【高校受験2017】大阪府公立高校入試の特徴と対策、英語は難化か…第一ゼミナール

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 大阪府の公立高校入試本番まで4か月を切った。入試問題の傾向や倍率といった受験情報や、ラストスパート時期の勉強方法について、気になる受験生や保護者も多いことだろう。

 そこで、全国約150拠点で進学塾を展開し、大阪公立高校の最難関といわれる文理学科に数多くの合格者を輩出している「第一ゼミナール」情報企画室 室長 高澤隆一氏に、受験本番までの対策はどうするべきか、また2017年度の入試の傾向について聞いた。

◆年度によって変更する入試問題タイプに注意

--大阪府公立高校入試の特徴について教えてください。

 大阪府は公立志向が強く、第一志望を公立高校に設定する志願者が多いです。特に、文理学科が設置されている高校は進学校として高い人気を誇ります。文理学科が設置されている高校は府内で10校あり、大阪北部では北野高校、南部では天王寺高校がトップ高校となります。

 公立高校の合否判定は、内申書と学力検査結果の合計で決まります。基本は内申書を450点満点(9科5段階評定を10倍に換算)、学力検査結果を450点満点、計900点で競うことになります。これに加え、2016年度入試より各公立高校の裁量において、内申書と学力検査の点数比率を5段階から選択できるようになりました。

 たとえば、天王寺高校では、内申書と学力検査の比率は3:7(Iタイプ)となり、入試当日の得点力が合否をわける重要なポイントとなります。逆に、多くの公立高校では6:4と内申書を重視している傾向がうかがえます。ちなみに、内申書と学力検査の比率が7:3(Vタイプ)を選択している高校はありません。

 また、入試問題の難易度も各公立高校の裁量で選択できるようになりました。英数国はA~Cの3タイプ、理社はA、Bの2タイプとなっています。Cがもっとも難易度が高く、文理学科設置校はすべてCタイプです。

 ただし、科目別にタイプを設定している高校もあります。たとえば鳳高校では、数学はBタイプを選択していますが、英国はCタイプを選択しています。このような入試問題のタイプ選択から、その高校でどんな生徒に来てほしいのかを推察できます。鳳高校では文系に強い生徒を欲しているのでしょう。

 注意しなくてはいけないのが、年度によって入試問題のタイプや内申と学力検査の比率が変更されるということです。たとえば、市岡高校は2016年度入試において、英数国ともCタイプを選択していました。実力が高い生徒に来てほしかったと推察できますが、同校を志望している受験者から「Cタイプの問題は難しすぎる」との不安が強かったようで、受験校を1ランク下げるという現象が見受けられました。その結果をふまえて、2017年度入試では、市岡高校は数学をBタイプに変更しています。

 そのほか、2016年度入試からは相対評価から絶対評価への変更、自己申告書の提出義務など、急激な入試制度の変更がありました。2017年度入試においてもさらなる変更点がありますので、受験生のみなさんは、塾の先生のアドバイスに耳を傾けて、入試への準備を万全にしてほしいと思います。

H29年度大阪府公立高校入試の主な変更点

◆難化が予想される英語問題

--英語の「発展的問題」はどのように変わるのでしょうか? またどういった影響が予想されますか。

 端的に申しますと、難化が予想されます。いわゆるCタイプ問題を選択している高校では、リスニングテスト時間が15分から25分へ延長され、筆記試験の時間は40分から30分へ短縮されます。

 大阪府教育委員会からリスニングテストのサンプル問題が発表されていますが、スピードが速く、また指示文、問題文もすべて英文となっていますので、専門的な訓練が必要とされます。また、2016年度まではリスニング配点比率は全体の25%でしたが、2017年度入試では33%まで上昇します。第一ゼミナールでは「速読英語」というオリジナル教材(写真参照)を使用し、大阪府の入試改革にいち早く対応し、効果をあげています。

 なお、2020年の大学入試改革をふまえて、外部検定のスコアなどに応じた点数保障が導入されました。こういった流れは今後加速していくものと思われます。

◆北野・天王寺高校の倍率上昇が予想される

--2016年度は前期・後期の廃止など大阪府の高校入試が大きく変わりましたが、その影響はありましたか。また2017年度入試への影響も教えてください。

 2015年度の前期・後期制ではまず前期でチャレンジし、不合格なら後期で安全に受験するという形がとれましたが、2016年度では一般入試に一本化され、一発勝負となりました。

 よって、安全志向が強く働いたと思われ、北野高校が1.20倍(前年3.08倍)、天王寺高校が1.30倍(前年3.03倍)と低倍率になった結果、豊中・茨木・大手前高校が3倍を超える倍率となりました。2017年度入試ではその反動で、北野・天王寺の倍率上昇が推察できますので、志願者には注意が必要となります。

◆公立・私立にとらわれない志望校選択を

--2017年の入試予想をお願いします。

 公立高校入試では、例年と同様の傾向で、文理学科設置10校は高倍率で推移するでしょう。また、旧学区制の2番手校であった春日丘、寝屋川、泉陽、および人気校である東住吉や阿倍野も受験者が増えるのではないでしょうか。今後も一部の人気校に受験生が集中するものと思われます。

 大阪府では府民に対して、いわゆる「私学無償化」制度が施行されていますので、私学への進学を積極的に考えるのもいいでしょう。塾の先生としっかりと相談の上、公立・私立にとらわれず、自分に合った高校を選択してください。

 私立高校入試では2016年度入試において、近畿大学附属、上宮、大阪産業大学附属、浪速、阪南大学、桃山学院が2,000名以上の出願者数を確保し、府内でも屈指の人気校になっています。特に近畿大学附属については2,800名を突破し、府内最多の出願者数となっています。近畿大学への人気が集まる中、附属高校も人気が上昇しているものと思われます。

◆清風南海高校は格段に難度が向上

--国立・私立を含めた入試予想もお願いします。

 やはり難関私立高校である清風南海高校の定員減が、大きなトピックスです。難関私立高校の定員減は、合格基準を大幅に引き上げる要因となります。5年前と比較しますと、清風南海高校は格段に難度が向上していますので、受験生の方は過去問を複数年分しっかり解き、万全の対策をしてください。

 また、開明高校の6年編入コースが6年文理編入コースとなり、こちらも難度が急上昇することが推測されます。天王寺高校などの併願校として清風南海や開明を考えていた受験生は、受験パターンの抜本的な見直しが必要かもしれません。

◆合否をわけるのは基本的な知識事項

--ラストスパートに向けてのアドバイスをお願いします。

 限りのある時間を有効に使うためにも、今習っている内容をすぐに復習して完璧にしましょう。中1、中2のときは「また後で復習しよう」と思っていたかもしれませんが、私立高校入試まであと100日を切った今、あとで勉強する時間がもうないのです。

 高校入試というものは、ほかの受験生ができない問題は自分もできなくても大丈夫なものです。しかし、みんなができている問題で自分だけができなかったら、残念ながら不合格になってしまいます。大切なことは、ケアレスミスを防ぐことです。

 また、入試直前期のこの時期は、理社などの暗記を徹底しましょう。一問一答タイプの問題集を活用して、知識を豊富にかつ確実なものにしていくことが大切です。英単語をたくさん覚えることも効果的です。数学の難しい問題が気になって仕方がないと思いますが、合否をわけるのは基本的な知識事項なのです。

◆過度に緊張したら深呼吸を

--保護者や受験者に向けて、アドバイスをお願いします。

 入試当日は当然誰もが緊張します。適度な緊張感は良い効果をもたらしますが、緊張感が高くなりすぎるのはマイナスです。そのようなときは、腹式呼吸でゆっくりと深呼吸しましょう。特に息を吐くことを意識すると、落ち着きを取り戻すことができます。

 また、やる気が起きないなどの状態に自分がいると感じたら、今までの体験の中で、成功したことや上手くいったことを思い浮かべてください。人間の脳はイメージを現実のことと判断します。思い浮かべた成功体験が、脳を活性化させてくれます。試験会場に着いたら、ぜひ試してみてください。

 保護者の方には、お子様の体調管理を一番にお願いします。入試直前期にインフルエンザにかかったり、現在はやっているマイコプラズマ肺炎にかかったりした場合、勉強時間数が激減します。外出する際はマスクを必ず着用させ、万全の状態で入試に臨めるようにサポートしてあげてください。

 また、お子様への声かけの仕方にもご注意ください。お子様をサポートしているつもりが、無意識に意欲を削いでいることがあります。「ドリームキラー」といって、「あなたは~だから無理」「そういうことは才能がある人だけ」「~はやめて~にしなさい」などといった言葉は、おそらくご自身がいわれてイヤな言葉だと思います。

 また、「私がこんなにがんばっているんだから、あなたももっとがんばりなさい」といったアプローチもいけません。受験生の勉強に対する意欲を大幅に低下させます。見返りを求めず、サポートしてあげてください。

 「なんで勉強しないの!」といった言葉もタブーです。「なんで」と言いながら、理由を聞いているわけでもなく、ただ怒っているだけです。

 お子様は、今入試という大きなものになんとか取り組んでいる状況です。保護者の方ご自身がイライラすることもたくさんあるでしょう。でも、子どもは子どもなりのペースで大人になろうとしています。あたたかく見守ってあげることが一番だと思います。

--ありがとうございました。

第一ゼミナールのイベント
 第1回中3対象大阪府公立対策模試/中1・中2対象文理学科10校模試:12月4日(日)
 第5回志望校判定テスト:1月8日(日)、1月9日(月)
 第2回中3対象大阪府公立対策模試:2月12日(日)
 冬期講習会:12月23日(祝・金)~1月9日(祝・月)
 中3対象大晦日集中ゼミ:12月29日(木)~12月31日(土)

◆2017年度(平成29年度)大阪府公立高校入試スケジュール
 出願期間:2017年3月2日、3月3日、3月6日
 学力検査:2017年3月9日
 合格発表:2017年3月17日
《編集部》

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