【高校野球2016夏】甲子園の経済効果は344億円、清宮活躍でさらに上昇

 第98回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)の経済効果は、約344億3,897万円にのぼることが7月13日、関西大学の試算結果から明らかになった。注目の強打者、清宮幸太郎選手を擁する早稲田実業高校が活躍すると、約378億5,396万円まで膨らむ可能性があるという。

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 第98回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)の経済効果は、約344億3,897万円にのぼることが7月13日、関西大学の試算結果から明らかになった。注目の強打者、清宮幸太郎選手を擁する早稲田実業高校が活躍すると、約378億5,396万円まで膨らむ可能性があるという。

 関西大学の宮本勝浩名誉教授が、平成28年8月に開催される第98回全国高校野球選手権大会の経済波及効果について、試算・分析したもの。

 経済波及効果を計算するうえで基本となる直接効果(消費者が直接購入する財)としては、選手・生徒・教員・保護者ら学校関係者の消費支出が33億8,712万円、一般観客の消費支出が120億685万円、運営に携わっている人たちの消費支出が3,750万円、マスコミ関係者の消費支出が1億1,250万円、テレビ買換えやグッズ購入など「その他の消費支出」として4億円。直接効果の消費支出総額は、159億4,397万円となる。

 この直接効果から、内閣府作成の平成28年版発表の「全国産業連関表」を用いて計算すると、第98回全国高校野球選手権大会の経済波及効果は344億3,897万円にのぼる。経済波及効果とは、直接効果、一次波及効果、二次波及効果の総計。一次波及効果は、直接効果の原材料の売上増加額をいう。二次波及効果は、直接効果と一次波及効果で売上げが増加した企業や店舗の経営者・従業員・アルバイトらの所得・収入増加に伴う消費増加のこと。

 さらに早稲田実業高校がベスト8以上に勝ち進み、清宮選手が活躍した場合の経済効果についても推定。過去最多の観客動員となった1990年の第72回大会の92万9,000人に並ぶファンを集めたと仮定し、経済効果344億3,897万円を1人あたりに換算した約4万747円を観客92万9,000人にかけると、経済効果の総計は約378億5,396万円になるという。この計算によると、清宮選手の経済効果は、差額の約34億1,499万円となる。

 ちなみに1990年の第72回大会では、天理高校が優勝し、人気の沖縄水産高校が準優勝。中村紀洋選手やイチロー選手が出場している。

 宮本名誉教授は「プロ野球と比べると、外野席は無料、アルプス席は600円などという非常に安価な料金設定にもかかわらず、約344億3,897万円という非常に大きな経済波及効果をもたらしたことは驚くべきことである。夏の甲子園全国高校野球は、すべての日本人にとって夏の素晴らしい風物詩であると同時に、大きな経済効果をもたらすビッグイベントであるといえる」と、結論づけている。

 第98回全国高校野球選手権大会は、8月7日から開催される。現在、甲子園出場を目指して全国各地で地方大会が繰り広げられており、7月末に出場校49校が決定。8月4日午後4時から組合せ抽選会、8月7日午前9時から開会式が行われる。
《奥山直美》

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