加速するグローバル化とAIをはじめとするテクノロジーの進歩に伴い、子供たちが豊かな人生を送るために必要な力も大きく変わっている。こうした中、テストの点数では測れない、学び・適応し・活躍する姿勢の土台となる「非認知能力」への注目が高まっており、日本の学習指導要領でも育成すべき資質としてあげられている。
2026年3月8日、リセマムは世界中で生涯を通した学びを支援する教育サービス企業ピアソンと学童保育型英会話スクールKids UP(キッズアップ)と共催で、英語力と非認知能力の関係を探るオンラインイベントを開催した。非認知能力育児のパイオニアであるボーク重子氏による基調講演の後、ボーク氏に加え、ピアソンの佐藤氏、Kids UPの辻氏を迎えたクロストークが行われた。本記事では、保護者の皆さまに向けたおもなポイントをリポートする。
子供の「生きる力」を高める非認知能力とは?
非認知能力には以下のような力が含まれる。ボーク氏は基調講演で、この非認知能力をどのようにして育むかといった、多くの保護者が気になる疑問や不安に対し、具体例を交えながら語った。
・自己肯定感
・自制心
・主体性と好奇心
・柔軟性とレジリエンス(回復力、折れない心)
非認知能力が注目される契機となったのは、1960年代にアメリカで行われた「ペリー就学前プロジェクト」だ。自発性や社会性を重視した就学前教育の有無で子供を約40年追跡した結果、学力の長期差は小さい一方、教育群は高校卒業率が高く、成人後の雇用・収入が安定し、犯罪率も低かった。シカゴ大学のヘックマン教授は、その要因は非認知能力にあると指摘。以降、その育成が子供の生きる力や幸福度を高めるとの報告が世界中で相次いでおり、ボーク氏は英語の4技能(聞く・読む・話す・書く)の学習も、非認知能力の育成に有効だという。
「使える英語」は認知能力と非認知能力の両輪で身に付く
日本で生まれ育ちながらも、長年にわたって英語圏でビジネス、出産、育児を経験してきたボーク氏は、日本の英語教育は、文法・単語など基礎づくりの点で非常に優れていると評価する。英語が得意だと自負する日本人はそう多くないのも事実だ。そこでカギになるのが非認知能力だとボーク氏は言う。
ボーク氏が語る、英語が話せるようになるプロセスにおいて、非認知能力の果たす役割はこうだ。
自分とは異なるあの人と話してみたいという好奇心
話してみようと行動に移す主体性
うまくいくかはわからないけれど、とりあえずやってみようと考えることができる自己効力感
うまくいかないと感じたとしても、挑戦しようと思っただけですごいと思える自己肯定感
間違ってもやり直そうと思える回復力(レジリエンス)。
文法や単語というテストで測れる認知能力に加えて、その道具を使う人間のこのような力、つまり非認知能力の両輪がそろうと、「使える」英語になっていくのだとボーク氏は強調した。

挑戦・体験・成長の可視化が英語力と非認知能力を同時に伸ばす
続いて、ボーク氏とKids UP(キッズアップ)の辻氏、ピアソンの佐藤氏とのクロストークでは、非認知能力を高めながら英語力を伸ばす環境について意見が交わされた。
Kids UPは、“LEARN with FUN”(楽しく英語を学ぶ)をモットーに、3歳から高校生までの子供たちを受け入れ、長時間のオールイングリッシュな環境で、高い英語力を身に付けることができる学童型の英会話スクールだ。2026年に創業10周年を迎え、関東を中心に37校を展開する。

辻氏は、「安心安全な環境で、子供たちがさまざまな挑戦と体験、失敗を通して自信や未来を生き抜く力を身に付けてほしい。英語と生きる力をどちらも身に付けられる環境を目指している」と言う。ボーク氏はこれを「放課後留学」と表現。「子供たちが毎日まるで留学しているかのような体験ができるのは親としてとてもありがたい」と述べた。


Kids UPでは、毎年スピーチコンテストを実施しており、約5,000人の会員のほぼ全員が参加する。子供たちは観客を前に、自分で用意した英語のプレゼンテーションを披露するのだが、緊張で固まってしまったり、うまくいかず悔し涙を流したりと、毎年さまざまなドラマが生まれ、子供たちにとっては自信をつける良い機会になっていると辻氏は語る。これに対しボーク氏は、「みんなが頑張っているから自分も頑張ろうと思える環境で、やればできると挑戦してみる自己効力感、やってみた自分を認めてあげる自己肯定感など、さまざまな非認知能力が育まれる」と評価した。

また、わが子の英語力が果たしてどの程度身に付いているのか不安に感じる保護者が少なくない中、Kids UPはゲーム感覚で楽しみながら英語力を測れるアセスメントツールも導入している。
このアセスメントツール“English Benchmark Young Learners”(EBYL)は、ピアソンが開発したもので、世界基準のCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)よりも細かい尺度で子供の成長を正確に可視化し、学習意欲を高めることを目指している。

「EBYLは合否を決めるテストではなく、自分の今の英語力を知り、次のステップにつなげるための“健康診断”のようなもの。成長を可視化し、子供たちが自分の成長をポジティブに捉えられることを大切にしている」とピアソンの佐藤氏は言う。

これに対し辻氏は、「保護者からも4技能の習得状況が可視化される点が好評。子供たちもテストにありがちな合否の結果に一喜一憂するのではなく、『前より良くなっているかな?』と過去の自分と競争しているような感覚でモチベーションも上がるようだ」と手応えを語る。これを受けてボーク氏は、子供たちがゲームで遊ぶような設計になっている点を高く評価するとともに、「大事なのは常に自分にフォーカスさせてあげること。EBYLは、今の自分はどこにいるのか、次にどこに行くために何をやろうかと考え、自らステップアップできる力が育つツール」と頷いた。
成長をポジティブに測る:English Benchmark Test Young Learners
【プレッシャーの少ない設計】
ゲーム感覚で取り組めるため、「テストが怖い」「不合格だったらどうしよう」という不安やストレスを感じにくい。オンラインで受験可能、短いテスト時間(約20~45分)で集中力を保てる。
【4技能をバランスよく確認】
リスニングだけでなく、スピーキングを含めた英語力を総合的に把握。
【わかりやすいレポート】
AI技術を活用した自動採点で、数分以内にスコア確認。今できること(Can Do)、これから伸ばしたいことが、わかりやすく確認できる。
【学習の次の一歩につながる】
結果をもとに学習方法のヒントが提示されるため、教室での学びや家庭での声かけに活かせる。
AIがあっても英語は必要? 世界を舞台に、自分らしく価値を生み出し続けるために
視聴者からの質問も数多く寄せられた。
もっとも多かったのは「AIが翻訳を瞬時にやってくれる時代に、英語を学ぶ意味はどこにあるのか」という本質的な問いだ。これに対しボーク氏は「契約書のような書類の翻訳など、事務的な処理が目的であれば、もはやAIは最強のツール。けれども、言葉を使ってつながるのは人と人であり、信頼関係を築くための言葉は人が発するのが重要ではないか」「Kids UPの子供たちも、目の前の、言語が異なる先生に自分の思いを届けたいという気持ちで英語を吸収していく。どんなにAIが台頭しても、人と人がつながるうえで言語の役割がなくなることはない」と述べた。
Kids UPの辻氏も、「人間は車を発明しても、走りたいと思う生き物。英語も、AIを介して会話できたとしても、自分の気持ちやニュアンスまでは伝えきれない。私はむしろ、これから英語力はますます重要になるのではないかと思う」と語った。
ピアソンの佐藤氏は、「AIリテラシーの向上も重要。AIのアウトプットを意味のあるものにするのは人間であることを、先生や保護者が子供たちに教えていくことも大切」と加えた。
また、「子供の英語が上達するコツは」「子供が英語を嫌いにならないようにするには」といった相談も多かった。ボーク氏は「折れない心(レジリエンス)を育むことが大切」だとし、寝る前に「今日いちばん良かったことは何?」といった問いかけを通じて小さな幸せにフォーカスさせ、明日も頑張ろうと思えるようにすること、嫌なことや失敗を肯定的に捉える姿を親が進んで子供に見せること、英語を親子で楽しむこと、そして子供が一時的に飽きたとしても親自身がやめずに続けることも有効だとした。
そして最後にボーク氏は、「今、身に付けるべきグローバルに活躍できる力は、地球上どこにいても自分らしく他者とつながって価値を生み出し続ける力である」と語った。英語力と非認知能力――その両輪を回し始めるヒントが詰まった70分間。わが子の未来を想う保護者たちにとって、明日からの一歩を後押しする力強いメッセージとなったに違いない。
英語を「勉強」として捉えるのではなく、楽しみながらさまざまな非認知能力を同時に育んでいく環境の重要性が伝わってくるイベントだった。保護者が既存の学力観や、自身の英語力にとらわれず、まずやってみよう、失敗しても大丈夫と思えるようになること。保護者自身も英語力と非認知能力の両輪で動き出すことが大切な第一歩なのかもしれない。
視聴者特典
Kids UPとピアソンから下記の特典をご用意しました。楽しくゲーム感覚で受けられるテストで、お子さまの英語4技能を確認しつつ、今後の学習へのモチベーション向上にお役立ていただければ幸いです。
(1)英語4技能テスト「English Benchmark Young Learners」無料体験
※お1人様1回限り
※受験期限:2026年5月31日
(2)学童保育型英会話スクールKids UP 入会金無料
※対象:2026年ご契約の方
特典に関するお問い合わせとお申込み先
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