乗り込む前にテールゲートを開けてみる。このサイズにHVシステム詰め込んで、はい、狭くなりましたじゃお話にならないからだ。しかし、私の意地悪極まりない期待に反して、ラゲッジスペースは超広かった。いや、確かにノーマル『フィット』に比べれば数センチほど床が高いのだけれど、逆にその高さが使いやすいくらいだったりして。このクラスになってくると、カタログに載せる燃費の数字競争になってくる。ゆえにいくつかのクルマはシフトチェンジタイミングをぎりぎりにして、耳をすませばカカカカ……とノッキング音が聞こえてくる。不愉快極まりない。ちなみにノーマルの1.3リットルは、そんな感じ。1.5リットルになると「遮音性をしっかりやっていますから」という理由らしく、音は小さくなる。さてHV。カカカカ音が出るあたりを、うまーくモーターがサポートするらしく、そのあたりはクリア。やはりコンパクトカーは街乗りが多いから、スタートダッシュがスムーズにできるHVの魅力はたまらない。これでアクセルの踏み加減で色が変わるという「コーチング機能」が、もっと素直に反応してくれれば申し分ないんだけれど。このまったくもって使えないコーチング機能に異論が呈されないのが私の七不思議のひとつである。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★フットワーク:★★★オススメ度:★★★岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省安全基準検討会検討員他、委員を兼任。