国立教育政策研究所は3月28日、平成27年度における国公私立中学校・高等学校の職場体験・インターンシップ実施状況を公表した。公立中学校の98.3％、公立高校の81.8％が実施しており、千葉市や神戸市、岡山市などは公立高校（全日制・定時制）における都道府県・政令指定都市別実施率が100％だった。 国立教育政策研究所は、職場体験・インターンシップの全国的な実施状況の推移を把握するため、学年・期間・学科別の実施状況や教育課程への位置付けの状況などについて、毎年実態を調査している。対象は全国の国公私立の中学校および高等学校（全日制・定時制・通信制）で、平成27年度の実施状況について、平成29年1月現在で取りまとめた。 公立中学校における職場体験は、9,569校中9,408校と98.3％が実施。職場体験を実施している主たる学年の実施期間については、「3日」38.2％がもっとも多く、ついで「2日」31.3％、「1日」「5日」各12.5％だった。複数の学年で実施している場合は、「1日」と「2日」が多かった。 教育課程などへの位置付けは、77.0％が「総合的な学習の時間で実施」と回答。職場体験の事前指導にかける時間は、「6～10時間」が48.9％、「1～5時間」が23.7％、「11～15時間」が19.0％など。事後指導は「1～5時間」が57.8％、「6～10時間」が33.3％を占めた。 そのほか、国・私立中学校の平成26年度実施率をみると、国立の60.0％、私立の31.3％が職場体験を実施。私立は前年度調査時より5.0ポイント増え、過去最高の実施率となった。 公立中学校における都道府県・政令指定都市別の平成27年度実施率では、秋田県、茨城県、愛知県、さいたま市、千葉市など11県12政令指定都市が100％に達した。兵庫県、神戸市の1県1政令指定都市に関しては、5日以上の職場体験が域内全校で実施されている。 公立高校（全日制・定時制）におけるインターンシップは、4,089校中3,344校と81.8％が実施。教育課程などへの位置付けの状況では、49.3％が「教育課程には位置付けずに実施」と回答した。 事前指導にかける時間では「1～5時間」67.1％、事後指導も「1～5時間」68.9％がもっとも多い。指導内容では、事前指導では「インターンシップの目的を確認・確認させる指導」「マナー指導（礼儀作法や挨拶の方法、電話のかけ方の指導等）」を行い、かつ重視している。事後指導の内容では、「報告書やレポート作成などインターンシップを評価させる指導」が多い。 公立高等学校（全日制）の学科別の実施率をみると、農業93.2％、工業95.8％、看護96.6％、情報82.6％のほか、普通科の81.0％が実施。体験日数について、職業に関する学科では「2～3日」「4～5日」が多く、普通科は「1日」「2～3日」が多い。 国公私立高校（全日制・定時制・通信制）の実施率では、国立16.7％、公立80.9％、私立44.9％が実施。 公立高校（全日制・定時制）における都道府県・政令指定都市別実施率で100％に達したのは、札幌市、千葉市、堺市、神戸市、岡山市、北九州市、福岡市、熊本市の8政令指定都市だった。
