出生数100万人下回り過去最少、出生率も1.44に低下…厚労省

 厚生労働省は6月2日、平成28年の人口動態統計月報年計(概数)を発表した。出生数は前年比2万8,698人減の97万6,979人で、初めて100万人を下回り、過去最少を記録した。合計特殊出生率は、前年より0.01ポイント減の1.44であった。

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 厚生労働省は6月2日、平成28年の人口動態統計月報年計(概数)を発表した。出生数は前年比2万8,698人減の97万6,979人で、初めて100万人を下回り、過去最少を記録した。合計特殊出生率は、前年より0.01ポイント減の1.44であった。

 出生数は97万6,979人で、前年の100万5,677人から2万8,698人減少した。明治32年(1899年)から統計を採り始め、出生数が100万人を下回るのは初めて。出生数の年次推移によると、昭和24年の269万6,638人をピークに昭和50年以降は減少と増加を繰り返しながら減少傾向が続いている。平成27年には5年ぶりに増加したが、平成28年には再び減少に転じ、明治32年以来過去最少を記録した。

 第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向にあり、平成28年は30.7歳。母の年齢が40歳以上の出生数は約5万5,000人あり、このうち第1子は約2万1,000人。40歳以上の出生に占める第1子の割合は、38.5%であった。

 合計特殊出生率は1.44で、前年の1.45から0.01ポイント低下した。年次推移をみると、平成18年から上昇傾向が続いていたが、平成26年に低下、平成27年に上昇、平成28年に低下と、増減を繰り返している。年齢(5歳階級)別では、「30~34歳」の合計特殊出生率がもっとも高かった。

 都道府県別では、「沖縄県」が1.95ともっとも高く、「島根県」1.75、「長崎県」1.71、「宮崎県」1.71、「鹿児島県」1.68などが続いている。一方、もっとも低いのは「東京都」1.24。このほか、「北海道」1.29、「宮城県」1.34、「京都府」1.34、「千葉県」1.35などが低く、全体的には西高東低の傾向がみられた。

 死亡数は、前年比1万7,321人増の130万7,765人で、戦後最多であった。出生数と死亡数の差である自然増減数は、前年より4万6,019人減のマイナス33万786人で、過去最大の減少幅となった。自然増減数が増加した都道府県は、沖縄県のみであった。

 調査は、日本の人口動態事象を把握するため、市区町村長が出生・死亡・婚姻・離婚・死産の届書に基づき人口動態調査票を作成し、厚生労働省が集計。調査期間は、平成28年1月1日~12月31日。合計特殊出生率は、調査年次の15~49歳の女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が調査年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子ども数に相当する。
《奥山直美》

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