今年1月の平成24年度大学入試センター試験において、問題用紙の配布ミスなどのトラブルが多発した件で、大学入試センターが設置したこの問題に関する検証委員会がまとめた報告書が、4月3日にホームページに公開された。 報告書では、センター試験1日目の「地理歴史、公民」の試験時間帯において、試験開始前に必要な問題冊子を配布しなかった件を中心に、ミスの発生経緯を詳しくまとめている。 配布ミスがあったのは、全国544のセンター試験実施大学のうちの69大学での98教室。これは全実施教室の約1%にあたるという。大学入試センターでは、ミスが発生した教室での受験生をすべて救済の対象とし、その数は3,452人となった。 救済措置としては、「地理歴史、公民」の2科目受験の「第1解答科目と第2解答科目を入れ替える方法」または、「再試験」の選択肢が提示され、264人が入替えを希望、212人が再試験を希望し、212人が受験した。 配布ミスが発生したのは、国立大学の51室、公立大学の12室、私立大学の35室。国立大学では試験室数も多く、監督者数の規模が大きいため、監督要領の周知に困難があったのではないかと指摘している。 配布ミスの発生に関して、地域や受験生の数による試験室の規模による違いは見られなかったものの、実施大学全体で監督者の数が多いほどミスが生じる傾向にあると分析。 また、事前に行われた監督者説明会の参加意識についても触れ、配布ミスがあった大学では、「熱心さ」が足りず、「センター試験の実施業務が大学入試センターとの共同実施である」という意識も低いと、アンケート調査の結果を分析している。さらに配布ミスがあった大学では、説明会の欠席者への対応にも差があったと指摘している。