【母親座談会(前編)】私立中高一貫校のよさと我が子の成長

 私立中高一貫校は、学校ごとに特徴や魅力があり、長引く不況のなかでも根強い人気がある。具体的にどういうよさがあるのか、保護者はどのように感じているのか、在学生・卒業生のお母様4人に本音を語ってもらった。

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◆理解が深まるユニークな授業、6年間の受験対策

佐藤さん(麻布):理科の授業では実験をよくやっています。社会がユニークで、中1で「世界」という授業があります。これは、歴史、地理、公民と分けて学ぶのではなく、すべてを「世界」ととらえて、歴史から現在の社会までを学ぶ。こういう独特な授業は私学ならではで、面白いですし、理解も深まると思います。

高島さん(山脇):中1から高2の5年間で6年分の授業を済ませるカリキュラムで、高3で受験勉強に集中できるので、自分で計画を立てて勉強するのが苦手な我が子には合っていたと思います。面倒見がよくて、先生がきめ細やかに指導してくださるこの学校でよかったと思います。

石川さん(早実):英検や漢検は、中3で受けるレベルのものを中2で受けるなど、基準が少し高いと思います。95%以上の生徒が早稲田大学に進学します(編集部注:2013年度卒業生374中366名が早稲田大学に進学)が、とても面倒見がよく、成績が下がると先生がお電話をくださったり、勉強の計画を立ててくださったり、補習をしてくださったりして、とてもありがたいです。

佐藤さん(麻布):思春期の多感な時期に、受験勉強をする代わりに、読書をしたり自分に向き合ったり、友達とのことに悩んだりできるのが私立中高一貫校のよいところだと思っていましたが、本当にそのとおりでした。

高島さん(山脇):女子校では珍しくないかもしれませんが、礼法の授業や、お琴、華道の授業があります。大学生になってから、みんなができないのに自分だけ礼儀作法ができたのは、礼法の授業のおかげだと、ちょっと得意げに報告してくれました(笑)。教育熱心なご家庭のお子さんが多く、まじめに勉強するのが当たり前、道を外すという発想もないまま6年間をおおらかに過ごせたのがよかったと思います。

◆私学ならではの行事や設備

中村さん(大妻):希望制でスキー合宿があったり、語学研修でオーストラリアに行ったり。部活では毎年、親子一緒に卒業生を送る会をします。卒業生が結婚式のようにスポットライトを浴びて登場する姿が華やかで、下級生たちは「高3まで続けたらあの場に出られるんだ、頑張って続けよう」と憧れるようです。

石川さん(早実):長野県に学校の宿泊施設があり、学年全体で毎年1回行くのが楽しみなようです。中1では早慶戦の応援にみんなで行きますが、大学生に応援の指導をしてもらって楽しかったようです。

高島さん(山脇):学校はいろいろ新しいチャレンジをしています。校舎の立て替え、制服のリニューアル、理系女子育成のための理科教育専門センター、さらに英語教育のための専用の教室など。電子黒板も導入しました。
《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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