【大学受験2015】新課程入試の初年度は安全志向…河合塾調べ

 河合塾は1月13日、2015年度大学入試における受験生の傾向について実施した高校教員のアンケート調査結果を公表。新課程初年度となる今春入試は、変化に伴うリスクを敬遠し、推薦・AO入試を積極的に利用したい傾向が強まった。

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志望校・受験校選定における受験生の傾向
  • 志望校・受験校選定における受験生の傾向
  • 就職環境・家庭環境による進路選択の変化と奨学金の活用
 河合塾は1月13日、2015年度大学入試における受験生の傾向について実施した高校教員のアンケート調査結果を公表。新課程初年度となる今春入試は、変化に伴うリスクを敬遠し、推薦・AO入試を積極的に利用したい傾向が強まった。

 河合塾では、2014年10月から12月に全国60会場で進路指導に携わる高校教員を対象とした入試動向説明会を開催。その会場で、受験生の進路選択の意識変化についてアンケート調査を実施した。

 2015年入試の受験生の志望校・受験校選定に関して、「推薦・AO入試を積極的に利用したがる志向」は「強まる」(61%)傾向にある。一方、「目標を高く設定するチャレンジ志向」は、「弱まる」(38%)傾向が「強まる」(22%)傾向を上回り、ここでも安全志向がみられる。ただし、首都圏は他地区と比べて「強まる」傾向が高くなった。

 「通学可能な範囲の大学を選ぶ傾向」は、全体では「強まる」(57%)傾向が「弱まる」(3.2%)傾向を大きく上回った。下宿代などがかかる遠方の大学を敬遠する動きはまだ根強いが、地元に大学が少ない北海道、北陸、中国地方などでは昨年より「強まる」との回答が減少し、通学圏外の大学に目を向けている様子がうかがえる。

 また、就職環境・家庭環境による進路選択の変化、奨学金の活用に関しても調査している。「進路選択・決定における保護者の意向」は、「強まる」または「変化なし」がほとんどを占め(97%)、子どもの進路決定に深く関わる保護者が増えていることをうかがわせる。

 「奨学金・奨学金制度の活用を考える生徒」は「増える」傾向(73%)がみられ、「家庭の事情で大学への進学自体を見直す生徒」も「増える」傾向(33%)が「減る」傾向(3%)を大きく上回った。これらの回答から、依然として経済環境の厳しさが高校生の進学に影響を与えていることがうかがえる。
《荻田和子》

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