【中学受験の塾選び】日能研の特徴と費用、塾活用ポイント(2017年度版)

 中学受験に向けた塾選びの参考として、大手人気塾5校の特徴や費用をまとめた。中学受験で成功するための塾選びと活用のポイントは、中学受験 個別指導のSS-1に聞いた。今回は、日能研について見ていこう。

教育・受験 小学生
日能研
  • 日能研
  • 年間にかかる費用
 中学受験に向けた塾選びの参考として、大手人気塾5校(サピックス小学部・日能研・早稲田アカデミー・四谷大塚・浜学園)の特徴や費用をまとめた。中学受験で成功するための塾選びと活用のポイントは、中学受験 個別指導のSS-1に聞いた。今回は、日能研について見ていこう。

◆指導の特徴

 「未来への学び」をコンセプトに小学生の6年間を大きく3つに分けている。3年生までは豊かな学びの時間を大事にする「低学年の学び」、4年生から6年生前期は知識や知恵を系統立てて学んでいく「系統学習」、6年生後期は合格力を鍛える「合格力育成」。6年間の学びから、高等教育へつながる学びを身に付け、私学進学や未来へつなげていく。

 日能研の学びは授業から始まる。そのため、予習ではなく復習を大切にしている。子どもたちの成長段階によって、学習の在り方も変わり、4年生(ステージII)からは「授業~家庭学習~テスト~見直しと振り返り」が1つのサイクルになっている。

◆2020年の大学入試改革に向けた中学受験対策

 日能研のテストは、「知識・技能」を評価する従来型のテストとは在り方もスタイルも内容も異なっている。私学の中学入試問題は従来型から変化し続けている。2020年の大学入試改革をはじめ、日本の教育も大きく変わろうとしている。日能研のテストは変わっていると言われてきたが、従来型ではない新しいテストとして常に最先端を歩んでいる自負がある。日能研のテストでは、新しい視点や一歩前に踏み出す力、知識と知識をつなぎ合わせて考え答えを導き出す力、自分の考えを相手にわかりやすく伝える力などをはかっている。

◆思考力試験への対策

 日能研では、考える技「思考技法」をすでにプログラム化している。子どもたちが論理的に考えるために役立つ道具として、普段の科目の中で使っている。2016年12月30日から2017年1月2日には、小学5年生を対象に3泊4日の年末年始特別プログラム「『論理的に考えるチカラ』を磨く4日間」を開催し、科目の枠を超えて思考技法を使うことにチャレンジした。このほか、合格力をつけるための特別テストとして、5年生の9月以降には毎月1回、思考力育成テストも実施している。

◆年間にかかる費用とカリキュラム

 4科(Wコース)の場合、4年生は約45万円、5年生は約65万円、6年生は約108万円。費用には、季節講習会の受講料、テスト費用、教材費、冷暖房費などがすべて含まれる。

◆通塾の頻度と時間帯

・4年生:(4科)週2回(16:50~19:20)
・5年生:(4科)週3回(16:50~19:20)
・6年生:(4科・2~7月)週4回(平日16:50~20:45、土曜14:50~18:40)
※教室によって異なる場合あり

◆塾選びと活用のポイント(SS-1国語科講師 原潤平先生)

 授業やテキストにおいて、「なぜ、その解法になるのか」という理論や考察を中心に学習が行われる。そのため、解法を習得するだけでなく、根本から理解することに喜びを感じる子にとっては、特に魅力的な学習環境となる。6年生までは学習ペースが比較的遅いため、他塾のペースについていくことが難しい子にとっても適した学習環境と言える。

 関西の大手塾の中では、演習量は少なめだが、授業内容は論理・考察がメインとなるので、深い理解力が問われる。ただし、最難関入試対象の選抜クラスは、小学5年生までの演習量がトップクラスとなる。

 選抜クラス以外の場合、6年生になると日曜特訓が入ったり、補助教材が増えたりと学習ペースが急に速くなる。その際、テスト対策・宿題・テスト直しなどに手が回らなくなる子が少なくない。志望校合格から逆算して、必要な問題と必要ではない問題を取捨選択するなど、効率的な学習をサポートしてあげる必要がある。6年生での演習量を想定して、5年生のうちから家庭で演習量を増やしていくのも良いだろう。

 2017年度は、特訓授業を中心に、問題内容が難化している印象にある。復習内容に優先順位を付けていくなど、家庭で行う学習では、これまで以上に工夫が必要になるかもしれない。
《奥山直美》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top