国内感染のデング熱、代々木公園で感染の可能性…患者3名は同級生

 厚生労働省は8月28日、海外渡航歴がないデング熱の患者が新たに2名確認されたことを発表した。現在感染が確認されている患者はあわせて3名となり、いずれも都内の同じ学校に通う同級生だという。感染地域は代々木公園と推定されている。

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 厚生労働省は8月28日、海外渡航歴がないデング熱の患者が新たに2名確認されたことを発表した。現在感染が確認されている患者はあわせて3名となり、いずれも都内の同じ学校に通う同級生だという。感染地域は代々木公園と推定されている。

 デング熱とは、蚊が媒介するウイルス性の熱性疾患のことで、アジア、中南米、アフリカなどの世界の広範な地域で流行している。国内では1942年から1945年にかけて、神戸・大阪・広島・長崎などで流行が発生した。その後は国内感染は確認されず、海外の流行地で感染し帰国後発症する輸入症例が報告されていた。

 27日に発表された埼玉県の患者(10代女性)は海外渡航歴がなく、デング熱の国内感染症例は戦後初。その後の疫学調査の結果、東京都(20代男性)、埼玉県(20代女性)でも患者が確認された。3人は都内の同じ学校に在籍する同級生で、いずれも海外渡航歴はなく、国内で感染したと考えられる。

 国立感染症研究所発表の「現時点での疫学情報のまとめ」によると、3名から検出されたウイルス型は同じ「デングI型」。都立代々木公園でデングウイルスを保有している蚊に刺されて感染した可能性が疑われており、都では公園の渋谷門付近を中心に蚊の駆除を行う対応をとっている。なお、都が緊急に代々木公園から採取した蚊からは、ウイルスを保有する蚊は発見されなかった。

 都では、ヒトからヒトに感染しないこともあり、都内で感染が拡大する可能性は極めて低いとみている。感染した場合も、一般に一週間前後で回復するといわれており、過度な心配は必要ないとしている。ただし、現在は有効な抗ウイルス剤がないため、特に日中の蚊との接触を避け、刺されないように予防することが重要だ。
《黄金崎綾乃》

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