【国際教育】日米大学の比較と、留学交流において国内大学に求められるもの

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明治大学国際教育研究所の開設記念国際シンポジウム、留学交流の新たな潮流と教育の質保証
  • 明治大学国際教育研究所の開設記念国際シンポジウム、留学交流の新たな潮流と教育の質保証
 2月10日、明治大学国際教育研究所の開設記念国際シンポジウムが六本木、政策研究大学院大学にて開催された。「留学交流の新たな潮流と教育の質保証」をテーマに、米国から招いた3人の留学交流関係者と明大の教授が講演し、日米留学交流の未来を探った。本稿では、日米大学の違いに着目し、国内大学の未来に迫る。

 同シンポジウムのパネルディスカッションにおいてモデレーターとして参加した一橋大学の太田浩教授は、両国の大学における違いを明確にした。太田教授によると、米国の大学ではインターネット上での資料請求や願書の受け付けを行っており、必要最低限の能力試験(SAT、GRE、TOEFLなど)は世界各国で受験可能だという。願書の審査は基本的に高校での成績や推薦状を元に行われ、出願費も日本の大学の約1/10。大学間の転校は当たり前なうえ、単位の持ち込みも可能。さらに、大学が語学学校を直営することにより、留学生の受け入れ態勢を強化しているという。

 日本の大学はどうだろうか? 太田教授によると、願書を大学本部まで受け取りに行かなければ入手できない大学も多く、センター試験を海外で受けることは不可能。入学審査は試験での成績を元に行われ、出願費は35,000円程が当たり前だという。そのため、日本に来る留学生は、言語を勉強しながら入試対策に時間と費用を費やすのが現状だという。

 世界教育サービス(WES:World Education Service)のマリアム・アサファ氏(Mariam Assafa)によると、国際的な単位認証・認定制度が不可欠だという。欧州においては、高等教育の単位認証システムがすでに制度化されており、欧州連合内の大学において、単位の移動は容易だという。言い換えれば、自分に向いていないと感じ、他大学への転校を望む場合でも、取得した単位を転校先大学へ移行できるのである。WESは、どの大学のどの単位が移行可能かを定めるべきだと考えたうえで、活動していくという。

 少子高齢化による学生の減少を各大学の強みに転換するには、留学生が必要であろう。各大学のブランドや、教育の質を落とさず教育の幅を広げていくことが今後の課題だ。日米の大学には多くの差があり、留学生を受け入れる体制においても同様のことがいえる。国内の各大学における今後の対応が注目される。
《湯浅大資》

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