【高校野球2014夏】11日目の結果と12日目の見どころ…日本文理、逆転サヨナラ本塁打で劇的勝利

 薄曇りの中行われた本日は強烈な日差しこそないものの、湿度が高く、選手たちには厳しい環境となった。しかし、ベスト8を懸けた選手たちは気持ちを前面に押し出して、これまで以上に激しい戦いを繰り広げた。

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 薄曇りの中行われた本日は強烈な日差しこそないものの、湿度が高く、選手たちには厳しい環境となった。しかし、ベスト8を懸けた選手たちは気持ちを前面に押し出して、これまで以上に激しい戦いを繰り広げた。

【第1試合】日本文理(新潟)6-5富山商(富山)
 7回まで3-1と日本文理がリードして試合終盤を迎えるが、ここからドラマの連続だった。犠飛での1点に抑え込まれていた富山商打線が8回に爆発。横道選手の2点適時打など6本の長短打を集中し、4点を奪い逆転する。日本文理はすぐに1点差として9回裏、同点のランナーを出塁させる。そして、6番、新井選手が直球を振り抜くと、快音を残した打球はレフトスタンドへ。試合を終わらせるサヨナラ2点本塁打となった。日本文理は準優勝した2009年以来、5年ぶりのベスト8に進出した。

【第2試合】八頭(鳥取)0-10大阪桐蔭(大阪)
 3回まで好投した八頭の鎌谷投手だが、春に痛めた腰痛が4回の途中で再発し、投球に乱れを生じ四死球を出してしまう。大阪桐蔭打線はその変調を見逃さず、4本の安打を集めて5点を先取。八頭は正捕手の西垣選手をマウンドに送り、6回に1点を追加されるもしぶとくしのいでいたが、8回に大阪桐蔭の横井選手の2点適時2塁打などで4点を奪われ万事休すとなった。大阪桐蔭は1回戦の開星戦で5回5失点と悔しい思いをした田中投手が9回を被安打3と抑えきり、名誉挽回の完封勝利を飾った。

【第3試合】聖光学院(福島)2-1近江(滋賀)
 好投手を擁する両校の対決は、互いにチャンスを作っては防ぐ、緊張感に満ちたゲームとなった。近江が6回に植田選手の犠飛で先制し、1-0のまま試合は9回まで進む。最後の聖光学院の攻撃は、連続安打と犠打で1死1、3塁となり、代打の海老沼選手が放ったセカンドゴロで、近江の仲矢二塁手は本塁に送球するが、ランナーの足が一歩速く、土壇場で同点に。そして、続く石垣選手が近江バッテリーの警戒をかいくぐってセーフティースクイズを決め、1点を争う好ゲームに幕を下ろした。

【第4試合】健大高崎(群馬)8-3山形中央(山形)
 健大高崎は1-1で迎えた3回裏に四死球などで満塁とすると、3番脇本の適時打と右翼手が打球処理に手間取る間に走者がすべて還り3点、さらに柘植選手の適時打で1点を追加し、ビッグイニングを作り出した。5回に山形中央の反撃にあい、連打で集中打で2点を奪われるも、相手の中心打者、3番永井選手を低めの変化球で併殺打で勢いを止める。6回、8回に中押し、ダメ押しの追加点を挙げ、ベスト8最後の椅子を勝ち取った。健大高崎はこの試合でも7盗塁やバントヒットなど得意の機動力を遺憾なく発揮した。

【12日目(22日)の見どころ】
 第1試合。三重(三重)は1番から9番まで不調の選手はおらず、どこからでもチャンスを作れるので、投手は沖縄尚学を3~4点に抑えたい。対する沖縄尚学(沖縄)は2試合連続で10奪三振以上を奪っているエース山城の先発が濃厚。接戦を勝ち上がってきた粘り強さを発揮したい。

 第2試合には3試合連続2桁得点の敦賀気比(福井)が登場。圧倒的な打力に注目が集まりがちだが、ここまで失策2、失点2と守りも安定している。対する八戸学院光星(青森)もエースの中川投手は2試合を1人で投げ抜き、3失点と安定感では引けを取らない。終盤で逆転を呼び込んできた集中力をこの試合でも発揮したい。

 第3試合は健大高崎(群馬)と大阪桐蔭(大阪)のカード。健大高崎は1番平山、2番星野、3番脇本、4番長島の上位4選手が絶好調。山形中央戦では4人で7安打5打点6盗塁と大爆発した。大阪桐蔭は今日(21日)の試合を田中投手が投げきったことでエースの福島投手を温存できたのは大きい。

 第4試合は聖光学院(福島)と日本文理(新潟)という、互いに逆転サヨナラ勝ちでベスト8を決めたチーム同士の対決となった。どちらも最高の勝ち方をしただけにチームの雰囲気はいい。ここまでの3試合を1人で投げ抜いてきた日本文理の飯塚投手の調子が勝負の分かれ目となりそうだ。
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 今日でベスト8が出揃った。それぞれ、投手力のチームに、打撃のチーム、機動力のチームとその顔ぶれは豊か。また、ベスト8に東北から2校、北信越から2校が残っているのが今大会の特色と言える。ここから先はプレッシャーや疲労が増し、さらに厳しい戦いとなるが、技術と精神力、そして応援を力にしてより素晴らしい試合を期待したい。
《朝倉尚》

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