AO入試や推薦入試を受ける予定の子どもの保護者の質問に、教員経験をもち、総合キャリア支援団体「MyCareerCenter」を運営する岡村洋平氏が答える連載「AO入試の基礎」。第6弾では、「適切なアウトプットの仕方(=伝え方)を身に付けること」の重要性について話を聞いた。◆試験は1次の書類審査を経て、面接の2次にわたる AO入試は、ほとんどの大学で2回の選考機会があります。1次試験として行われるのは、提出した志願書類などによる書類審査。ここで合格した人を対象に2次試験として行われるのが、面接を中心とした試験です。それぞれ、アドミッションポリシーで明示されており、出題する問題で暗示された大学が求める力を、適切に伝える必要があります。 1次と2次のそれぞれの試験内容は、たとえば慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)の2つの学部(総合政策学部、環境情報学部)では、2016年4月入学者向け試験のA方式とB方式の場合、以下のようになっています。---【1次選考】書類(資料を含む)審査1 志願者に関する履歴等2 志願者評価3 活動報告4 志望理由・入学後の学習計画・自己アピール ※文章(2000字程度)および自由記述(A4用紙2枚以内)5 任意提出資料 (資料がある者のみ)【2次選考】面接30分程度の面接(例年、面接官3名と受験者1名で行われている)--- また、同じ慶應義塾大学でも法学部の場合は、1次選考は同様に提出書類による書類審査ですが、2次選考はA方式の場合、以下のようになっています。---1 論述試験 教員が模擬講義(50分間)を行い、講義後に論述形式の試験(45分間)を行います。試験では法律学ないしは政治学の修得に必要な理解力、考察力、表現力などを評価します。両学科とも同時に同一の内容にて実施します。2 グループ討論 6~7名程度からなるグループに分かれ、与えられたテーマについて討論(45分間)を行います。理解力や表現力、社会性や自分の考えを主張する能力などを考査します。討論の開始前に全員に各2分間で自己アピールを兼ねた自己紹介を行ってもらいます。また、討論終了後、担当教員より質問することがあります。--- ここでは同じ慶應義塾大学のなかで比較をしたにすぎませんが、それでも2つのことを強調しておきたいと思います。1つは、書類審査といっても、提出する書類には多様な形式があること。もう1つは、同様のことは「面接」にも当てはまり、いわゆる面接はもちろん、法学部では「グループ討論」が課されているように、調べてみると実にさまざまであることです。◆多様な形式の「書類審査」への対応は、一定のノウハウ、そして時間と手間が必要 書類審査にせよ面接にせよ、大学側が知りたいことの中心にあるのは、学ぶ目的や将来の目標が明確であるかと、それにふさわしい活動をしてきたかどうか、そして大学の求める人物像とマッチするかどうかです。もちろん、広い意味での「学力」を問うているような試験もありますが、それは、あくまでも学ぶための前提をクリアできているかを知るものと考えられます。 ただ、知りたいことの本質は同じだといっても、先に見たように、アウトプットの仕方は書類の形式1つとっても非常に多様です。たとえば、入学後の学習計画などは、ほとんどの高校生はどうやって書けば良いかわからないものでしょうし、自由記述による自己アピールも同様のものだと思います。 ですから、まずは書き方や答え方について一定の「型」や不可欠な要素を知ること、つまり「インプットすること」が必要です。そのうえで、それらを自分に合わせてアレンジをしていくのが、回り道のない効率的な対策になります。この「型」という「とっかかり」がないままだと、「書き始める」というスタートラインに立つまでに非常に時間がかかってしまうでしょう。 1次試験で提出する書類は、手元で何度でもブラッシュアップし、十分納得をしたうえで提出ができるもの。それだけに、合格した受験生のほとんどは、相当な時間をかけて書類を練り上げてから提出をしています。だとすれば、提出する書類についてはなるべく早くからノウハウに精通した人から何度もアドバイスをもらい、自分としても納得がいき、学ぶ目的や意欲・適性が客観的にも十分伝わるものになるまで時間と手間をかけて仕上げるべきです。
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