大学院生の4人に1人がアルバイトで研究時間を確保できず

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アルバイトの目的
  • アルバイトの目的
  • 研究・生活上の懸念(不安)
  • 収入不足について研究への影響
  • 一年間の授業料総額
  • 奨学金の返還に対する不安
 全国大学院生協議会(全院協)が実施した「2012年度大学院生の経済実態に関するアンケート調査」では、大学院生の約6割が生活費や学費のためにアルバイトに従事し、そのため4人に1人は研究時間を確保できずにいることがわかった。

 同調査は大学院生の経済実態を客観的に把握するために2004年度から実施され、今回の調査で9回目となる。2012年7月14日から9月15日にかけて大学院在籍者を対象に行われ、38国公私立大学の院生から755件の回答を得た。

 調査によると約6割の院生がアルバイトを行い、目的として93.1%が「生活費あるいは学費(研究費を含む)を賄うため」と答えた。そして全体の24.9%が研究時間が十分に確保できない要因にアルバイトをあげた。

 大学院での研究・生活上の懸念については、トップが「研究の見通し」60.7%だが、それ以降「就職状況」56.6%、「生活費・研究費の工面」50.7%、「授業料の工面」32.4%、「奨学金の返済」25.0%と経済的不安が続く。

 「収入の不足が研究に影響を与えている」との回答は61.4%にのぼり、具体的な影響としては「研究の資料・書籍を購入できない」76.2%などがあげられ「授業料が払えない」も27.7%となった。経済問題は博士課程への進学にも影響を与えているという。

 現在、大学院の初年度納付金のおおよその平均額は、国立80万円、公立90万円、私立修士105万円・博士90万円で、世界的にも高学費とされている。奨学金は約6割の大学院生が受けているが、返還に対する不安は「かなりある」46.9%、「多少ある」33.2%と8割以上が返還に不安を抱えている。

 全院協では、経済的窮乏→アルバイトで工面→研究時間の不足→業績の不振→経済的窮乏という悪循環に陥っているとみている。経済的理由から学業の続行を断念することや、将来有望な学生が今後への不安から研究者への道を諦めている実態を訴え、日本の高等教育に警鐘を鳴らしている。
《勝田綾》

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