文部科学省は12月26日、給付型奨学金や所得連動返還型奨学金制度に関わる「高等教育進学サポートプラン」について公表した。進学を希望する生徒が経済的理由により大学などへの進学を断念しないよう、給付型奨学金の創設や入学時の負担をサポートする新プランが明らかになった。 「高等教育進学サポートプラン~一億総活躍社会実現のための奨学金事業の大幅拡充~」が提示するサポートプランのうち、新しく設けられるサポートは給付型奨学金の創設や、低所得世帯に対する無利子奨学金における成績基準の実質的な撤廃、新たな所得連動返還型奨学金制度の導入などおもに5つ。 具体的には、平成29年度から先行実施する「給付型奨学金の創設」は、非課税世帯で一定の学力・資質要件を満たす学生を対象に、国公私別や通学形態により月額2~4万円を給付する。低所得世帯に対しては、従来の要件だった評定平均値3.5以上を満たさなくても無利子奨学金を利用できるよう、成績基準を実質的に撤廃する。 返還の際の負担を軽減できるよう、返還月額が卒業後の所得に連動する「所得連動返還型奨学金制度」も設ける。対象は平成29年度の新規貸与者から。たとえば、年収144万以下の場合は最低返還月額は2,000円からとなる見込み。 進学の後押しと返還サポートのほか、相談窓口の設置や奨学金アドバイザーの養成・認定・派遣を行い、情報提供を強化する。学生や保護者が奨学金を正しく理解して奨学金を利用できるよう、高校などに「スカラシップ・アドバイザー(仮称)」を派遣し、制度の周知と学生のサポートを行う予定。 公表されたサポートプランでは、平成29年度・30年度の進学者に向け、それぞれが利用できる制度を紹介。大学などへの入学時、在学中、卒業後の流れも示し、申込みから利用、返還までを「国の政策パッケージ」として紹介している。