【高校受験2016】千葉県公立前期<社会>講評…記述対策も合格への鍵

 平成28度千葉県公立高等学校の前期選抜が2月9日(火)、全日制課程の129校209学科で実施された。予定人員22,752人に対し志願者数は39,715人、平均倍率は1.75倍だった。リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「社会」の講評を速報する。

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2016年度 千葉県公立 前期 社会 講評
  • 2016年度 千葉県公立 前期 社会 講評
 平成28度千葉県公立高等学校の前期選抜が2月9日(火)、全日制課程の129校209学科で実施された。予定人員22,752人に対し志願者数は39,715人、平均倍率は1.75倍だった。リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「社会」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

◆<社会>講評(SAPIX中学部 提供)

 例年通り大問数は8題で、地理・歴史・公民すべての分野から幅広く出題されています。千葉県に関する文章や地形図の読み取りも変わらず出題され、全体の傾向に大きな変化はありません。教科書の基本知識をしっかりと習得することが何よりも重要ですが、初見の資料をその場で読み取る問題や知識をもとに複数の資料を分析する問題で得点差がついているため、正確な分析力を身につけることが欠かせません。また、毎年25字前後の記述が3問程度出題される傾向も続いているので、記述対策も合格への鍵となります。
1 総合問題
 千葉県の歴史や産業に関する文章をテーマにした総合問題です。ただし、千葉県に特化した知識が必要とされるわけではなく、教科書をしっかりと学習していれば得点できる内容が問われています。
2 日本地理
 日本の各地方や気候・工業の特色、地形図などが出題されました。恒例の日本地図を使った問題は、各地方の都府県の数に関する基本的なものでしたが、地図上の県境があいまいで、その場で数えることができなかったため、思わぬミスにつながりかねないものでした。
3 世界地理
 世界の地形や自然、宗教や時差に関する問題でした。難度は例年並みでしたが、時差を求める問題や3つの資料を注意深く読み取らなければならない問題など、スピードや正確な分析力が必要とされました。
4 前近代史
 古代から幕末の政治・経済・文化・同時代の世界史などが幅広く問われました。幕末の貿易品目と相手国を答える問題や鉄砲伝来時の世界の様子を選ぶ問題など、日本をとりまく当時の国際情勢を把握しているかどうかを問われるものが目立ちました。
5 近・現代史
 明治時代から現代までの日本と世界の歴史が問われました。例年と比較して出来事を年代順に並びかえる問題が少なく、出来事とキーワードが結びつきさえすれば正解できるものが多かったため、受験生にとって取り組みやすい問題でした。
6 政治
 選挙や政党を中心とした政治の総合問題でした。比例代表制に関する文章記述は、衆議院・参議院の制度の違いを理解したうえで、前後の言葉につながるように記述しなければならず、知識、分析力、記述力が総合的に試される良問でした。
7 経済
 日本銀行の金融政策と政府の財政政策をテーマとした出題でした。好景気・不景気時に日本銀行や政府がどのような対策をおこなうかを正確にまとめていれば対応できる問題です。経済用語とその原理を論理的に理解できているかどうかが試されました。
8 国際社会
 国連本部でおこなわれたスピーチをもとにした人権に関する出題でした。子どもの権利条約における4つの権利を分類する問題は文章をしっかりと読めば、一般常識の範囲で解答できるものでした。
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 このレポートは2016年2月10日に速報としてSAPIX中学部により作成されたもの。

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 なお、SAPIX中学部は新小学6年生、新中1~3年生と保護者を対象とした「高校入試分析会2016」を3月12日より順次実施する。東京、神奈川、埼玉、千葉、兵庫の5会場で実施され、各地域の公立高校や難関国私立高校について、数値を交えての具体的な体験談など、地域に合った説明を行う。分析会の参加申込みおよび会場別の実施日程は、SAPIX中学部のWebサイトを確認する必要がある。

協力:SAPIX中学部
《編集部》

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