メディックTOMASは2025年11月2日、新高1~3年生と保護者を対象に「医学部入試ガイダンス」を開催した。本記事では、その概要をレポートするとともに、イベント後のメディックTOMAS校長・萩原一裕氏への単独インタビューで聞いた、医学部合格の秘策をお伝えする。
リソー教育グループが運営する医学部受験専門の個別指導塾 メディックTOMASは、2025年11月2日、新高1~3年生と保護者を対象に、医学部入試ガイダンス「新高1~3年のための医学部合格への道(第1弾)」を開催した。年間を通じて行われるTOMASによる医学部入試ガイダンスは、原則3部構成。今回も医学部入試全体をデータで概観する第1部、卒業生のリアルな体験談を聞くことのできる第2部、メディックTOMASの具体的な受験のノウハウを習得できる第3部で構成された。2時間にわたるガイダンスには多くの高校生と保護者が参加し、熱心に耳を傾けた。

まず第1部では、駿台予備学校入試情報室長の城田高士氏が「2026年医学部入試最新情報」と題して講演。受験人口と志願者数の推移、2025年度共通テストおよび医学部入試の傾向と分析、さらに2026年度入試に向けた変更点や今後の見通しについて、最新データをもとに解説した。
城田氏は、「医学部は依然として難関であるものの、受験人口が減少するなかで間口は以前より広がっている。コロナ禍で一時的に高まった医療系人気は落ち着きを見せ、医学部志望者数は横ばいで推移。今後、共通テストの難化などで志願者がさらに減少すれば、早期から適切な準備を行う受験生にとって、より合格をつかみやすい環境になるといえる」と説明。そのうえで、「医学部志望者には、初志貫徹して最後まで諦めずに頑張ってほしい」とエールを送った。
続く第2部では、メディックTOMASの卒業生である現役医学部生2名が登壇し、受験体験を語った。登壇したのは、慶應義塾大学医学部1年生(慶應義塾女子高等学校出身)と、横浜市立大学医学部2年生(聖光学院高等学校出身)。志望校を決めた経緯や受験期の勉強法、保護者のサポートなどについて、自身の経験を振り返った。

現役・1浪で合格を勝ち抜く3ステップ
保護者世代の時代とは異なり、近年では医学部でも現役・1浪での合格が主流となっている。第3部で登壇したメディックTOMAS校長・萩原一裕氏は、冒頭で「早く合格するためには、やみくもに勉強するのではなく、“何を、いつまでに、どのように仕上げるか”を明確にし、逆算して早期に取り組むことが重要」と述べ、そのための3ステップを示した。
1.相手を知る(入試を分析する)
2.自分を知る(現状を把握する)
3.戦略を立てる(逆算して行動する)
相手を知る:まずは入試分析から始める
最初のステップは、「相手を知る」ことだ。メディックTOMASでは、2月と3月に各大学の入試傾向を分析するガイダンスを実施している。「各大学の問題傾向、難易度、解答時間などの情報を把握し、逆算計画を立てる際に役立ててほしい」と萩原氏は話す。
医学部入試には、それぞれの大学が求める学生像が反映されている。たとえば、東邦大学医学部では、2026年度入試から理科2科目の配点を各75点から各100点に引き上げる「理科重視」の姿勢を明確にした。萩原氏は、「理数系に強い学生を求めるのか、国語力やコミュニケーション力を重視するのか、研究志向か臨床志向か。入試科目や配点を見れば大学の意図が読み取れる」と語る。こうした出題傾向を理解し、それに基づいて年間計画を立てること。これこそが逆算型学習の出発点となる。
自分を知る:模試は“苦手を潰す”診断ツール
次に必要なのが、自己分析だ。模試はそのためのツールだが、萩原氏は「偏差値や順位だけを見ても意味がない」と警鐘を鳴らす。「模試は自分の弱点を洗い出すためのレントゲンのような存在。診断して終わりではなく、治療=対策を取ってはじめて意味をなす」と述べた。
また、「A判定が出たらと安心するのも危険」だという。「早期にA判定が出てしまうなら、志望校設定が低すぎると考えて良い」とし、模試を利用して成長したいなら、志望欄には、あえて自分の実力よりレベルの高い大学を書くことを勧めた。
戦略を立てる:逆算型の学習計画を
「相手」と「自分」を分析したうえで、次は戦略を立てる段階だ。萩原氏は、「高3の夏休みまでに全単元を終えていないと勝負にならない。単なる前倒しではなく、どの科目を、どのレベルまで仕上げるかを明確にし、基礎を最速で固めることが合格の鍵」と述べた。
また、夏の間に志望理由書の準備を始めることも勧める。「医学部の出願が始まる12月が近づくと、受験生は共通テストや二次対策で多忙を極める。そのような中、慌てて書いた付け焼き刃の志望理由は、プロの面接官にすぐ見抜かれる。早い時期から、じっくり練っておくことが大切だ。」(萩原氏)
メディックTOMASでは毎夏、全国の医学部が集う「医学部個別受験相談会」を開催している。すべての中高生・保護者・受験生が無料で参加できるイベントであり、大学の雰囲気や教育方針について直接聞ける貴重な機会だ。萩原氏は、「こうした機会を活用して、『なぜその大学で学びたいのか』という自分の動機を明確にしておくことが、志望理由書の質を大きく高めることにつながる」と語った。

「基礎固めの早さ」が勝敗を分ける
萩原氏は、学習進度の目安について、「夏までに超基礎と基礎を終え、苦手単元を秋まで残さず、共通テストに間にあわせることが理想」だとした。「超基礎」とは、数学なら計算ドリルの反復、英語なら単語・文法の定着と音読などの基本演習を指す。一方で「基礎」とは、教科書や教科書準拠の問題集レベルで、共通テストで9割取れることが完成の目安となる。
医学部入試で求められるのは、基礎を速く正確に解く力だ。萩原氏は、「難問に手を出すより、基礎を反射的に解けるまで繰り返すこと。ミスノートを作り、徹底的に穴を埋めるとともに、毎日のルーティンに超基礎ドリルを取り入れて」と指南した。
そして、「合格までの道筋を描くうえで大切なのは、相手(入試)を知り、自分を知り、逆算して行動すること。医学部受験は分析力と計画力の勝負。基礎を早く固め、戦略的に学習を進めて、合格をつかみ取ってほしい」と呼びかけ、未来の医師たちへの期待を込めて講演を締めくくった。
理科は、個々の適性に応じた選択を
ガイダンス終了後、編集部は萩原氏を取材し、メディックTOMASの指導方針や合格実績躍進の背景について話を聞いた。
--2025年度の医学部合格実績が、メディックTOMAS・TOMAS合計で249名(前年比117%)と大きく伸びていますね。
一貫した指導方針に加え、近年注力してきた理科の早期学習戦略が成果につながったのだと思います。TOMASの指導の特長は、(1)プロ講師によるマンツーマン指導、(2)超基礎と基礎の徹底、(3)合格からの逆算カリキュラムの3点にあります。これらに加え、メディックTOMASではここ数年、理科の早期学習を強化してきました。
医学部受験では「まずは英数を固めるように」と指導されるケースが多いのですが、実際には理科の遅れが不合格の原因になるケースが少なくありません。特に、苦手な物理を選択し、伸び悩むケースが多いです。
メディックTOMASでは、マンツーマン指導の利点を生かし、理科の科目選択においてひとりひとりの適性に応じたアドバイスを行っています。その結果、暗記型の学習を得意とする生徒が物理から生物へ変更し、得点を大きく伸ばすという成功事例が増えています。医学部入試では、理科2科目で120分前後の試験時間を設定している大学が多いのですが、たとえば生物を40~50分で解き終えられれば、その分を計算量の多い化学に回せるというメリットもあります。
数学は範囲が広く、難易度も高いため、6割取れれば十分合格圏内に届きますが、理科は満点を狙える科目です。だからこそ、実は理科の方が、費やした時間に対して得られる成果は大きいのです。自分の適性を正しく見極め、科目選択を誤らないことがとても重要です。

医学部合格の絶対受験をクリアするための戦略
--メディックTOMASの2025年度医学部合格者には、今、お話しされた理科を含めて、早い段階で基礎を固め、全科目を計画的に仕上げられた人が多かったのでしょうか。
従来は高2から理科1科目目、高3から2科目目を始めるケースが一般的でしたが、近年は高1で1科目目、高2で2科目目を終えることを目標にしており、2025年度の実績からも、現役合格にはこの“前倒し学習”が欠かせないことが明確になりました。
理科に限らず、早期学習の目的は、難問対策ではなく基礎の精度を極めることにあります。教科書レベルの内容を完璧に仕上げ、最終学年ではアウトプットを重ねて得点力を高める。このサイクルを確立できた生徒が確実に力を伸ばしていると言えます。
基礎に抜け漏れがないこと、そして速く正確に解けること。この2つが医学部合格の絶対条件と考えて良いでしょう。英語は高2までに英検準1級レベル、理科は高2で高3の範囲を終える。高3では数学に時間をかけ、入試本番では英語と理科で得点を稼ぎ、数学でミスを最小限に抑える。この戦略を徹底したことが、合格者の伸びにつながったと思います。
医学部受験を決めたら、まず最初にやるべきこと
--とにかく「やるべきことが多い」と言われる医学部受験ですが、受験を決めたら、最初は何に取り組むべきですか。
まず、目指すのは国立大なのか私立大なのかを決めます。そのうえで、難問系か基礎・標準系かを見極め、仮の志望校を設定します。そこから逆算カリキュラムで学習をスタートさせ、その後は、進捗や理解度に応じて柔軟に修正していくのが王道です。
国公立志望の場合は、共通テスト前に3段階の目標設定を立てるのが効果的です。第1段階は基礎の完成、第2段階は演習による精度の向上、第3段階は時間配分と得点戦略の確認。このように段階的な目標を設定し、進度を確認しながら修正していくことで、安定した成果につながります。
一方、私立志望の場合は、受験スケジュールの管理がカギとなります。2025年度入試からは、文部科学省の方針により試験日程が見直され、私立医学部は1次・2次試験共に2月に集中するようになりました。その結果、2月1日~8日は連日入試が続き、14~16日は“2次試験ラッシュ”となり、複数の大学で試験日程が重なるケースも相次ぎました。今後は、どの大学を受けるかだけでなく、どこで休むかも含めた計画が必要で、これまで以上に、早期の情報収集と緻密なスケジュール設計が重要になってくるでしょう。

--最後に、医学部を目指す受験生に向けてメッセージをお願いします。
医学部合格は、早く始めて苦手を作らないこと、基礎の精度を上げること、費やした時間に対して得られる成果を意識したタイムパフォーマンスの良い勉強を心がけることが重要なカギです。さらにメディックTOMASでは、目指す大学で苦手な単元が頻出している場合には志望校を見直すなど、個人の特性に合わせた戦略的な志望校選びもサポートしています。ぜひ、こうしたプロの力を上手に活用しながら、確実に合格を勝ち取ってください。
--ありがとうございました。
ガイダンスでは、入試分析から志望校選び、スケジュール設計まで、医学部合格への道筋をわかりやすく示していただいた。本記事を、効率よく、最短ルートで夢を実現するためのヒントとして活用してほしい。
メディックTOMAS医学部入試分析報告会2026
開催日・会場:
2026年2月15日(日):セルリアンタワー東急ホテル(渋谷)
2026年2月22日(日):TKP大宮ビジネスセンター
2026年2月22日(日):AP横浜
開催時間:
【2/15渋谷・2/22大宮】10:00~12:00(12:00~13:00 現役医大生個別相談コーナー)
【2/22横浜】14:00~16:00(16:00~17:00 現役医大生個別相談コーナー)
主催:メディックTOMAS
対象:医学部をめざす中学生~高校既卒生とその保護者
参加費:無料
締切:
【2/15渋谷】2026年2月11日(水・祝)15:00
【2/22大宮・横浜】2026年2月18日(水)15:00
メディックTOMAS 医学部入試分析報告会
申込受付中

