東日本大震災から3年半が経つ今、教育面ではどのような復興活動が行われているのか。 被災地を訪れるのが5回目となるボランティア参加者の一人は、現在の東北での教育ボランティアが「ゼロをプラスにする、子どもたちの将来の選択肢を広げる教育をしているのでは」という。「現在はもはや、“被災地だからしていること”というよりは、地方と都心の教育格差是正と変わらない活動になっている」と指摘する。◆活動がもたらすインパクト自体は、本当に震災と関連するのだろうか 9月16日から19日にかけて、現在も継続中の被災地の子どもたちを対象とした教育系ボランティア活動のひとつ「学びの部屋」(一般社団法人「子どものエンパワメントいわて」により開催)に密着した。 「学びの部屋」は2011年の震災から7か月後から行われている活動で、そもそも誕生したときの趣旨は「震災前とまるで変ってしまった環境の中で勉強する被災地の子どもたちが、進学や受験、また日常の勉強に不安を持っているのではないかという危惧があって。安心して学習する居場所とそのパートナーを提供することで子どもたちに夢を描きなおしてほしい」(同法人ボランティアコーディネーターの浅石裕司氏)というものだった。 現在、文部科学省の後援や岩手県陸前高田市教育委員会との協働のもと、主に平日の放課後(18時半~21時)に学習支援活動が行われ、そのフィールドも多彩に広げられている。 では復興活動から3年半を経た今、この活動は被災地でどのような意義を有しているのか。 「学びの部屋」ボランティア参加者の一人に聞いた。協力してくれたのは下野高平さん(東京大学法学部3年生)。