生です」「こういう英和生になってほしい」と強制することはありません。いろいろなタイプの子たちがお互いに認めあって共存できるような場所であり、たとえ何かに挑戦して失敗することがあってもそれを良しとする先生方の度量、やりたいことを後押しできる風土こそが東洋英和らしさだと思います。

平石先生:私は運動部やステージ系の部活で活躍するようなタイプではなく、あまり目立たない生徒でしたが、いわゆる「スクールカースト」というものがまったく存在しない学校だったなと振り返って思います。あなたはあなた、私は私。お互いがお互いで良いよね、とそれぞれが自然にいられる学校です。

飯田先生:学校全体の温かさも英和の良さだと思います。同級生を見ていると母校愛が強く、英和生であったことを誇りに思っている人が多いです。東洋英和には、帰りたいと思える実家のような温かさ、居心地の良さがあります。在学中にありのままの自分を受け入れられ大切にされ、どんなときでも先生や友達が自分の味方でいてくれたことで、他の人のありのままの姿も尊重することができる。自分を大切にして、相手も大切にするという優しさの循環が学校全体の温かさにつながっているのだと思います。

「東洋英和には実家のような温かさや居心地の良さがあるから、卒業生も良く立ち寄るのだと思います」と飯田先生

--受験生とその保護者に向けて、メッセージをいただければと思います。

飯田先生:東洋英和での日々がなかったら今の自分は絶対にいないと断言できるぐらい、先生方や友人、先輩後輩と過ごした6年間は本当にかけがえのない時間でした。自分の好きなことや強みを磨いて、伸び伸びと過ごせる学校だということを、教員としても、卒業生としても伝えたいと思います。みなさまが英和生になってくれることを心から楽しみにしています。

平石先生:小6の受験期の親御さんは、心配と不安が尽きないと思います。ただ、中高生や卒業生を見ていると、そのときは一大事として考えていたことも、実はほんの一瞬です。私もわが子の受験期はそんなふうに思えませんでしたが、やれるだけのことをやったらあとはなるようになるから大丈夫ですよ、と保護者の方にはお伝えしたいと思います。

柿野先生:いろいろなタイプのお嬢さんがいて、ありのままで良いのだと神様も私たちも伝えています。どんなお子さんがいらしても居場所がないことはありませんが、やはりすべての希望を叶えるオールマイティーな学校なんてありません。志望校選びの際に大切していただきたいのは、お子さん本人がピンときた学校が良いということです。

 12歳のお子さんは、自分のことをわかっている年齢だと思います。「この学校にいる自分がイメージできる」そういう気持ちになれる学校を選んでいただきたい。それが東洋英和であることを心から願っています。

--ありがとうございました。

大講堂で談笑される3人の先生方。講堂は音楽ホールとして使用できる構造になっており4階分の高さがある
大講堂の後ろにはパイプオルガンが設置されている

 神様の存在を心に留めながら、良き友、良き先生と出会い、共に過ごした6年間が先生方の人生の基盤を築いたのは言うまでもない。「神様からお預かりした子供たちのことを、私たちは大切に育てます」と柿野教頭先生。生徒ひとりひとりのことを想い願う、東洋英和の先生方の温かさに触れたインタビューだった。

東洋英和女学院 中学部・高等部
《吉野清美》

吉野清美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、子育てとの両立を目指しフリーに。リセマムほかペット雑誌、不動産会報誌など幅広いジャンルで執筆中。受験や育児を通じて得る経験を記事に還元している。

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