日本教育学会は2020年5月22日、「9月入学よりも、いま本当に必要な取り組みを―より質の高い教育を目指す改革へ―」と題した提言書を文部科学省に提出した。9月入学制の導入による問題点を指摘し、9月入学よりも緊急に必要な取組みについて具体例をあげて提案している。
全国連合小学校長会は2020年5月14日、「9月入学・始業の導入に関わる意見書」を文部科学省に提出した。9月入学・始業の課題や憂慮される事項を具体的にあげ、拙速な変更には課題が多すぎると指摘。収束後に時間をかけて検討するよう求めている。
内閣府の経済財政諮問会議が2020年5月15日に開かれ、民間議員が新型コロナウイルス感染症対策として、進学などを控えた小6・中3・高3を中心とした授業補充、9月入学の検討、入試の延期などを提言した。ICT化の本格導入による小中高の飛び級の検討なども求めた。
日本若者協議会は2020年5月12日、「9月入学」の是非に関する学生アンケート結果を発表した。小学生~大学院生全体では、「賛成」37.2%、「反対」47.0%、「どちらとも言えない」15.8%と、反対が賛成を上回った。
9月入学について、安倍内閣総理大臣は2020年5月14日の記者会見で、「9月入学も有力な選択肢の1つであり、前広に検討していきたい」と述べた。自民党は、「秋季入学制度検討ワーキングチーム」の初会合を5月12日に開催した。
学校の9月入学・新学期について、10代の53%が「賛成」、47%が「反対」していることが、TOKYO FMが番組で実施した調査結果より明らかになった。「9月入学の件は大人だけが勝手に議論を進めている(12歳)」などの意見が番組に寄せられたという。
日本経済団体連合会(経団連)は2020年5月11日、定例記者会見における中西会長発言要旨をWebサイトに掲載した。「緊急事態宣言の解除」「9月入学」などについてコメントしている。
賛否を呼んでいる9月入学に関して、文部科学省の萩生田光一大臣は2020年5月12日、長期間にわたる休校により学校や家庭で学習格差が生じている現状を認めたうえで、「これらの問題は解決できるという、ひとつの利点はある」との考えを示した。
日本教育学会は2020年5月11日、「9月入学・始業」について拙速な決定を避け、慎重な社会的論議を求める声明を発表した。「コロナ禍で生じている問題」の解決策として性急に実施することに疑問を呈し、「拙速な導入はかえって問題を深刻化する」と危惧している。
9月入学制について、「賛成」が45%と半数近くにのぼることが2020年5月11日、社会調査研究センターの全国調査結果から明らかになった。賛成する人は、20代までの若年層が58%と高く、30代以上の44%とは、10ポイント以上の開きがあった。
日本PTA全国協議会は2020年5月1日、「9月入学の議論に関する緊急要望書」を文部科学省に提出した。学校現場の負担増、学年の再編成による子どもたちの分断など、9点の懸案事項を示し、9月入学について時間をかけて慎重に検討するよう求めている。
「9月入学・始業」に対して、「賛成」と考える人が47.8%、「反対」と考える人が18.4%であることが、クロス・マーケティングの実施したクイック調査で明らかとなった。また、子どもの年齢が高いほど、「反対」意見が多くなる傾向にある。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)は2020年4月28日、受験生に向けて総合政策学部・環境情報学部AO入試(2020年9月入学)の変更について発表。新型コロナウイルス感染症の影響により、現時点で2次選考(面接)を遠隔面接で実施することを予定している。
全国知事会は2020年4月30日、「新型コロナウイルス感染症対策に係る緊急提言」を公表した。9月入学制の国民的な骨太の議論などを求めている。東京都の小池百合子知事と大阪府の吉村洋文知事も同日、9月入学制導入などを求める共同メッセージを発表した。
学校休校の長期化を見越した「9月入学・新学期」について、安倍首相は2020年4月29日の衆議院予算委員会で「このくらい大きな変化がある中、前広にさまざまな選択肢を検討していきたい」と述べた。
臨時休校が長期化する中、9月入学・新学期制の導入を求める声が出てきている。文部科学省の萩生田光一大臣は2020年4月24日、9月入学・新学期制について「休校長期化の対応策のひとつとして、さまざまなところで声があがっていることは承知している」と言及した。