【高校受験】都立発表前後の私立合格者数の変動

 長引く不況で公立校の人気の高まりが言われるなか、保護者の掲示板などでは、「難関私立高校を辞退し、公立高校へ進学するケース」をめぐり議論が過熱している。はたして実態はどうなのだろうか。

教育・受験 受験
2011年度 学校別・塾別合格人数(2月28日~3月3日変動)
  • 2011年度 学校別・塾別合格人数(2月28日~3月3日変動)
  • 都立高校全日制の実質倍率の推移
  • SAPIX中学部 23日18時集計データ
  • SAPIX中学部 3月3日19時集計データ
  • 早稲田アカデミー 2月24日19時集計データ
  • 早稲田アカデミー 3月3日18時30分集計データ
 長引く不況で公立校の人気の高まりが言われるなか、保護者の掲示板などでは、「難関私立高校を辞退し、公立高校へ進学するケース」をめぐり議論が過熱している。はたして実態はどうなのだろうか。

 リセマムではこれまで、難関高校入試に強いとされるSAPIX中学部(サピックス中学部)と早稲田アカデミーの一部の学校の合格者数を紹介してきたが、特に議論の対象となっている開成、慶應系、早稲田系に加え、筑波大附属駒場について、都立高校の合格発表が行われた3月1日前後での、繰り上げ合格等による合格者の変動をまとめた。

 この間、もっとも合格者数が変動したのは早大学院で、SAPIXで3名、早稲田アカデミーで21名が追加合格となった。両塾の合計で見ていくと、開成で11名、慶應志木で4名、慶應藤沢(SFC)で1名が増加している。

 一方で、国立の筑駒と慶應義塾、慶應女子、早稲田実業では、この2塾からは繰り上げ合格者は出ていないようだ。

 合格者増が必ずしも都立高校辞退者による繰り上がりのみではないこと、また、私立間の移動の可能性、学校による定員と合格者数の関係の違いなど、単純に変動数=辞退者と見ることはできないが、一つの目安として参考にしてほしい。

 早大学院は、3月2日夕方に一部の繰り上げ連絡を行うとホームページで告知していたことから、2月28日時点の最新公開データと、現時点の最新データを比較した。SAPIXは、23日18時(2月中の最新更新日)と3月3日19時、早稲田アカデミーは2月24日19時と3月3日18時30分の集計データに基づいている。

 なお、早大学院では、次回は4日夕方に繰り上げ合格者への連絡を行うとしており、合格者数は今後も更新される可能性がある。

 なお冒頭で公立高校の人気の高まりに触れたが、過去5年間の都立高校全日制の実質倍率の推移を見てみよう。今年(2011年)は1.40倍で昨年(2010年)の1.41倍から微減しているが、2009年1.38倍、2008年1.33倍、2007年1.30倍で、過去5年間で0.1倍増加している。実数では2007年は28,857名の募集に対して38,401名、2011年は28,340名の募集に対して40,395名が受験している。
《田村麻里子》

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