大学の電子化、「印刷物よりデジタルデータを活用が増えている」77%

 名鉄局印刷は、「大学における電子化対策などに関する調査アンケート」の分析結果レポートをホームページで公開している。同調査は、愛知・岐阜・三重の東海3県の短期大学を含むすべての大学機関および関東圏、関西圏の大学機関を対象に、平成23年7月1日〜11月8日に実施。

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電子化対策をどのようにお考えですか
  • 電子化対策をどのようにお考えですか
  • 印刷物より、デジタルデータを活用する機会が増えてきていますか
  • 既存の出版物や印刷物の電子化を考えていますか
  • 現在または今後にむけて、電子化の需要、電子書籍への興味はありますか
  • 講義や学生サービスの一環でのタブレットPC導入をお考えですか
  • 現在、データベースを導入していますか
  • 現在のデータベースは充分に活用できていますか
 名鉄局印刷は、「大学における電子化対策などに関する調査アンケート」の分析結果レポートをホームページで公開している。

 同調査は、愛知・岐阜・三重の東海3県の短期大学を含む国公立・私立のすべての大学機関および関東圏、関西圏の大学機関を対象に、平成23年7月1日〜11月8日に実施。大学職員・大学教授など、101校の大学でのべ119名の回答を得た。

 「電子化対策をどのようにお考えですか」という質問に対し、「必要性を感じ既に取り組んでいる」(58%)、「必要性は感じているが特に何もしていない」(29%)、「取り組んでいるがうまく行っていない」(5%)という結果になった。

 「印刷物より、デジタルデータを活用する機会が増えてきていますか」という質問では、77%の大学で「活用する機会が増えている」と回答。「既存の出版物や印刷物の電子化を考えていますか」という質問では、「考えている」が33%、「まったく考えていない」が25%でそれぞれ3割程度となった。

 「現在または今後に向けて、電子化の需要、電子書籍への興味はありますか」という質問では、84%の大学で電子化に対して何らかの興味を抱いていることがわかる。

 「講義や学生サービスの一環でのタブレットPC導入をお考えですか」という質問では、「考えている」(9%)、「まったく考えていない」(66%)、「既に導入している」(7%)となった。

 「現在、データベースを導入していますか」という質問では、「導入し運用している」大学が70%、「導入を検討している」大学も含めると76%の大学でデータベースの活用に対しての有用性を認める回答となっている。また、導入している大学中では、「独自にシステムエンジニアによるデータベースの開発を行っている」よりも「市販されている統合管理システムパッケージで運用している」という大学が多かったという。まったく運用していない17%の大学のほとんどは、比較的学生数の少ない単科大学が占めているという。

 「現状のデータベースは充分に活用できていますか」という質問では、「充分に活用できている」(62%)、「あまり活用できていない」(15%)、「やりたいことはあるが実際にできていない」(12%)となっているが、データの管理をPCで行うことを「データベース運用」と認識している担当者も多かったので、本義でのデータベース運用をしている大学はそう多くはないとしている。

 「一番困っている問題は何ですか」という質問に対する回答のうち、電子化に関するものでは「生徒数が少ないため、電子化へ踏み切れない」「過去の印刷物のデジタル化、紙ベースで残っている個人情報のデータ化」「コストの問題」「論文を公開するシステムが欲しい(安価に)」「データの一元化ができていない」などが挙げられている。

 アンケート調査総括では、電子化を立ち止まらせているのは、コスト面・人員・前例の無さであるとしている。また、大学の学生数と学生の特徴などから紙媒体の方が有益であるとの回答が複数挙がったことは興味深いとしたうえで、大学側は多角的な見方を持ち、学生に則した電子化が行き渡って欲しいとしている。
《前田 有香》

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