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博士人材の7割「民間企業での就業に満足」調査結果

 2025年1月22日から27日にかけて、レバテックが博士人材の就職活動と採用に関する実態調査を実施した。この調査により、博士人材の約7割が「民間企業で働いて良かった」と回答したことが明らかになった。

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民間企業で働くことを決めた理由
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  • 博士人材を採用して良かったこと
  • 専門分野以外で際立っていたと感じる能力

 2025年1月22日から27日にかけて、レバテックが博士人材の就職活動と採用に関する実態調査を実施した。調査対象は、民間企業で働く経験のある博士人材212名と、博士人材を採用する企業の採用担当者・責任者192名。この調査により、博士人材の約7割が「民間企業で働いて良かった」と回答したことが明らかになった。

 博士人材が民間企業で働くことを選んだ理由として、もっとも多かったのは「経済的安定を得たい」という回答で、53.8%を占めた。また、実際に働いて良かった理由としては、「経済的安定を得ることができた」が37.6%で1位となり、経済的基盤の確保がキャリア選択において重要な要素であることがわかる。さらに、「社会に貢献できている実感を持つことができた」(33.1%)や「大学に残るよりもキャリアパスの選択肢が広かった」(29.9%)といった点もあげられた。

 一方で、博士人材の中には「専門知識を過小評価されていると感じた」(49.1%)や「博士課程で学んできたことを活かせない」(32.7%)といった理由で、民間企業での就業に不満を持つ人もいることがわかった。専門知識を活かせる環境や評価制度の改善が求められている。

 博士人材を採用した企業に対する調査では、「博士課程で培った専門知識やスキルが自社の研究開発分野と親和性が高く、事業に大きく貢献してくれた」(55.8%)がもっとも多く、ついで「専門分野以外でも高い能力を発揮してくれた」(41.9%)が続いた。特に「論理的思考力」(48.8%)や「情報を収集し分析する能力」(47.3%)が高く評価されている。

 また、約3人に1人の博士人材が「研究分野と業務の関連性はない」と回答しているが、その半数以上が「民間企業で働いて良かった」と感じている。研究分野との関連性がなくても、民間企業での「やりがい」や「安定性」が満足度に寄与していると考えられる。

 博士課程在籍中の就職活動では、「相談先が少なかった」(45.3%)がもっとも大変だったこととしてあげられた。博士課程修了者のうち、民間企業や公的機関に就職する人は約3割にとどまる現状があり、就職活動に関する情報やキャリア支援の不足が課題となっている。

 レバテックの執行役員・泉澤匡寛氏は「少子高齢化による労働力不足と技術革新の時代において、博士人材の活躍が期待されている」と述べ、博士人材の就職活動における情報やキャリア支援の拡充が重要であると指摘した。2025年3月には、経済産業省と文部科学省が「博士人材の民間企業における活躍促進に向けた手引き・ガイドブック」を作成する予定で、博士人材の待遇や採用活動の見直しが提案される見込みである。博士人材が多様な分野で活躍できるよう、在学中からのキャリア情報の提供や就職活動支援の拡充が求められている。

《荒俣れい》

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