2027年度の中学受験を目指すご家庭は、そろそろ第一志望校・併願校を決定する時期だろう。
リセマムでは昨年に引き続き「中高6年間一貫教育を考える会」と連携し、お勧めの私立中学校をピックアップ。同会が発行する『とっておきの私立中学校』の中から抜粋して、注目校の魅力をお伝えしていく。
本記事でご紹介するのは、大妻多摩中学校。東京都多摩市にある中高一貫の女子校だ。学校長・熊谷昌子先生からのメッセージの他、特色のある学び方、理系に強い理由等を紹介する。
教育方針
キャリアを通した社会貢献「わたしの力を、未来のために」
大妻多摩は、「わたしの力を、未来のために」をスローガンに、女性のキャリアを通した自立と社会貢献を目指す女子校です。ひとりひとりの適性に応じたキャリアを通して、経済的・社会的・人間的自立を達成し、未来社会で未来世代のために貢献する、このような女性の育成を実践しています。
学祖大妻コタカが120年近く前に裁縫と手芸の私塾を立ち上げたのは、「女性が実技実学を身に付けると同時に豊かな教養と思いやりの心を持ちあわせ、社会とつながること」が目的でした。大妻コタカは、「自ら学ぶ」こと、「社会に貢献できる力を身に付ける」こと、「その力を広く世の中で発揮していく」ことが、「女性の自立」につながると考えていました。その考えを受け継ぎ、今の時代にあわせた教育を通して、それぞれのキャリア形成を導きます。

どういう学び方をするの?
「SGL」と名付けられた以下の3つのプログラムを軸に教育を展開しています。
S:Science Education 科学教育プログラム
自然や実験など「“本物”に触れる体験」を充実させることで、科学的探究心を育てます。用途別に理科実験室が5つあり、実験器具は1人1台常設。全員が白衣を購入し、中1から水素の発生実験やアンモニアの噴水実験、高校では豚の胎児の解剖など、数多くの実験を実践します。理論を押しつけるのではなく、体感することで理系科目への関心を育てます。
G:Global Education 国際教育プログラム
英語力を鍛えるだけでなく、中高を通じて世界的な視野を持ち、自国と他国の歴史と文化を尊重できる国際人の育成を図ります。
L:Liberal Arts Education 教養教育プログラム
さまざまな学問領域を自由に学び、幅広い知識や自由に物事を考える技を身に付けます。修学旅行のようなフィールドワークや実体験から学び、探究論文を作成し、将来の進路選択につなげます。

大妻多摩が育てる「新時代の教養」2027年、本格始動
中学全学年で取り組む探究フィールドワーク
大妻多摩では2027年度から、中学1年から3年の全生徒を対象に「探究フィールドワーク」を本格始動します。年間10回程度、教室を飛び出して本物の現場に出かけることが最大の特長です。学年ごとにテーマを設定しており、中1は「気付く・感じる」として身近な社会現象を観察し、中2は「問う・比べる」として仮説を立てて検証し、中3は「つなぐ・提案する」として個人研究レポートの取材・執筆に取り組みます。訪問先は博物館、美術館、科学館、東京証券取引所、国際都市でのフィールドワーク、つくばサイエンスツアーなど多岐にわたります。
「保護者に代わって、学校が本物の体験を届ける」これが本プログラムの根幹にある哲学です。現場で気付き、問いを立て、持ち帰って深める。このサイクルを中学3年間で繰り返すことで、自分の頭で考え、自分の言葉で伝える力を着実に育てます。フィールドワークで得た学びは「マイ探究パスポート」に記録し、中学から高校の探究、大学での研究へと引き継ぐポートフォリオとして機能します。
公式Instagramデータサイエンスリテラシー教育「感じた」を「証明する」力へ
フィールドワークで芽生えた「気付き」を、根拠のある主張へと発展させるのが「データサイエンスリテラシー教育」です。本校独自のカリキュラムは「気付く→数える→比べる→伝える」の4段階フレームワークで構成されており、グラフや統計を読む力だけでなく、自ら問いを立ててデータを収集・分析し、説得力をもって発信する力を中学段階から段階的に養います。
「なぜ東京と大阪では電車のマナーが違うのか」など、日常の素朴な疑問をデータで解き明かす授業設計は、生徒の知的好奇心を引き出すとともに、AI時代に不可欠なデータリテラシーの土台を着実に築きます。現在、成蹊大学理工学部・東京薬科大学との大学連携も進めており、専門家と協働しながら探究の質をさらに高める環境を整備中です。フィールドで問いを持ち帰り、データで検証し、人に伝える、この一連の学びのサイクルこそが、本校の掲げる「進取の気概」とキャリア力を兼ね備えた女性の育成に直結しています。「わたしの力を、未来のために。」大妻多摩の新しい学びを、ぜひ説明会でご体験ください。
「大妻多摩イノベーション2027」がいよいよ始動します!
リケジョが多いのはなぜ? 理科と数学の体験型授業!
大妻多摩中学校は1994年の設立以来、理系に占める割合は30年以上4割程度を維持しています。最近「リケジョ」や「大学の理系学部の女子枠」などという言葉がよく聞かれるようになりましたが、そのような言葉が存在するずっと前から、大妻多摩では理系を選択する生徒が多いのです。時には理系の割合が5割になることも。
理系が多い理由としては、理科と数学の授業が体験的ということがいちばんです。もともと小学校から算数や理科が好きで得意という受験生が多くいる訳ではありません。大妻多摩に入学した後、大妻多摩の数学や理科の体験型授業を通して理系科目が好きになる生徒がほとんどです。理科では5つある実験室で数多くの実験を行い、楽しく授業を受けるだけでなく、バナナやブロッコリーのDNA抽出や遺伝子組換え実験、豚の胎児の解剖など大学レベルの高度な実験を行うことで興味・関心の幅を広げます。
数学の授業でも、測量を実際に校舎の外で実践したり、折り紙を使った図形の証明を行ったりと教科書だけでは学べない実践的な授業が多いため、理科や数学が自然と楽しくなる工夫が多くなされています。もともと算数や理科が得意な受験生が多いわけではありませんが、大妻多摩の6年間の教育プログラムの結果、理系を選択する生徒が伝統的に多くなっています。

学校概要
所在地:東京都多摩市唐木田2-7-1
アクセス:小田急多摩線「唐木田駅」徒歩7分
電話番号:042-372-9113

