京大・武田薬品・横浜市大、iPS細胞研究の共同研究契約締結

 京都大学iPS細胞研究所(CiRA・サイラ)と武田薬品工業、横浜市立大学は、ヒトiPS細胞由来ミニ肝臓創出手法(ミニ肝臓技術)を基盤とした創薬応用研究について、共同研究契約を締結した。

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京都大学iPS細胞研究所(CiRA・サイラ)
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 京都大学iPS細胞研究所(CiRA:サイラ)と武田薬品工業、横浜市立大学は、ヒトiPS細胞由来ミニ肝臓創出手法(ミニ肝臓技術)を基盤とした創薬応用研究について、共同研究契約を締結した。

 CiRAと武田薬品は2015年4月、Takeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications(T-CiRA)という共同研究プログラムを発表した。T-CiRAで8つめのプロジェクトとなる今回の共同研究では、横浜市立大学大学院医学研究科 臓器再生医学の武部貴則准教授が研究責任者を務める。CiRA以外の研究者が研究責任者を務めるのは初めてだという。

 ヒトiPS細胞由来ミニ肝臓創出手法(ミニ肝臓技術)とは、胎内で臓器が形成される初期の過程を模倣して、ヒトiPS細胞から立体的で血管構造を持つミニサイズのヒト臓器を作製する手法のこと。

 研究では、横浜市立大学で開発されたヒトiPS細胞由来のミニ肝臓創出手法を活用。患者の体内で生じる複雑な現象を再現するための革新的なシステムを開発することで、治療法が確立されていない肝疾患などの難病への新規治療薬探索や、従来の創薬研究で予見できなかった肝毒性の評価など、まれな有害現象の発現解析などに有益な新規創薬体系の創生を目指す。

 CiRA所長で、2012年にiPS細胞の発見者としてノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、「複数の種類の細胞を同時に培養してミニ肝臓を作る技術は大変画期的な技術です。武部准教授にはT-CiRAという場を生かした独創的な研究を期待しています」とコメントしている。
《外岡紘代》

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