福島とイギリスの子どもたちを日本の便箋がつなぐ

 「ふくしまフレンズUK」というチャリティー団体が行う素敵な活動がある。東日本大震災で困難な状況に置かれた福島県の子どもたちと、遠く離れたイギリスの子どもたちの文通を支援する取り組みだ。

生活・健康 小学生
まだ見ぬ異国の地とペンフレンドを想像し、どんな返事がくるかなとワクワク、ドキドキしながら言葉を綴る子どもたち(ふくしまフレンズUK提供)
  • まだ見ぬ異国の地とペンフレンドを想像し、どんな返事がくるかなとワクワク、ドキドキしながら言葉を綴る子どもたち(ふくしまフレンズUK提供)
  • 今自分が練習する楽器をイラスト付きで紹介した手紙(ふくしまフレンズUK提供)
  • クリスマスイベントを兼ねた活動の様子(ふくしまフレンズUK提供)
  • まだ見ぬ異国の地とペンフレンドを想像し、どんな返事がくるかなとワクワク、ドキドキしながら言葉を綴る子どもたち(ふくしまフレンズUK提供)
  • まだ見ぬ異国の地とペンフレンドを想像し、どんな返事がくるかなとワクワク、ドキドキしながら言葉を綴る子どもたち(ふくしまフレンズUK提供)
  • まだ見ぬ異国の地とペンフレンドを想像し、どんな返事がくるかなとワクワク、ドキドキしながら言葉を綴る子どもたち(ふくしまフレンズUK提供)
  • 寄贈された便箋と封筒。コクヨシリーズ
 「ふくしまフレンズUK」というチャリティー団体が行う素敵な活動がある。東日本大震災で困難な状況に置かれた福島県の子どもたちと、遠く離れたイギリスの子どもたちとの文通を支援する取り組みだ。

 2012年10月にスタートしたこの活動は、イギリス在住のライター・赤塚久美子さんが、福島県の子どもたちが広く世界の人たちと絆をもつことで、文化や言語を楽しく学んでほしいと考えたことに端を発する。赤塚さんの日英の友人たちや翻訳のボランティアのメンバーに支えられ、現在小学校の学級同士の文通を中心に、約200名が交流を続けている。この3年半の活動で交わされた手紙の数は2,000通を超える。

 手紙の内容は多岐に渡るが、共通しているのは、日英双方の子どもたちの素直で純粋な思いだ。好きな自国の食べ物を教えあったり、今自分が練習する楽器をイラスト付きで紹介したり、実際には会ったことのないペンフレンドの似顔絵を描く子がいたりと、まだ見ぬ異国の地とペンフレンドを想像し、どんな返事がくるかなと、ワクワク、ドキドキしながら言葉を綴る子どもたちの思いが伝わってくる。

 この心温まる文通に一役買っているのが、コクヨの便箋。コクヨは取り組みに賛同し、便箋と封筒を提供した。提供のために選んだ便箋は、優れた保存性と上質な書き味が特徴の「コクヨ帳簿用紙」を使用したシリーズ。この「コクヨ帳簿用紙」は、今年で創業111年を迎えるコクヨが1913年に、当時9年の歳月をかけて開発した。今なお改良が続けられている高級筆記用紙だ。

 きっかけは、赤塚さんが、コクヨ東北販売(コクヨグループの東北地域の販売会社)のホームページを見たことだった。コクヨ東北販売は、震災直後より「『書くこと・描くこと』で元気になってほしい!」という思いで、文房具の提供や、オリジナルノートをつくるワークショップを開催していた。赤塚さんは志に共鳴するものを感じ、理事の渡邊真知子さんとともに、便箋の寄付のお願いを手紙にしたためたのだ。

 コクヨは依頼を快諾。赤塚さんの想いを受けて、「手書きでこそ伝わる大切な想いを贈り物のように伝え残す」がコンセプトの便箋を選んだ。

 実は赤塚さんは福島出身。故郷の子どもたちを温かい目で見守りながら、赤塚さんは語った。「便箋が美しく上質で、いつもに比べて字も内容もしっかりした感じがします。福島の子どもたちが、紙の手触り、書き具合を体験しながら、それぞれの文字や想いを、イギリスのペンフレンド相手に書くことを想像すると、わたしたちまで楽しくなってきます。」

 昔のように手紙をなかなか書かなくなった時代だが、この活動が子どもたちの世界を広げ、便箋のコンセプトのように将来に良き経験、思い出として伝え残っていくことを期待したい。

(写真:ふくしまフレンズUK提供 inspi内の写真は全て編集部または提供者の著作物です。無断で使用・転載できません)

日本の便箋がつなぐ、福島とイギリスの子どもたちの素直で純粋な絆

《inspi編集部》

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