4/4皆既月食をより楽しむためのポイント…桜美林大学宮脇教授

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  • 桜美林大学 自然科学系 宮脇亮介教授
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 いよいよ4月4日は皆既月食。今回は全国各地で観察のチャンスがあることで、皆既月食の観察に多くの注目や期待が集まっている。リセマムでは、桜美林大学 自然科学系担当教授 宮脇亮介氏に、皆既月食の解説や観察のポイントを聞いた。

◆今回の月食は「皆既食」がわずか12分

--「皆既月食」とは、どういった現象のことでしょうか。

宮脇教授:地球と月は太陽の光を反射して輝く天体で、地球(月)にも太陽の光による影があります。その影は太陽とは反対の方向に伸びています。地球の影の中を月が通過することによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりする現象が「月食」です。

 月食は、太陽と地球、月が一直線に並ぶ、満月のときだけに起こります。いつも満月のときに見られるわけではありません。地球の公転の軌道面と、月の公転の軌道面は同じではなく、5度ほど傾いています。地球から見える太陽の通り道(黄道)に対して月の通り道(白道)が傾いているため、ふだんの満月は地球の影の北側や南側にそれたところを通ります。そのため、満月のたびに月食が起こるというわけではありません。

 一般的に「月食」は「本影食」のことを指します。地球の影には「本影(太陽光がほぼさえぎられた濃い影)」と「半影(本影を取り囲む薄い影)」の2種類があります。本影は濃い影なので、月がはっきりと欠けたように見えます。月の一部だけが本影に入り込む現象が「部分食」、月のすべてが本影に入り込む現象が「皆既食」です。

 今回の月食では、月は本影の端ぎりぎりのところを通るため、皆既食となっている時間がわずか12分間と短いのが特徴です。

--皆既月食の見え方は、毎回異なるのでしょうか。

宮脇教授:条件によって地球の影のどこを通過するかが違いますから、その時ごとに見え方、持続時間が異なります。ちなみに、今回の場合とは異なり、月が本影の中心付近を通過する場合は、皆既食の時間が約1時間くらいになります。

◆皆既食の始めは20時54分、終わりは21時6分

--日本全国で観測できるとのことですが、特に見やすい地域はありますか。

宮脇教授:月食が起こる時間が夜であれば、満月は一晩中見えますので、日本全国で観測できます。

 今回の月食は、日本では夜の早い時間に開始しますので、日本は見やすい地域といえます。

 部分食の開始:19時15.4分
 皆既食の始め:20時54.2分
 皆既食の終わり:21時06.4分
 部分食の終わり:22時45.1分

◆方位磁石で事前に「東」「南」の方角の確認を

--観察の準備と、必要なものがありましたら教えてください。

宮脇教授:方位を100円ショップなどで売っている方位磁針などで確認しておきましょう。部分食の開始は19時過ぎですので、東と南の方向を確認しておくとよいでしょう。月が大きく欠けてしまってからでは、月を探すのが難しいことがあるので、月の位置を早めに確認しておきます。

 観察の際には肉眼で十分ですが、双眼鏡や望遠鏡で観察してもよいでしょう。双眼鏡を三脚に固定すると、手ぶれの影響もなくより快適に観察できます。望遠鏡は、大きさにもよりますが、倍率が数十倍で月の形がわかるくらいがよいでしょう。

 月食は、肉眼でも十分観察できる天文現象ですので、満月が地球の影によって刻々と欠けていき、完全に影に入って「赤銅色」となり、その後また復円するようすは、ただ眺めているだけで楽しいものです。時刻ごとにスケッチして観察記録をつけるのもよいでしょう。国立天文台のWebサイトが、観察の参考になります。

◆古代でも観察されていた皆既月食

--皆既月食が起きると、自然界に何か影響はありますか。

宮脇教授:特にありませんが、昔は突然おきるので日食と同様に不吉なものだったようです。しかし、古代バビロニアでは「サロス周期」として日食や月食が起こる日を予測するのに用いられる周期であることがわかっていました(1サロス周期は223朔望月、1朔望月=29.530 589日 新月から次の新月までの周期)。地道な観測と数学(算数)が役に立ちます。

--ありがとうございました。

 より深い理解のすすめとして、宮脇氏は国立天文台Webサイトの参照をすすめている。国立天文台Webサイトでは、月食のより詳細な解説やキャンペーン情報を閲覧できる。また、直接観察ができない場合にも皆既月食を楽しめるよう、インターネット中継も予定されている。

 気象庁によると、4月3日午前8時時点で4月4日の天気は東日本が晴れ、または曇りで、西日本が曇り、または雨の予報。赤胴色の月が観察できる時間はわずか12分間と短いが、観察できることを祈り、家族で夜空を見上げてみてはいかがだろうか。
《佐藤亜希》

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