S評価は筑波大だけ、未来医療研究人材養成拠点形成事業中間評価

 文部科学省は6月29日、平成25年度に選定された「未来医療研究人材養成拠点形成事業」について、中間評価の結果を公表した。25件の取組みのうち、もっとも高い「S評価」を受けたのは筑波大学のみ。このほか「A評価」が12件、「B評価」が11件、「C評価」が1件だった。

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未来医療研究人材養成拠点形成事業の中間評価一覧
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 文部科学省は6月29日、平成25年度に選定された「未来医療研究人材養成拠点形成事業」について、中間評価の結果を公表した。25件の取組みのうち、もっとも高い「S評価」を受けたのは筑波大学のみ。このほか「A評価」が12件、「B評価」が11件、「C評価」が1件だった。

 「未来医療研究人材養成拠点形成事業」は、急速に発展する高齢化等に伴う医療課題の解決に貢献し、国内外の医学・医療の発展を強力に推進するため、新規性・独創性の高い特色ある取組みにチャレンジする大学の事業を支援している。世界の最先端医療の研究・開発等をリードし、将来的にその成果を国内外に普及できる実行力を備えた人材を養成する「テーマA」と、将来の超高齢社会における地域包括ケアシステムに対応できる優れた総合診療医等を養成する「テーマB」があり、事業計画期間はいずれも5年間。

 中間評価では5段階(S~D)で評価し、その評価が平成28年度の補助金額へと反映される。当初目的を上回る効果・成果が期待できる「S評価」では減額なし、当初目的を達成することが可能と判断される「A評価」では平成27年度補助金額から12.0004%減額と、評価が低くなるほど補助金額が減額される。

 テーマA「メディカル・イノベーション推進人材の養成」では「S評価」はなく、千葉大学、金沢大学、東京女子医科大学など4件が「A評価」。東京大学、東京医科歯科大学、大阪大学など6件は「B評価」とされ、補助金額が18.0006%減額(12.0004×1.5%)になる。

 テーマB「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」では、筑波大学のみ「S評価」ともっとも高い評価を受けた。次世代の地域医療を担うリーダーの養成に取り組んでおり、受入れ目標数を達成している点、学生レベルからの総合医療医のキャリア形成支援を継続している点などが評価されている。

 このほか、「A評価」は東北大学、三重大学など8件、「B評価」は新潟大学、島根大学など5件。なお、東京大学はテーマBにおいて、目的達成が難しく当初計画の大幅な計画が必要とされる「C評価」を受け、24.0008%の減額(12.0004×2.0%)となった。

 なお、いずれのテーマにおいても、事業停止となる「D評価」を受けた取組みはなかった。文部科学省によると、各取組みにより事業計画や連携大学の有無、地域の実情などが異なるため、中間評価は各取組みの優劣をつけるものではなく、当初計画の進捗状況や事業目標を達成できるか否かを評価したものだという。評価を各大学にフィードバックすることで、今後の事業の推進に役立てていく。
《黄金崎綾乃》

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