過半数がエアコンによる冷房が苦手…厚着・羽織もので防衛

 ダイキン工業とアイシェアは4日、「夏場のエアコン利用と健康管理に関する調査」の結果を公表した。調査期間は6月8〜9日で、エアコンを所有する全国の20〜70犀代の男女720名から回答を得た。

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夏場のエアコンによる冷房は苦手ですか?
  • 夏場のエアコンによる冷房は苦手ですか?
  • 節電が叫ばれた昨年の夏場、自宅でエアコンの冷房利用を控えましたか?
  • 体温調整の専門家である横浜国立大・田中英登教授
 ダイキン工業とアイシェアは4日、「夏場のエアコン利用と健康管理に関する調査」の結果を公表した。調査期間は6月8~9日で、エアコンを所有する全国の20~70歳代の男女720名から回答を得た。

 この調査は、前編(冷房弱者)と後編(節電意識)と2回行われており、冷房をコントロールできない環境や節電環境において、さまざまな対策や健康管理の方法をどのように行っているのか、実態を調査したものとなっている。さらに熱中症の予防など、体温調整の専門家である横浜国立大学教育人間科学部の田中英登教授が調査結果を解析している。

 まず「夏場のエアコンによる冷房は苦手か」と質問すると、「とても苦手」と回答したのは12.5%で、「少し苦手」の42.4%と合わせると54.9%と、過半数が冷房を苦手とする“冷房弱者”であることが分かった。“冷房弱者”を男女別にみると、女性は64.7%、男性でも44.8%と、半数近くが冷房に苦手意識を持っていた。冷え性などと関連づけて、“冷房弱者=女性”と思われがちだが、決してそうではない実態が浮き彫りとなった。

 続いて「防衛策」について質問。冷房の温度調整ができない環境下で寒さを我慢しなければならない場合、その防衛策を“冷房弱者”に質問すると、「厚着・羽織ものをする(60.3%)」が1位。以降「冷気が届きにくい場所に移動する(50.4%)」「温かい飲食物を摂る(29.6%)」「暖かい場所との出入りを頻繁にする(14.4%)」と続いた。1位の「厚着・羽織ものをする」を男女別でみると、女性が75.7%、男性が37.5%と、女性が高め。一方、3位の「暖かい場所との出入りを頻繁にする」では、女性が9.8%であるのに対し、男性が21.3%と、男女別の冷房対策に違いがみられた。

 また、“同居者がいる人(n=625)”に「自宅で冷房が寒くても同居者に合わせて温度を上げずに我慢するか」を聞いたところ、「必ず我慢する(6.1%)」「我慢することがある(56.6%)」と、合計62.7%が「我慢する」と回答した。男女別では女性では60.1%、男性では65.4%と、意外にも男性の方が多い結果だ。我慢の解消策は『家族の対話』にあるのかもしれない。

 この結果を受け横浜国立大・田中英登教授は、「暑い場所とそうでない場所を頻繁に出入りするという対処法は、より体調を崩しやすくするので、できる限り避ける方が良いでしょう」とアドバイス。特に“5度差以上”の場所の出入りを繰り返すと、自律神経失調症(冷房病)をおこし、めまいや立ちくらみなど、さまざまな体調不良を引き起こすという。ちなみに、この調査で、温度差のある場所を「頻繁に出入りすることがある人」は具体的にどのくらいいるのか全員に聞いたところ、「よくある(29.9%)」「たまにある(61.4%)」の合計91.3%もの人が「ある」と回答している。

 男性と女性との差については、代謝機能の違いを指摘。「男性は熱を逃がしても熱をたくさん作れますが、女性は熱を作る能力が低く、熱を逃がさないよう体温調整をします。そのため男女によって2度くらいの快適温度の違いが出てきます(男性>女性)」と解説する。そのうえで「今回の調査において、自宅でこのような機能的な性差とは反対の結果が出たことは大変興味深いことです」としている。

 なお、ダイキン工業では、調査報告のページ、エアコンの節電に関するページをサイトで公開中だ。

男性にも多かった“冷房弱者”……冷房が苦手なのは、女性64.7%・男性44.8%

《冨岡晶@RBB TODAY》

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