【医学部受験】合格のキーワードは「タフネス」 駿台の独自データが解き明かす最新動向

 医学部への高い合格実績を誇る駿台予備学校が2025年11月から2026年1月にかけて、全国の駿台グループ22会場で「医学部入試情報講演会₋冬編₋」を実施した。2025年12月20日に医学部受験専門の市谷校舎で開催された同講演会の概要をレポートする。

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2025年12月20日に駿台 医学部受験専門 市谷校舎で開催された「医学部入試情報講演会₋冬編₋」のようす
  • 2025年12月20日に駿台 医学部受験専門 市谷校舎で開催された「医学部入試情報講演会₋冬編₋」のようす
  • 駿台予備学校 医学部専門校舎・市谷校舎 板井敬氏
  • 駿台予備学校 医学部専門校舎・市谷校舎 板井敬氏
  • 「医学部入試情報講演会₋冬編₋」資料より
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  • 「医学部入試情報講演会₋冬編₋」資料より
  • 「医学部入試情報講演会₋冬編₋」資料より
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 医学部への高い合格実績を誇る駿台予備学校(以下、駿台)が2025年11月から2026年1月にかけて、全国の駿台グループ22会場で「医学部入試情報講演会 冬編」を実施した。

 医学部受験に関する最新の入試情報や、駿台ならではの独自データに基づく受験戦略、勉強の取り組み方などが紹介され、医学部を目指す中学生・高校生、保護者が熱心に聴講した。本記事では2025年12月20日に医学部受験専門の市谷校舎で開催された同講演会の概要をレポートする。

「学力×体力×精神力」タフさが求められる医学部受験

 講演者は医学部受験専門の市谷校舎で既卒生を担当する板井敬氏。冒頭では医学部入学定員の推移について説明した。現在、診療科間や地域間での偏在化を背景とした医師不足もあり、国公立大学と私立大学を合わせた医学部定員は9,000人台で推移している。全国で医学部をもつ国公立大学は50大学で、そのうち前期試験を実施するのは49大学後期試験を実施するのは13大学となっている。国公立大学は、旧帝国大学が研究重視、旧医科大学が研究と臨床のバランス、新設医科大学は地域格差解消を目的とするなど、それぞれの設立目的が存在する。

駿台予備学校 市谷校舎(医学部専門校舎)板井敬氏

 一方、私立大学の医学部は全国に31大学あり、臨床医を養成するために人口密集地である大都市圏、特に首都圏に集中している。防衛省が設置する防衛医科大学校は10月に1次試験を実施するため、ここで最初に合格を得ることで、安心感をもって国公立大・私立大に臨む受験生も少なくない。「このような設立目的を知っておくと、受験校を絞る際の参考になる」と板井氏は語った。

入試科目

 入試科目は、国公立大が大学入学共通テスト(以下、共通テスト)で6教科8科目2次試験は原則として英語・数学・理科2科目で必ず面接がある。医学部受験では、科目数が多いだけでなく高得点が求められるため、社会や国語を疎かにすることができない。板井氏は「高校の授業の中で地歴公民や国語を定着してほしい」と指南した。

 私立大の入試科目は原則として英・数・理科2科目・面接・小論文だ。現役生が遅れがちな理科2科目は、どちらかが手薄になるとまず合格には届かない。また、私立大では約8割の大学が小論文を実施するため、読解力や表現力も必要となる。ちなみに一部の私立大医学部では、共通テストの持ち点を使って出願できる“共通テスト利用入試”を実施しているところもある。

医学部入試スケジュール

 2026年度の医学部入試スケジュールに大きな変更はない。例年、7月末までに入学者選抜要項が公表され、夏が明けると共通テストのWeb出願、そして9月頭から総合型選抜、11月からは学校推薦型が始まる。現在、学校推薦型や総合型選抜などの推薦入試は多くの医学部でも実施され、国公立大と私立大を合わせた募集人員は2,000名以上となっている。他学部の推薦とは違い、高校での推薦が取れたら合格確定とはならないが、板井氏は「志望大学ならば入試の回数が増えることでチャンスは広がる」と推薦入試のメリットに言及した。

 年が明けると共通テストが行われ、直後から私立大入試、2月は国公立大の前期試験、3月の後期試験と絶え間なく続く長期戦となる。板井氏は、「近年の医学部受験パターンは、受験回数と日程のタフさがポイント」と語る。

 共通テスト後から厳しい連続日程となる医学部受験生は毎年多いが、板井氏によると、「できなかった」という気持ちを引きずると、次の入試で本来の力を発揮できなくなる、体力面だけでなく精神面のタフさも合否に大きく影響するという。

 また、国公立大で後期試験を実施する大学は、2026年度入試では13大学のみと減少し続けており、募集人員も300名程度と極めて少ないため、倍率は大きく跳ね上がる。板井氏は「国公立大医学部志望者は前期で決めるつもりで勉強しないと本当に厳しい。しかし怯まず、最後までチャレンジし続ける姿勢が大切」と訴えた。

2026年度私立大医学部の学費

 私立大医学部では学費も重要なポイントだ。慶應義塾大、日本医科大、順天堂大、国際医療福祉大、関西医科大など、6年間の学費が2,500万円以内の大学は学力上位層が多く受験するため厳しい競争となる。2026年度は愛知県の藤田医科大が6年間の総額で800万円以上も学費を下げることから、倍率が高まることが予想される。一方で、初年度の学納金が1,000万円前後になる大学もあるため、板井氏は「私立大医学部は受験の前に学費の工面が可能かどうかをよく見極めてほしい」と注意を促した。

「共通テスト対策がカギ」国公立大医学部志望状況

 国公立大医学部では共通テストでの得点率が最大のカギとなる。合格者の直近3年分の平均得点率を見ても、共通テストを取りきらなければ前期試験での合格が厳しいことがわかる。中でも25年度の共通テストは易化し、医学部合格者の平均得点率が86%と3か年でもっとも高くなった。「1科目でも大きく足を引っ張る科目があると、この得点率には届かない」と板井氏は強調。「問題文の文字数・ページ数が増えているため、すべての科目で『この問題は何を問うているのか』『どう答えるべきか』など、題意を理解する国語力がないと正解にたどり着けない」と、60分から80分の中で多くの情報量を正確に処理する能力が問われていると述べた。

 では果たして、共通テストの得点がどの程度合否に影響するのか。板井氏は千葉大を例にあげ、自己採点データと最終的な合否の関係について解説した。「2025年度の結果を見ると、共通テストの得点が5点下がるだけで合格不合格の人数が逆転している。たった5点差だと思いがちだが、2次試験での逆転がいかに難しいかがわかる。駿台は全国規模の模試に加え、共通テストを受験する医学部志望者の8割が参加する自己採点集計を実施している。「毎年大学によって傾向は変化するので、こうしたデータを参考に合格の可能性を分析したうえで慎重に出願先を選んでほしい」と板井氏は語った。

 ちなみに、今年の9月に実施された「第一回駿台・ベネッセ共通テスト模試」の志望状況を見ると、医系の志望者指数は100で、今年度も国公立大医学部の人気が継続していることがわかる。

 首都圏では、筑波大や千葉大が減って群馬大が増えている。しかし、板井氏によると、国公立大医学部の志願者数の増減は流動性が高く、受験生は共通テストの持ち点で出願校を変えていくという。共通テストでの得点が想定より振るわない場合は、首都圏からアクセスしやすい群馬大や、新潟大、信州大に学力の高い層が流れて難度が上がる可能性がある。

 こうした中堅の国公立大の動向を見ると、たとえば筑波大は、9月に実施した模試では、55~70までの偏差値帯、つまりC判定付近で志望者が昨年より減少している。

 次に群馬大を見ると、筑波大とは異なり70までのどの偏差値帯でも志望者が増えている。板井氏によると、共通テスト後には、さらに上位大学を志望していた層が流れる可能性があるため、既に激戦が予想されるという。

 「A判定やB判定ラインの出る偏差値70近辺より上の層はどの大学を受けても合格する。注目すべきはC判定近辺で、ここは追い上げ次第で十分合格圏内にあり、もっとも合格者が出る偏差値帯。A判定が出ないからと簡単にあきらめてはいけない」と板井氏は強調した。

私立大医学部の人気は継続、勝負する学力帯の見極めが大事

 続いて、私立大の志望状況を見ると、医系の志望者指数は102と医学部人気は引き続き堅調で、2026年度の入試も厳しくなることが見込まれる。中でも前述のとおり、学費が下がる藤田医科大の志望者志願者指数136で大きく増加しており、激戦は必至だ。

 今年度入試スケジュール(1次試験)も例年どおり、共通テストが終わって、中1日で始まり、毎日のように入試日程が詰まっている。

 板井氏曰く、私立大の場合は「特定の大学にこだわるか、医学部に入学することを最優先に考えるか」が受験校選びのポイントになるようだ。

 「たとえば2月2日は4大学の1次試験が重なっているが、日本医科大は私立大の御三家(慶應義塾大、東京慈恵会医科大、日本医科大)で学費も安いので、学力上位層が受験する。また、東京に留まりたい受験生は杏林大を選択する。すると、この日に東海大や福岡大を受験する場合は、学力上位層と勝負しなくて良いことになる。私立大の医学部入試は、どういった学力帯の中での勝負になるのか見極める必要がある」(板井氏)

 さらにA判定ラインの見方についても、他学部とは異なると板井氏はいう。「たとえば、東京理科大の薬学部に合格できる学力があっても、同じA判定ライン58の北里大や東海大の医学部に受かるとは限らない。東京理科大の薬学部、慶應大の薬学部は理科1科目で受験できるが、私立大医学部の多くは理科2科目が必須。化学の得点力で薬学部に合格できても、物理や生物の勉強が間に合わなければ医学部合格は難しい」と述べ、理科2科目を万全に仕上げて本番に臨むのが医学部受験の王道であることを強調した。

医学部受験は膨大な準備が必要。まずは綿密な計画を

 もうひとつ、医学部受験で軽視できないのが過去問との相性だ。国公立大医学部は、総合大学と単科大学では傾向が異なり、総合大学は他学部との共通問題が多く、単科大学は頻出分野や独自の出題傾向への対策が求められる。さらに過去問に取り組む際には、共通テスト、個別試験それぞれの配点が大学ごとに異なるため、細心の注意が必要だ。板井氏は「個別試験であと何点取る必要があるのかを把握したうえで過去問に取り組むことが大切」と説いた。

 たとえば、千葉大の配点は、共通テスト475点、個別試験1000点と1475点満点。大学公表の合格者平均点を参考に過去問に取り組むことが学習の指標となる。

 私立大の過去問学習については、「私立大医学部も大学ごとに作問傾向が異なるので、得意分野が多い大学を狙う方が効率的。高校3年生の夏までに過去問をチェックし、苦手や相性が悪いと感じたら思い切って捨てる判断もある。ただ、まだ中学生、高1・2年の低学年ならば、苦手分野にも向き合ってがんばってほしい」と板井氏は指南した。

 最後は、今や医学部入試では全大学で必須となった面接についても触れられた。板井氏は「就職試験並みの回答が求められる」とし、大学によっては面接の結果次第で不合格となる。志望理由や将来の医師像、自分自身の強み・弱み、地域の医療課題などあらゆる角度から質問され、「特に志望理由や大学選択については、自身の経験や将来の展望と結びつけ、自分の言葉で具体的に伝える力が必要」とエールを送った。参加者は最後まで熱心にメモを取り、講演会は盛況のうちに幕を閉じた。


 国公立大医学部では共通テスト、個別試験共に高い学力が必要とされ、そこに私立大医学部受験も加わるため、綿密な計画と準備、データを基盤にした受験戦略が不可欠だ。今回の講演からも、医学部合格に向けては、プロのアドバイスや講師の力、経験者の知見などが極めて重要となることを痛感した。医学部受験のはじめの1歩として、まずはそのすべてがそろう駿台の市谷校舎を訪れることをお勧めしたい。

第一志望は、ゆずれない。
駿台式「医学部合格」への道
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駿台式 医学部医学科
合格までのロードマップ
《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

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