志望校への合格可能性を診断する学校別模試も始まり、2014年中学受験に向けてラストスパートの時期に入った。主に首都圏の中学受験生の、この時期の模試の合格可能性の捉え方、模試の活用、また台風18号の影響で中止となった9月16日の学校別サピックスオープンの影響や対策などについて、難関中学に合格者を送り出してきた個別指導教室SS-1代表の小川大介氏に聞いた。--模試の結果の捉え方を教えてください。 80%の合格可能生が出ている場合は、現時点で合格できそうな知識があることを意味します。しかしただ喜ぶのではなく、余裕のある80%か、余裕のない80%かを見極めることが大切です。 たとえば、「(1)考える問題や正答率の低い難易度の高い問題が正解していて、知識がほどほどにある」のか、「(2)難問は解けていないけど、知識を問われる問題はしっかり取れている」のか。 (1)にはまだ伸び代があり、今後も知識を付けていけば余裕のある入試になるでしょう。 しかし(2)の場合は、合格可能性が低い層に逆転される可能性もあります。さらに、取れる要素があるかを点検し続けて、完成度を保ち続けないといけません。 特に9月、10月は模試の分析シートを細かく見て、正答率の高いところがしっかりと取れているのか、ムラのある単元がないかをしっかりと点検するようにしましょう。内訳を見ることが大切です。 特に9月の模試は、入試本番までの戦い方を決める資料として重要です。--台風18号の影響で、9月16日の学校別サピックスオープン(開成・麻布・駒場東邦・武蔵・慶應普通部・早稲田・早大学院・栄光・桜蔭・女子学院・雙葉・フェリス・慶應中等部)が中止されましたが、影響はありますか。 9月の模試の結果を分析し、10月に仕上げに入ることを考えると、中止の影響は大きいですね。難関校に絞り込めておらず、さらに四谷大塚の合不合判定テストを受験していない難関校のボーダーにいるお子さんの場合は、志望校を変更するかどうかを判断する資料が減ってしまったことになります。--その場合、志望校の判断はどのようにすればよいでしょうか。 過去問と、9月22日の合格力判定サピックスオープンなど今後の総合的な模試の結果を組み合わせて判断するとよいでしょう。過去問は、入試本番と同様に、朝から時間を決めて、緊張感をもって各自取り組みことが大切です。その結果をもって、「あと少しで届きそうだから、志望校は変えずに頑張ろう」「志望校との相性が悪いので、考え直そう」などの判断をすることになります。--難関校志望者の、他塾の模試の活用について教えてください。 学校別模試は、サピックスの問題がよく出来ていると思います。また、上位層のお子さんが多いので、受験生の中での位置づけがわかりやすいですね。 少人数で丁寧にフォローされることを望まれる場合には、早稲田アカデミーの学校別オープン模試を受けるとよいでしょう。受験者は、学習のアドバイスなどをいただけることがあるので、個人塾などに通い難関校のアドバイスが不十分な方、校舎に志望校コースがない方などは、セカンドオピニオン的に使うことができるでしょう。 模試は結果を見て考えるのではなく、受ける目的を明確にして取り込むことが重要です。--ありがとうございました。 次回9月19日は、過去問の取組み方や、2014年入試の予想について紹介する。