第111回歯科医師国家試験、改定により出題数・構成など見直し

 厚生労働省は7月5日、平成30年(2018年)実施される第111回歯科医師国家試験から新たに運用される事項を公表した。平成30年版歯科医師国家試験出題基準に基づき、出題数や出題構成の見直しなどを行う。

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厚生労働省「第111回歯科医師国家試験について」
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 厚生労働省は7月5日、平成30年(2018年)3月に実施される第111回歯科医師国家試験から新たに運用される事項を公表した。平成30年版歯科医師国家試験出題基準に基づき、出題数や出題構成の見直しなどを行う。

 歯科医師国家試験出題基準は昭和60年の策定以来、歯科医療・歯学教育の変化に合わせて4年ごとに改定し、内容の見直しを継続的に行っている。平成30年版歯科医師国家試験出題基準の改定は、平成28年3月に取りまとめられた「歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書」の提言を踏まえたもの。改定された出題基準は、平成30年2月3日および4日に実施される第111回歯科医師国家試験から採用される。

 第111回歯科医師国家試験の出題数は、必修問題80題、一般問題(総論)100題、一般問題(各論)80題、臨床実地問題100題の計360題に見直し、受験者の負担も踏まえ解答時間も見直しを行う。また、これまで必修問題および一般問題または臨床実地問題と分かれていた出題構成について、各問題冊子に必修問題、一般問題、臨床実地問題を均等に出題するよう見直す。この見直しは、一般問題と臨床実地問題を含む連問や、診断・治療計画を論理的に思考し一連の診療行為を問うため冊子をまたいだ連問などを出題できるようにするためだという。

 出題形式については、現在の出題形式に加え、必要に応じて5つの選択肢から3つの正解を選ぶ「X3タイプ」、5つの選択肢から4つの正解を選ぶ形式「X4タイプ」および治療手順などを解答させる非選択形式「順序問題」を使用できるようにする予定。

 現在の合格基準は、必修問題の得点、一般問題・臨床実地問題の得点、禁忌肢選択数および必要最低点という複数の基準から構成されている。改定により、合格基準のうち一般問題および臨床実地問題の出題領域に応じた領域別の得点における領域について、「総論」「各論I~II」「各論III~V」の3領域となる。ただし、「総論」「各論」は、平成30年版歯科医師国家試験出題基準の「歯科医学総論」「歯科医学各論」のそれぞれを示す。

 また、禁忌肢を含む問題は出題しないとした。なお、患者に対して重大な障害を与える治療や手技、ショック時などの緊急時における誤った対応、法律に抵触する行為、職業倫理に反する行為などについては今後も内容を充実させたうえで、引き続き出題するという。

 「歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書」および「平成30年版歯科医師国家試験出題基準」は、厚生労働省Webサイトに公開されている。
《黄金崎綾乃》

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