【中学受験2015】西村則康氏に聞く…変動する中受事情とサンデーショック

 ここ数年の「受験生の増減」、2015年に起こる「サンデーショック」、そして「午後入試の増加」などをキーワードにして、「塾ソムリエ」として活躍中の西村則康氏の助言をもとに2015年の中学受験を見てみたい。

教育・受験 受験
西村則康氏
  • 西村則康氏
  • 西村氏の著書「中学受験は親が9割」
◆2015年は「サンデーショック」の年

 2015年は、サンデーショックの年だということも見過ごせない。東京・神奈川の中学入試解禁日である2月1日が日曜日の場合、日曜日に礼拝があるキリスト教系(特にプロテスタント系)の学校はこの日、入試を実施しないことが通例になっている。例年2月1日に入試を実施する該当校は、この年だけは例外的に別の日(ほとんどが2月2日)に入試を実施する。これにより併願パターンなどに影響が出て、一部の学校の倍率や難易度に変化が生じる。この変化が「サンデーショック」と呼ばれ、来春2015年がそれにあたる。

 サンデーショックによる影響として、「女子最難関の桜蔭中は難化することが予想され、女子学院中も難しくなるのではないか」と西村氏は言う。例年は併願できない女子難関校のこの2校を併願できることにより、双方を成績最上位層が受験する。これにより2月1日の桜蔭中は難化。2月2日の女子学院に桜蔭残念組の上位層が合格することにより、ボーダーラインが上昇することになる。このサンデーショックの影響は、神奈川の学校については限定的で、プロテスタント系の学校が少ない男子校に関しても同様という。

◆午後入試増加による出願校数の増加

 ここ数年、午後入試を実施する学校が増えた。これによって、たくさんの学校に願書を出すケースが増えている。つまり、受験方法が多様になっている。午後入試があるので、たとえば3校受験したときに、3日目は願書を2校に出し、2日目の結果で3日目の受験校を決定するなどの方法を取ることもできるようになっている。このことも、学校ごとの受験者数が変動する要因になっている。受験方法も戦略的に考える必要がありそうだ。

◆2015年の中学受験事情

 以上、2015年の中学受験の予想を概観してみた。女子の上位層では、サンデーショックの影響がどの程度出るのかが焦点になりそうだ。入試に向けて、学力を伸ばすことは当然考えなければならないが、子ども自身が本当に行きたい学校、親が我が子を進学させたい学校を選ぶことが何より大事なことだろう。学校選びを偏差値のみに頼るのではなく、学校行事や説明会に実際に足を運び、親子で納得のいく学校選びをしてほしい。

・西村則康氏(名門指導会代表・中学受験情報局主任相談員・塾ソムリエ)
 35年以上、難関中学・高校受験指導を一筋に行う家庭教師のプロフェッショナル。これまでに男子御三家の開成、麻布、武蔵、女子御三家の桜蔭、女子学院、雙葉をはじめ、灘、洛南高附属、東大寺学園、神戸女学院などの難関校に合格させた生徒は2,500人以上にのぼる。著書に「中学受験は親が9割」(青春出版社)、「御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方」(アスコム)ほか多数。
《苅谷崇之》

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