湘ゼミ「Q1グランプリ2016」、やる気を引き出す授業とは

 学習塾・進学塾の湘南ゼミナールは5月13日、「Q1グランプリ2016」を横浜市中区のラジアントホールで開催した。湘南ゼミナールの講師・スタッフや社外からの来場者300名以上で埋め尽くされた会場で、7名の講師による"熱い授業”が繰り広げられた。

教育・受験 先生
「Q1グランプリ」決勝進出者7名
  • 「Q1グランプリ」決勝進出者7名
  • 約300名の来場者でにぎわった会場
  • 「特色検査」対策の授業を行った家田優先生(市ケ尾教室)
  • 「社会」の授業を行った平田祐介先生(市ケ尾教室)
  • 「英語」の授業を行った田中大輔先生(中央林間教室)
  • 「理科」の授業を行った中山将太先生(万騎が原教室)
  • 「小5国語」の授業を行った金子拡平先生(港南中央教室)
  • 「小5算数」の授業を行った森崎重盛先生(宮崎台教室)
 学習塾・進学塾の湘南ゼミナールは5月13日、「Q1グランプリ2016」を横浜市中区のラジアントホールで開催した。湘南ゼミナールの講師・スタッフや社外からの来場者300名以上で埋め尽くされた会場で、7名の講師による"熱い授業”が繰り広げられた。

 「Q1グランプリ」は、湘南ゼミナールの講師が小学校高学年から中学生対象の模擬授業を行い、その内容を競うもの。第4回を迎えた今回は、各エリアでの予選を勝ち上がった7名の講師が、1人12分の発表時間内で各々の授業技術を競い合った。

◆テキストなし、湘ゼミオリジナルの授業形式QE

 湘南ゼミナールの授業には特徴がある。湘南ゼミナールの授業方法は「QE(クイック・エクササイズ)」と呼ばれ、講師はこの湘南ゼミナールのオリジナル指導法に基づき授業を行っている。

 QEとは、教科書やテキストは使わず、講師による発問と理解度確認の挙手のプロセスを繰り返して学ばせる湘南ゼミナールオリジナルの授業形式。テキストを利用しないため、授業は先生が発問することから始まる。そのため、先生の問いかけに生徒が積極的に挙手して答えるなど、先生から生徒への一方通行ではなく、先生と生徒がやりとりをしながら授業が進められるなど、生徒のやる気を引き出し、深い思考プロセスを育むことができるという。

◆単元自由、題材フリー 授業スキルが試される場

 「Q1グランプリ」当日は、決勝戦出場者である講師たち7名が生徒役の来場者に向けて普段の授業さながらの授業を行った。

 授業を行ったのは、決勝進出者である田中大輔先生(英語、中央林間教室)、金子拡平先生(国語、港南中央教室)、森崎重盛先生(数学、宮崎台教室)、雪本隆司先生(国語、北戸田教室)、平田祐介先生(社会、市ケ尾教室)、中山将太先生(理科、万騎が原教室)、家田優先生(特色、市ケ尾教室)。

 大会司会者によると、大会の目的はお互いに授業を競い合うことで「あの先生の授業はいい」「この部分が素晴らしい」「これは真似したい」など、ほかの講師の技術を自分の教室に持ち帰り、自分の授業に積極的に取り入れることにある。決勝に進出した講師らは、ひとり12分の持ち時間を与えられ、自らの授業を披露した。12分の持ち時間以外、発表する内容や題材は自由。発表された授業はどれもレベルが高くエキサイティングで、会場は大いに盛り上がった。

◆「何度出ても緊張」…講師同士が高め合い、磨き合う場

 7名すべての模擬授業終了後に行われた厳正なる審査の結果、ついに優勝者が決定。4度目の挑戦の末、数学の森崎重盛先生がグランプリに輝いた。

 森崎先生の模擬授業で取り上げられたのは、小学5年生の「分数の割り算」。「1割る2」といった簡単な問題も出題しながら、ただ答えがわかればいいということでなく、算数を解くうえで必要な考え方にもふれ、同時に「等分除」「包含除」といった算数用語も紹介。さまざまなレベルの生徒が興味をもてるQE授業を展開した。

 森崎重盛先生の座右の銘は「率先垂範(先頭に立って実践し、後に続く者に模範を示すこと)」。生徒たちに高い目標をもってほしいと言っている手前、自分自身の目標にはQ1で優勝すること、つまりグランプリになることを掲げてきたという。森崎先生は、湘南ゼミナールの研修館という施設で若手講師に対する指導も担当していることもあり、並々ならぬ決意をもっての参加となったようだ。

◆生徒を思うことは、良い授業を提供すること

 自らの出番の冒頭で「何度出ても緊張します」と語っていた森崎先生。優勝後には、生徒を思う、ということについて「良い授業を提供することこそ、本当の意味での『生徒想い』だと思う」と語った。「Q1グランプリに出て優勝することは目標であったとともに、ここで模擬授業を披露することで、自分の授業は間違っていなかったか、これでいいのかという確認をすることにもなるので、その意味でも(出場は)ありがたく感じていました。この優勝は、自分の授業に対してそれでいい、と認めていただいたことにもなるので本当に嬉しい」(森崎先生)。

 森崎先生をはじめ、どの講師の授業も楽しく、熱気に満ちていて、このような授業を受けたなら、子どものやる気も引き出されるかもしれない、と思う時間だった。

 湘南ゼミナールは神奈川県横浜市・川崎市、千葉県・埼玉県、東京都町田市などで学習塾・進学塾を展開し、難関校受験対策コースや個別指導も備え、生徒の個性と学力に合わせた指導を行っている。
《大倉恭弘》

大倉恭弘

大阪生まれ。美大卒、デザイナー出身のコピーライター。教育、ICT、スポーツなど幅広い分野のインタビュー取材に携わる。プログラミング、コーディングをこなし、4コマ漫画の連載も。企画・編集協力に「ナニワなんでもタイガース」他。趣味はウクレレ、Sonic Piを用いた楽曲制作、スケッチ、GIFアニメ制作。

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