広尾学園「医進・サイエンスコース」の事例、iPadが引き出す生徒の可能性

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iPadを活用した教育事例を紹介する広尾学園の木村教諭
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  • 研究活動で活用されるiPad
  • 研究活動にiPadを活用する生徒
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  • デジタル学習記録
 教育関係者向けにスマートデバイスの教育事例を紹介する「スマートデバイスACADEMIA 2012 Summer」が8月30日、31日の2日間、名古屋で開催された。広尾学園の医進・サイエンスコースを担当する木村健太教諭は、iPadが引き出す生徒の可能性を、同校の事例を踏まえながら紹介した。

 広尾学園の医進・サイエンスコースは2011年度に新設された医学部、先端理・工学部を目指す高校生対象のコース。受験対策だけではなく、大学進学後も大学卒業後も必要になる「理系のマインド」を育てることを目的としているという。コースの開始に伴い、同コース受講生徒を対象としたiPad導入を試験的に開始した理由のひとつは、「理系のマインド」を育てるうえで活用できるとの見解からだ。

 医進・サイエンスコースの特徴は、生徒が取り組む研究活動だ。木村教諭によると、研究論文としての出版や、学会で発表できるようなレベルの研究を求めているという。そしてそのような研究内容を見つけるには、生徒自身が興味ある研究課題を見つけること、研究課題の社会貢献度を見極める能力、そして技術や知識的に研究が可能な課題であるか見極める能力が必要だという。

 では、研究活動においてiPadはどのように活用されているのだろうか。まず、情報収集のツールとして活用されていることが多い。インターネットには膨大な量の情報があるが、研究には信憑性のある情報が不可欠。特に医学や理工系に関する研究において、先端知識と信憑性のある情報を求めると、多くの場合英語の論文に辿り着くと木村教諭は話す。生徒は、情報収集のプロセスにおいて情報の信憑性を見分けるための情報リテラシーを学び、英語学習の必要性を体感する。

 また、iPadは、研究を進めるうえでの先生と生徒のコミュニケーションツールでもあるという。部活動などで先生とのスケージュールが合わないときはメールで研究経過の報告、メーリングリスト機能などを使い情報共有などをしているという。そのほか、Googleカレンダーで、スケジュールの管理や共有なども行われている。

 特徴的なのは、iPadが生徒にとって学校生活の一部であるということだろう。学校側がiPadの使い方を教えるわけではなく、生徒それぞれが、研究活動や学校生活の中で自由にiPadを活用しているようだ。

 また、ベネッセコーポレーションとの共同開発として「デジタル学習記録」という日々の学習時間を科目別に入力できるアプリの活用、旺文社の「英単語帳ターゲット1900」アプリの導入なども行っている。これらのアプリは、先生が教育素材として活用するのではなく、生徒が主体的に授業以外の時間に活用しているようだ。

 このような医進・サイエンスコースの生徒に対するiPadの試験的導入を経て、2012年の新中学生204名は、1人1台のiPadを持つ学生生活を始めているという。
《湯浅大資》

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