「一緒の時間を持ちたい」のは親ばかり、中高生親子で2-3割の差

 東京ガス都市生活研究所が行った住空間に関する親子の意識調査によると、中高生の親子では「家族一緒の時間を持ちたい」との回答に2~3割の差があることがわかった。一方、中高生の親の6割以上が「子どもが一人で過ごす時間は大切」と考えていることもわかった。

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 東京ガス都市生活研究所が行った住空間に関する親子の意識調査によると、中高生の親子では「家族一緒の時間を持ちたい」との回答に2~3割の差があることがわかった。一方、中高生の親の6割以上が「子どもが一人で過ごす時間は大切」と考えていることもわかった。

 都市生活研究所は、社会の変化や都市に暮らす生活者についての多面的な調査・分析をもとに将来のライフスタイルやニーズを予測し、生活者が豊かな暮らしを創造するための情報提供などを行っている。今回は、小学生から高校生の子どもとその親に対して意識調査を行い、リビングや子ども部屋に求められる機能やニーズを明らかにすることで、子育て世帯への新たな住空間を提案した。

 今回の調査によると、「もっと家族一緒の時間を持ちたいか」との質問に対し、小学生の親子間では「あてはまる」という回答の差が1割程度。しかし中高生の親子間では、男子中学生18.2%・親51.3%、女子中学生22.3%・親42.4%、男子高校生10.1%・親36.5%、女子高校生19.2%・親49.0%と、いずれも2~3割程度の差がみられた。

 一方、親への「子どもが一人で過ごす時間は大切か」との質問に「大切だ」と回答した割合は、男子の親は小学校低学年49.0%に対し中学生63.6%、高校生65.4%。女子の親は小学校低学年57.5%に対し中学生62.0%、高校生69.2%。いずれも子どもの学齢が上がるにつれて高くなる傾向にあった。

 これらの結果から、親子で一緒に過ごそうとする意識の差が小さい小学生の時期と差が大きくなる中高生の時期では親子の距離感が変わり、また親は子どもと一緒の時間を持ちたい一方で自立も願っていることがうかがえる。

 このように子どもの成長とともに親子の距離感や意識が変化する子育て世帯に対して、都市生活研究所は間取りを変えられる住空間を提案。子どもの自立に合わせながら一緒の時間を過ごしたいという親のニーズを考慮し、「子どもの成長やシーンに応じたさまざまな使い方ができること」「親子でリビングにいても、それぞれの居場所があり干渉しすぎないこと」を意識したプランを紹介している。

 なお都市生活研究所では、子育て世帯のほかさまざまなセグメントに焦点を当てた住空間を提案しており、今後も生活者の求める暮らしをもとに住まいの方向性を考える住空間研究を行っていくという。
《荻田和子》

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