大学医学部の入学定員は、1982年および1997年の閣議決定で7,625人まで抑制されたが、2006年の「新医師確保総合対策」により医師不足が深刻な青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、山梨県、長野県、岐阜県、三重県の10県で各10人、2007年の「緊急医師確保対策」により全都道府県で各5人の入学定員を増員し、2008年度の入学定員が7,793人に増員された。その後も増員が続き、2017年度には9,420人となった。 定員増と比例するように、医学部人気は高まっている。これにより入試の難度は年々上昇しているとされ、医学部の中では比較的難易度の低い私大医学部でも、早慶の理系レベルの偏差値になっている。 河合塾の2018年度 入試難易予想より、国公立大学(前期日程)・私立大学の医学部の偏差値を見ていこう。表には、医師国家試験・新卒合格率も示した。◆2018年度 国公立・医学部入試難易予想ランキング(河合塾)1 東京大学 72.5(94)2 京都大学 72.5(91)3 東京医科歯科大学 70.0(91)4 大阪大学 70.0(90)5 千葉大学 70.0(89)※数字は、前期日程の2次試験の偏差値(センター試験の得点率)◆2018年度 私立・医学部入試難易予想ランキング(河合塾)1 慶應義塾大学 72.52 東北医科薬科大学 70.0 順天堂大学 70.0 東京慈恵医科大学 70.05 自治医科大学 67.5 昭和大学 67.5 東京医科大学 67.5 東邦大学 67.5 日本大学 67.5 日本医科大学 67.5 大阪医科大学 67.5 関西医科大学 67.5 近畿大学 67.5 久留米大学 67.5 表には、入試難易と2017年に実施された第111回 医師国家試験の新卒合格率を示した。難関大学の難易度は拮抗しており、入学難易度と医師国家試験新卒合格率に完全な相関関係がないことが読み取れる。 2017年に実施された第111回 医師国家試験の平均合格率は、新卒が91.8%、既卒が54.3%で全体で88.7%。毎年の合格率は9割程度で、800人から1,000人程度が不合格となっている。