タブレット学習サービスが隆盛、主要8サービスを比較

 タブレットを利用した学習サービスが盛り上がっており、通信教育や教材開発で実績のある企業をはじめとするさまざまな企業がサービス提供に参入してきている。そこで、主要な8つのサービスを比較・紹介する。

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学研とイオン「学研がんばるタブレット」
  • 学研とイオン「学研がんばるタブレット」
  • 主要8サービスの比較
  • DeNA「アプリゼミ」
  • Z会「iPadスタイル」
  • 浜学園と小学館「テレビドラゼミ」
  • 学研「マナボード」
  • ジャストシステム「スマイルゼミ」
  • ベネッセ「チャレンジタッチ」
 タブレットを利用した学習サービスが盛り上がっており、通信教育や教材開発で実績のある企業をはじめとするさまざまな企業がサービス提供に参入してきている。そこで、主要な8つのサービスを比較・紹介する。

◆タブレット市場の盛り上がり

 矢野経済研究所が4月に発表した「eラーニング市場に関する調査結果」によると、2014年度の国内eラーニング市場規模は、前年度比120.8%の1,665億円。特に、大手通信教育事業者によるタブレットを利用した学習サービスが市場規模拡大に大きく貢献し、個人向け市場規模は前年度比134.6%の1,090億円と大幅な拡大が見込まれる。

 また、IDC Japanが3月に発表した「国内タブレット端末市場実績値」によると、教育市場向けを中心とした需要の拡大により出荷台数が増加し、2014年の国内タブレット端末の出荷台数は、前年比8.0%増の804万台となった。2015年前半には教育分野でタブレット需要がさらに拡大していく可能性が高いと推測されている。

◆通信教育や教材開発で実績のある企業が運営

 タブレットを利用した学習のサービスは、学研や小学館、ジャストシステム、Z会、浜学園、ベネッセ、チャイルド社といった通信教育や教材開発、学習塾で実績のある企業が運営している。なお、アプリゼミはNHKエデュケーショナルが教育番組の制作で培ったノウハウを活かして教材を企画し、筑波大学附属小学校や昭和女子大附属昭和小学校の先生方も監修・協力として参加している。

◆専用タブレット提供型とアプリ提供型の2種類

 タブレットを利用した学習のサービス提供方法は、専用タブレットを配布する形態と、利用者保有の端末にアプリ等をインストールして利用する形態の大きく2種類に分けられる。マナボードと学研がんばるタブレット、スマイルゼミ、チャレンジタッチ、チャッピーデジタル教室は、専用タブレットを配布してサービス提供をしている。チャッピーデジタル教室は個人向けではなく、初期費用としてタブレットとコンテンツの代金を支払う必要があるが、それ以外の個人向け専用タブレット提供型サービスは月会費制で、初期費用としてタブレットの代金を支払う必要がなく、手軽に加入することができる(途中解約すると違約金が発生する場合がある)。また、チャレンジタッチは、受講月数に関わらず、専用タブレット「チャレンジパッド」を先着50万人限定で無料提供している。

 一方、アプリゼミやiPadスタイル、テレビドラゼミは、利用者保有の端末を使ってサービス提供している。アプリゼミは2015年4月現在、会費無料で特に会員登録する必要がなく、AppStoreやGooglePlayからアプリをダウンロードしてすぐにサービスを利用できるので、手軽に始めることができる。また、iPadスタイルは現在iPadを持っていなくても、Z会提供価格(29,880円、12か月毎月払いは月2,490円)でiPad mini2(16GB、Wi-Fiモデル)を購入することができる。利用者にとって導入時のハードルが低いのは、サービス加入の決め手となりそうだ。

 各社からさまざまなサービスが提供されているなか、利用者に良心的な価格・料金体系で、使いやすいサービスを提供することが普及の鍵となるだろう。
《工藤めぐみ》

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