【高校受験2015】東京都立高校入試<社会>講評…やや易化

 平成27(2015)年度東京都立高等学校入学者選抜(都立入試)の学力検査が2月24日に実施された。リセマムは、難関高校に高い合格実績をもつSAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、共通問題の「社会」の講評を速報する。

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東京都立高校、講評(社会)
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  • 平成27年度都立高等学校入学者選抜の受検状況
 平成27(2015)年度東京都立高等学校入学者選抜(都立入試)の学力検査が2月24日に実施された。リセマムは、難関高校に高い合格実績をもつSAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、共通問題の「社会」の講評を速報する。数学、英語、国語、理科についても同様に掲載する。

◆共通問題<社会>講評(SAPIX中学部 提供)

 大問6題・小問計20題(うち記述4問)という問題数や、分野別の配問数は例年通りでした。傾向が一定しており、対策は立てやすくなっています。今年の入試問題では、受験生が選ぶべき選択肢の組合せが絞られたため、例年よりも平均点は上昇するものと予想されます。

 今年の出題で例年と変更になったところは、上記の通り選択肢の組合せです。従来であれば、4つの地点と4つの資料を全て対応させたり(地理)、4つの選択肢を全て年代順に並べ替えたり(歴史)する必要がありました。しかし、今年はどの小問もあらかじめ4つの選択肢にまとめられていたため、受験生にとっては解答を絞りやすくなりました。

 記述問題は「ある町が施行した事業の理由と目的」(大問3)、「江戸時代、沖縄でとれない昆布が沖縄料理に使われるようになった理由」(大問4)、「地域振興策により産業・雇用面に期待できる効果」(大問5)、「日本のODAの変化」(大問6)が問われました。記述が出された大問は例年通りでした。記述については、(1)設問文から何について記述するのかを把握し、(2) (1)に基づいて与えられた複数の資料のそれぞれの意味を理解し、(3) (2)を(1)に合うように関連づけて記述することが求められます。

(1)小問集合
 地理(地形図)・歴史(歴史上の出来事に関連する場所)・公民(用語)に関する出題でした。この大問は例年平易な問題で占められますが、今年は歴史の小問が難しく、正確に把握している生徒は少なかったと思われます。

(2)世界地理
 雨温図と統計資料を使用した総合問題でした。今年は出題された国々がメジャーなものばかりで統計も識別しやすく、例年よりは解きやすい問題でした。

(3)日本地理
 例年同様、都道府県の地誌・資料統計問題・記述問題という構成でした。記述問題は人口問題と自治体の対策を組み合わせた設問で、書くべき内容が把握しやすく、一通り記述対策を行ってきた受験生ならば解答を組み立てるのは困難ではなかったでしょう。

(4)歴史
 古代~近現代の食文化に関する文章をもとにした総合問題でした。年代の並べ替えが2問出題されましたが、昨年までと異なり「正しい並び順を1つ選ぶ」という形式なので難度は下がっています。記述問題は江戸時代の特産物に関するもので、解説・地図・年表から出題意図を読み取って解答する必要がありました。

(5)公民
 地方自治に関する文章をもとにした総合問題で、形式・難度ともに例年通りの内容でした。記述問題は資料をもとに地域振興のあり方を考えさせるもので、今年の記述4問の中では一番難しかったと思われます。

(6)総合問題
 グローバル化に関する文章をもとにした、社会科3分野融合の統計資料問題でした。他の大問と異なり、中学生が目にする機会の少ない資料が中心であったため、資料の意味を理解し、対応する選択肢を慎重に検討する必要がありました。記述問題はODAに関する設問で、資料にそって記述すれば問題なく解答できるものでした。


社会:問題 正答

 このレポートは2015年2月25日(入試翌日)に速報としてSAPIX中学部により作成されたもの。なお、SAPIX中学部は、3月に入試分析会、4月に入試問題分析会を下記の日程で開催する予定。進学指導重点校をはじめ難関都立の出題傾向や対策法を分析した「東京都立高校 入試予想問題集」も販売している。

・2015 高校入試分析会(国私立難関高・東京都立トップ高)
3月14日(土)、代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー(新宿)
3月22日(日)、代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー(新宿)
3月22日(日)、サピックスホール(東京)
3月22日(日)、代々木ゼミナール 立川北口受験プラザ(立川)

・入試問題分析会(開成・筑駒高/慶應女子高/学芸大附高)
4月12日(日)、代ゼミタワー

・入試問題分析会(都立日比谷・西・国立高)
4月26日(日)、代ゼミタワー
《湯浅大資》

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