日本英語検定協会(以下、英検協会)は、大学入試における出願システムを運営するKEIアドバンスと基本合意を締結した。英検協会が実施する実用英語技能検定(以下、英検)のデジタル証明書と、KEIアドバンスが提供する「大学入試ASP」を連携させ、2026年度の大学入試から英検のデジタル証明書を活用できるように開発を進める。
英検のデジタル証明書は、合格証明書や英検CSEスコア証明書の電子版であり、紙の証明書と同様に公式な証明書として認められる。KEIアドバンスの「大学入試ASP」は、インターネット出願やオンライン受験票、合格発表、入学手続、成績開示などをワンストップで提供するサービスで、全国約100の大学で採用されている。
この連携の背景には、全国の高校や大学入試で英検をはじめとする外部検定試験が広く活用されている現状がある。特に英検は、大学入試において受験者が利用した外部検定試験の約9割を占めている(2024年度一般選抜、旺文社教育情報センター調べ)。一方で、KEIアドバンスの「大学入試ASP」は、出願登録や書類提出、入学検定料の支払などでオンライン化が進んでいる。
英検協会は、英検のデジタル証明書を「大学入試ASP」上で大学側に提出できるようにすることで、大学志願者および大学側の入試担当者にとって利便性が高まると考えている。具体的には、英検の合否公開日当日からデジタル証明書の発行および大学への提出が可能となり、出願直前まで英検に挑戦する機会が広がる。これにより、より高い級資格・スコアで大学入試に臨むことができるようになる。
また、大学の入試担当者にとっても、志願者から届く外部検定試験の紙の証明書を開封・チェックする手間が省ける。システムで成績照会を行う際の氏名や生年月日の不一致によるミスも減少し、目視確認でのチェック工程がなくなることで、個人情報不一致による志願者への問合せの負荷も軽減される。
英検協会は、KEIアドバンスとの取組みに続き、他のシステム会社とも連携を図り、全国の大学で英検の証明書をデジタルで提出できる状態を目指す。これにより、大学志願者や大学側の入試担当者にとって利便性が高まることが期待できる。英検協会は、「実用英語の普及促進」「生涯学習の振興」の理念を実現するため、今後も英語学習者や教育機関・自治体・国に向けた有益なサービスを提供するという。