「伸びる製造業の賢い大学の使い方」著:名古屋工業大学 産学官連携センター 価格:740円 発行;幻冬舎「欧米のグローバル企業が日本企業と大きく違うのは、研究開発のオープン化が進んでいる点だ。外部の研究機関や大学などで行われている研究の成果を製品開発に応用したり、新たな事業のたちあげに利用するなどの研究成果を実用化する仕組みづくりが確立している」(第2章・34ページより)。「日本製」と聞いて安心する人間は、この世界に果たして何人いるだろうか。かつて日本の製造業は、高い技術力と高い品質を以って世界の市場を牽引してきた。しかし近年、行き過ぎた独自の発展(ガラパゴス化)やコストパフォーマンスに優る新興国の進出により、日本企業のグローバル競争力は衰退しつつある。かつての勢いを取り戻すには、技術や品質を向上させるだけでなく、世界に通用する魅力が必要だ。そこで本書が提案するのが、企業と大学とが手を取り合う「産学官連携」である。大学に所属する研究者や設備などを利用し、技術開発や事業の展開を行うことで、新たな価値を生み出そうという試みだ。企業が立ち直るための起爆剤は、意外と身近にあるのかもしれない。