◆デジタルエリア2年目の状況 デジタルエリアは2年目を迎え、個別・共同あわせて19ブースが出展した。2016年はイタリア企業の出展がなかったが、2017年はConnie Tells社が唯一参加していた。しかし、昨年は28ブースあったのに比べ、全体に勢いが弱まった印象を受けた。 一方で、デジタルエリア関連の審査員4名が選ぶボローニャ国際児童デジタルコンテンツ賞(Bologna Ragazzi Digital Award)の受賞作には、子どもに与えるのに適した秀逸な作品がいくつか見られた。優秀賞、佳作賞、AR/VR部門あわせて全15作のうち、筆者が日本の幼児に使いやすいと感じたのは、はめこみ遊びのアプリ「Busy Shapes 2」(Edoki Academy)だった。 Edoki Academyはカナダに本拠地を置き、創設者のValerie Touze氏はモンテッソーリ教師でもある。彼女は「このアプリでははめこみ遊びが段階的に難しくなっていきます。楽しく遊びながら、問題解決策を自分でみつける訓練ができるように作りました。子どもにとって、何かをしながら考えることはとても大切」と話す。◆特別イベントあれこれ 会場内では公式出展のほか、特別イベントも多数開催された。4月3日に開かれた、フランス絵本作家12名と日本人の交流会もそのひとつ。出版経験のある若手作家と日本の編集者や絵本作家が、さかんに意見を交換した。 さらに、見本市期間中にはボローニャの街中いたるところで児童書関連の催しも。中心部の大型書店内レストランEataly Bolognaでは5日、東京から児童書店「ニジノ絵本屋」が出張して日本の食べ物絵本の読み聞かせを行った。第1部では日本語とイタリア語での読み聞かせに20名ほどの観客が聞き入り、第2部では刺身やおにぎり、押し寿司などの和食がふるまわれた。会場の外にまでも伝播する見本市の熱気を、目の当たりにした。