う〜ん、変わったような変わらないような。新型日産『セレナ』を見てそんな印象を抱いた人も少なくないだろう。メカニズム面でいえば、エンジンは刷新されているが、プラットフォームは先代から継続。1列目から3列目までシート取り付け位置も先代から変わっていない(スライド機能が廃止された3列目は先代の最後部に当たる位置で固定されている)ほどである。とはいえ、新型は新型。傾斜を強めたフロントウインドウ(これは躍動的に見せると同時に空気抵抗低減の意味もある)などは、新型の特徴といえるだろう。「先代で高く評価されたところはキープしたまま、進化すべきところはしっかり進化させました」。開発をまとめた商品企画室セグメント・チーフ・プロダクト・スペシャリストの角智彰さんは、そう説明する。お父さんにとってわくわくする空間を目指した運転席周りは、特徴的なアッパーマウントのグラフィックメーターがコックピット感を演出。テレスコピックステアリングの採用も新型からだ。2列目のテーマは、子供にとって最適な空間作り。軽い力で開くワンタッチスライドドアやロールサンシェードが新採用されている。メカニズムでは、直噴エンジンやアイドリングストップの採用もニュースだろう。「今回のモデルチェンジの最大のポイントはエコ。かなり配慮しています。アイドリングストップを採用しましたし、日産の持っている最新のエコ技術を多く採用してカタログ燃費だけでなく実用燃費を向上させるべく頑張りました。」(角さん)。アイドリングストップ機能は、廉価グレードを除いて標準装備。装着車は15.4km/リットルという10・15モード燃費を実現している。見た目より中身で勝負!というのが、新型セレナの狙いのようである。