赤ちゃんがお手本の英語教材、ジュニア向けも強化…スピードラーニング

 顧客満足度で決定する「イード・アワード2012 英語教材」においてエスプリラインの「スピードラーニング」が、「TOEIC800点以上取得者の部」で最優秀賞を受賞した。

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エスプリライン 専務取締役の大谷治子氏
  • エスプリライン 専務取締役の大谷治子氏
  • トロフィーを手に喜びの表情を見せる大谷氏
 顧客満足度で決定する「イード・アワード2012 英語教材」においてエスプリラインの「スピードラーニング」が、「TOEIC800点以上取得者の部」で最優秀賞を受賞した。スピードラーニングは「聞き流すだけで英語が話せるようになる」のキャッチフレーズでお馴染み。CMに出演するプロゴルファーの石川遼選手が、アマチュア時代から受講していることでも話題の英語教材だ。

 検定対策のための教材ではないが、「TOEIC800点以上取得者」に最高の評価を得ていることから、英語スキルの高い人たちからの支持が伺える。その受賞の背景やスピードラーニングの特徴について、エスプリライン 専務取締役の大谷治子氏に聞いた。

--イード・アワード受賞おめでとうございます。「TOEIC800点以上取得者の部」で最優秀賞を受賞されたご感想をお願いします。

大谷氏:大変うれしく思っております。エスプリラインでは、本社オフィスと沖縄などその他の拠点をテレビ会議でつなぎ「早朝会議」を行っていますが、そこで今回の受賞を発表し、全員で喜びを分かち合いました。

 私どもは、すべての日本人が英語を話せるように、という願いを込めてスピードラーニングの事業を展開しています。ビジネスで勝つとか就職で成功するための英語ではなく、世界中の人々と協調できるようになるために英語を身につけて欲しいと考えております。

 TOEIC800点以上の英語力の高い人は、おそらく体験的に他言語の効果的な学習方法を知っている人たちだと思います。そのような人たちからの評価は、私たちの取り組みが間違っていないことを証明してくれたのだと捉えております。

--スピードラーニングの特徴を教えてください。

大谷氏:スピードラーニングというリスニングを中心にした教材を開発した背景から説明したいと思います。私の主人である代表取締役社長の大谷登は、若い時に英語を身につけたくて1日中英語を聞き続けていたそうです。そのうちに英語の後に日本語を入れたものを自分で作ることを思いつき、それが今のスピードラーニングのもとになりました。

 アメリカの進んだ通信販売を学ぶうえで英語がとても役に立ったとのことです。そしてぜひ日本にも通信販売を普及させたいと願ったそうです。

 私は高校で英語教師をしていたのですが、もっと実践的な生きた英語を教えたいと願っていました。そして、20数年前、当時3歳と5歳の子どもを連れて一家で米国に移住し、家族全員で、学校、生活習慣、文化の違いなどさまざまな経験をしました。この経験は、現在の教材のシーンやシナリオに活用されています。

 渡米後の最初の1年は、子どもたちはほとんど英語を話さず、学校の授業は理解できても、積極的に発言することはありませんでした。それを破ったのは、はじめてできた友達です。その子に自分の想いを伝えたくて「話したい」という強い動機が生まれました。1年間、聞きためていましたから話し出したらあっという間にネイティブのようになりました。やはり、会話をするには仲間や相手の存在は欠かせません。この経験も、スピードラーニングのサポートとして生きています。

 聞くだけですと、効果の実感が湧きにくいという人には、スタッフが電話でサポートに応じます。また、聞くだけでなく、実際の会話でコミュニケーションをとりたいというニーズには、ネイティブスタッフとの電話英会話で応えています。受講者の皆さんは月に2回まで無料で利用でき、英語を話すことを楽しまれています。サポートスタッフは、英語の先生というより、会話をする仲間として接するようにしています。クリスマスやサマーキャンプなどのイベントも行っています。

 このように、経験、体験にもとづいた生きた英語に接することができるのが、スピードラーニングの特徴だと思います。

--なぜ聞き流すだけで英語が話せるようになるのでしょうか。

大谷氏:言葉を習う場合、そのいちばんのお手本となるのは赤ちゃんではないでしょうか。もっとも自然体の言語学習の方法といえば、まず親の会話や呼びかけを聞くことから始める、赤ちゃんのやり方が参考になると思います。そもそも言葉は学校の科目とは違います。言葉は頭で勉強するものではありません。自然に身体で覚えていくものです。まず聞くことから始め、文法などは後から学んでもいいはずです。

 最初は細かい文法や日本語の意味などはあまり考えず、聞き流す方がいいのはそのためです。話す力は聞く力の10分の1と言われています。だから10個話せるようになるには100個聞くということですね。スピードラーニングでも、まず聞く習慣をつけるため、最低でも100日を目安に続けることを推奨しています。

--スピードラーニングといえば石川遼選手のCMが有名です。アマチュア時代から受講されているそうですが、石川選手の感想など教えていただけますか。

大谷氏:石川選手は学生の頃から海外遠征をしており、その頃から利用してくださっているそうです。以前、インタビューしたときの言葉で「自分にとってスピードラーニングはゴルフクラブと一緒で、一生つきあっていくものです」とおっしゃっていただいたのが印象に残っています。

 2011年に、ロンドンでCM撮影があったのですが、そのときは、撮影スタッフを現地で手配しました。そのため、撮影は終始英語で行われたのですが、石川選手は問題なくカメラマンさんやメイクさんたちと英語でコミュニケーションしていました。撮影中のやり取りだけでなく、合間には映像カメラマンとサッカーの話に興じたりもしていました。石川選手によれば、仕事やゴルフの話は比較的話しやすいが、雑談のような日常会話はむしろ機会が少ないので、難しいそうです。スピードラーニングはネイティブの日々の生活の中からシチュエーションを設定しているので、そんな石川選手のニーズにも合っているようです。

-- 一般の受講者の声はいかがですか。

大谷氏:TOEIC260点でスピードラーニングを始め、半年で490点、2年半後には800点をとったという方がいます。ほかにも中学2年から聞き始めて、高校での留学試験に合格し、ニューヨークでダンサーになるという夢を叶えた方、以前通信教材で勉強して挫折したが、一人で進めるだけでなく相談できるスタッフがいることが励み、とおっしゃる方もいらっしゃいます。

--TOEICでレベルアップできたという話がありましたが、学校などでの採用事例はありますか。

大谷氏:共同研究という位置づけですが、英語教育に力を入れている長野県の清泉女学院では、英語授業の補助教材としてお使いいただいております。導入後、中学2年の段階で全員が英検3級に合格しました。中には準2級、2級に合格した生徒さんもいらっしゃいます。広島県の加計学園では、スクールバスやお掃除の時間にスピードラーニングを流すという取り組みを行っています。

--今後の計画についてお話しください。

大谷氏:ひとつはジュニアコースの強化です。小中学生向けの教材として、アメリカの子どもの生活を題材としたスピードラーニング・ジュニアを開発して展開しています。この取り組みに力を入れ、将来は、さらに幼児向けにも広げていきたいと思っています。

 言語は一度身につくと、一生使えるものです。スピードラーニングによる日本人の英語コミュニケーション力を向上させる取り組みも長期的な視点で進めていくつもりです。

--ありがとうございました。

 イードは、2011年11月24日~12月22日、市販の英語教材について「購入検討時のわかりやすさ」「購入のしやすさ」「教材のわかりやすさ」「勉強のしやすさ」「ブランドに対する信頼度」「教材の効果」「価格の満足度」「サポートの満足度」「総合満足度」を5段階でインターネット調査し、「イード・アワード2012 英語教材」として2012年1月に発表した。「スピードラーニング」は「TOEIC800点以上取得者 総合満足度」で最優秀賞のほか、「総合満足度」「留学経験者 総合満足度」で優秀賞を受賞。「勉強のしやすさ」の部門賞も獲得した。

◆イード・アワード2012 英語教材
 >>> http://resemom.jp/feature/award03/

《聞き手:田村 麻里子》
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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