ウェザーニューズは2025年6月4日、2025年の「台風傾向」を発表した。今シーズンの台風発生数は、独自のAI統計予想などから23個程度と、平年の25個よりやや少ない傾向となる見込み。このうち、日本へ接近する台風は平年並の11個程度になると予想されている。
2025年の太平洋熱帯域では、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生しない中立な状態が続くと予想されている。
シーズン前半(6~8月)は、日付変更線付近から上層の寒気をともなった低気圧が亜熱帯付近まで南西進しやすい傾向がある。このため、平年の台風発生域より北側となる日本の南や南東海上で大気の状態が不安定となり、台風が発生しやすくなる。一方、フィリピンの東海上で対流活動が平年より不活発なため台風が発生しにくく、フィリピン近海から南シナ海で平年並に発生しやすいため、平年より西寄りで発生しやすい傾向となる。
シーズン後半(9~11月)も、引き続き日本の南や南東海上で台風が発生しやすく、フィリピンの東海上は発生しにくい状態が継続する。また、インド洋の東部で海面水温が高く、対流活動が活発となる、負のインド洋ダイポールモード現象が顕著になり、シーズン前半に比べ対流活動の中心が西寄りになる。このため、平年よりも日本に近い場所で台風が発生し、台風が発生してから日本に接近するまでの時間が短くなる可能性がある。
2025年の台風発生数は、23個程度の予想。6月以降の発生数は平年並になる予想だが、5月までの発生数が0個のため、年間発生数は平年よりやや少なくなる見込み。このうち、日本へ接近する台風は平年並の11個程度になるとみられている。
ウェザーニューズは、独自AI統計予想や類似年の傾向を参考に、2025年の年間発生数を予想している。類似年の台風発生数は21~31個で、平均すると25.0個であったが、6月以降は22.7個と平年よりやや少ない傾向であった。このほか、対流活動の傾向などから、2025年の年間発生数は23個程度となる見込み。
また、6月以降の台風の接近数については、日本全土、北海道~九州、沖縄・奄美のいずれも、類似年平均は平年値と比べ1個程度少ない傾向であった。ウェザーニューズの「ウェザーニュース」アプリやWebサイト「台風NEWS」では、台風の詳細情報を確認できる。